和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

2011-01-01から1年間の記事一覧

今年もあと少し・・・「兎文」

うさぎ 追いし あの山 こぶな釣りし かの川 昔は山に入ればすぐそこに兎はいたのだ。 日本で一番古い兎文様は飛鳥時代の天寿国繍帳。本格的に用いられたのは桃山時代以降。ほとんどの兎は月と組み合わされた月兎文、 木賊(とくさ)と組み合わされた木賊兎文…

雪持ち笹

一年中瑞々しい青色を保ちながら竹のように背は高くならず細い笹は竹と同様めでたい文様として古くから着物や帯に使われる。 今日は笹でも「雪持ち笹」を。熊笹、粽笹(ちまきざさ)などがよく知られているが、種類は竹よりも多いとされ青々と茂る葉は雰囲気も…

面白い文様〜青海波〜☆

☆ 〜 青海波 〜 ☆模様の中で案外誰でも知っている名前。日本だけでなくエジプト、ペルシャはじめ世界各地にみられる。同心円の一部が扇状に重なり合う。お絵かき帳に円を書けるアイテムがない。しょうがない。手描きの円なので線が汚い。ご容赦を!!物凄く…

面白い文様〜石畳(いしだたみ)文様〜☆

□■□ 石畳文様 □■□形や大きさが同じ文様が地と入れ替わる文様を入れ替り文様というが、代表的なのが「石畳文様」。色の違う正方形が上下左右交互に敷き詰められたような文様。 二色の四角形を交互にならべたこの文様は着物、帯、小物と幅広く使われている。□■…

゜*☆〜 短歌三首〜☆*゜

☆*゜ ゜゜★*☆*゜ ゜゜*☆*゜ ゜゜*☆*゜ ゜゜*★☆*゜ ゜゜*☆*゜ ゜゜*☆*゜ ゜゜*☆ わが術後気づかひくるるかの人に短く荒く答ふる師走 病みたるは体か心か寝返れば月光柔らにこの身を照らす 食べらるる為だけに受けし生もあり養殖の鱒と瞬時目の会ふ ☆*゜ ゜゜*…

伊勢型紙と行燈

先日、伊勢型を彫る作家さんから荷物がとどいた。 荷をほどくと・・なんと行燈。 そして行燈に付ける伊勢型紙を三枚。 伊勢型紙は美濃和紙を重ねて柿渋で貼り合わせ彫刻刀のような道具を使って精緻な模様を彫ったものである。三重県伊勢で彫られたことからこ…

面白い文様〜鱗(うろこ)文様〜☆

△▲△ 鱗(うろこ)文様 △▲△ 正三角形または二等辺三角形の連続模様。蛇の鱗とも、魚の鱗ともいわれる。 邪悪な者や恐ろしい物、病などを表すのに使われたようだが、その後魔よけ、厄除けに好んで使われる。単純でシンプル。使われるのは日本だけでなく世界各…

名物裂文様〜☆

正倉院文様と有職文様の格の高い文様とは別に名物裂文様という文様がある。正倉院文様や有職文様が式典や各種セレモニーでの格式にも耐える文様であるのと違い名物裂文様はお茶席等の時に重宝する文様で一般の外出着に比べちょっと場が効くというところか。…

有職文様・2〜☆

正六角形を上下左右に繋いだいわゆる亀甲文様はおめでたい柄として案外知られている。 東洋では亀の甲羅を連想する。浦島太郎が竜宮城に行った時の亀を連想するか・・小さなミドリ亀を連想するか・・は自由であるが、亀と思うと何だか野暮ったい。 同じ柄で…

有職文様・1〜☆

今日は有職文様について。 これもどこまでも簡単にさわりだけ・・ サワリ・・というのは琵琶でいうと音を調整する一番大事な場所をいう。 駒の上を指で押さえるその台の上部分・・ 私の言う今回のサワリは簡単に・・という意味。お婆用語。 こんな余談をして…

正倉院文様〜☆

着物にも帯にも柄がある。 この「柄」に面倒なことに「格」というものがある。以前にも言ったように好きなものを好きなように組み合わせて着ればいいのである・・ いいのではあるが、知っていて損はない。 それに従い王道をいくのも気持ち良いし、人の目に対して…

名古屋帯の格

昨日の金沢の雷は凄かった・・ というか冬にはつきもの。いい加減な時間にパソコンの電源を落としたので 昨日は携帯でのコメント対応となった。で・・今読み返してみて少し的を外しているコメント返しがあったので書き足しておくね。(おいしい梅酒を飲みなが…

楽器尽くし・2〜♪

昨日の楽器尽くしで「鼓」「琵琶」「横笛」をあげた。 あとよく出てくる楽器柄として「笙」「琴」がある。 昨日の帯には織柄としてなかったので、今日はそれ。昨日の帯は袋帯、今日は名古屋帯。 今日の柄は刺繍で施されている。 ☆ 笙(しょう) ☆ 雅楽で使われ…

楽器尽くし・1〜♪

太鼓、琴、笛、笙、琵琶・・・ 楽器は音色が美しかったり大きく鳴り響く。 昔はそれが神に伝える良い方法とされた。 良く鳴る → 良く成るとされ物事が好転する暗示ともされ能装束にも使われたとか。今日は篠笛の先生からいただいた帯を例に楽器の話。 織りだ…

 ☆   龍    ☆

先日生徒さんと話をしていて来年の干支、「龍」の話になった。で、・・その時にその方々に話したこと。 他のことは知らぬ。私が知っている着物の柄にまつわる「龍」のこと。着物の柄は以前にも話したようにほとんどが中国から伝わったもの。 「龍」もまたし…

赤と白のワイン♪

最近少し気がめいっていた。 少し?・・いやいや・・かなりかも・・・相当かも。「更年期?」・・とっくに終わった!! 「うつ病?」・・私に限って死語!! 「老人性虚脱症??」・・恐れもせずに言ってくれるじゃあない!!少し忙しいのと、少し体調不良な…

赤と白の思い出☆

ずーっと昔、まだ私が10歳かそこらの時の話・・ いやいや、最近とみに記憶が危ないので1〜2年ほど前後しているかもしれない。当時の私は牛乳配達と新聞配達をしていた。 学校行く前の何時間かを。 別に珍しいことではなかった。 皆貧しかったし、子供と…

空から謡いが降ってくる〜

金沢は 空から謡いが降ってくる 町と言われていた・・らしい。詳細はわからぬ。聞いたことがある。 「芸事が盛んな町」と言うことらしい。 昔はどこの家にも職人さんが出入りする・・ 植木職人であったり、瓦職人であったり、大工さんだったり・・ 木を剪定…

香炉

十二月に入ったのでいつまでも「月」や「芒」の香炉を出してはおけない。 何にしようか迷ったが「八重椿」にした。 昨日玄関に・・・ 真正面も悪くないけどちょっと横から見るのがステキ。絵のない真っ白な白磁であっても美しい形だと思う・・

 ☆ 短歌三首 ☆

お題は・・・「病室」・「消毒」・「X線」 「X線」は難題でした。 ・:,。☆゜・:,。゜・:,。★゜・:,。゜・:,。☆゜・:,。゜・:,。★゜・:,。゜・:,。☆゜・:,。゜・:,。★゜・:,。゜ 病室に「面会謝絶」の札かかる終日訪ねる人もあらぬを 身に沁みし消毒の香を…

創作帯結び・4 「白い鳩」

創作帯結びばかりアップしていたので段々飽きてきた。 これでしばらくは違うものにしようと、最後に自分の作品を・・・。 最初はディスプレイ用として何か帯結びができないかと思ったのが始まり。 時は春 羽ばたく白い鳥 自由に・・おおらかに・・縛りはない…

創作帯結び・3 「つばき」

今日はとしちゃんの作品・・・ある日、としちゃんが一本の帯をもって教室にやってきた。 「これで何かつくれるやろか〜・・」 片面赤と片面白の2色の袋帯。 「どうしたん?これ・・」ご近所さんがくれたとのこと。 結婚式に結ぼうと美容室に持ち込んでも固…

創作帯結び・2 「ゆり」

昨日の「ばら」の帯はしなやかで薄く扱いが楽・・ その分 コシがなく形をとどめる時にはある程度のスキルが必要。今日の「ゆり」は逆にコシがないと綺麗なゆりが仕上がらない。 織帯でパキッと張りがあり、しかもしなやか。 そんな帯から出来上がった。 養成…

創作帯結び・1 「ばら」

人の体に纏うと、着物は平面から曲線となる。 ダーツもなければタックもない。 それなのにうまく身体を包んでくれる。同じように帯・・・ 一本の帯は平面だけど背中で結んで立体となる。今日はそのうち青い「ばら」をお見せします。 すでにいろんな雑誌や和…

黒橡(くろつるばみ)色

紅は移ろふものぞ橡(つるばみ)の馴(な)れにし衣になほ若(し)かめやも 万葉集にある大伴家持の歌。妻がいるのに若い女に心変わりした部下を諭した歌。 美しい紅は華やかで人目を引く美しい色だが色が落ちやすい。 それに比べて慣れ親しんだ橡(つるばみ)の色の…

香炉

今日の職場の玄関・・香炉をだす。 自分の好きなものは何とも言えぬ気持ちの高揚がある。 箱書きは「月」である。 台の上にそっと置く。 最初からまさしく定位置の如くしっくりと収まった。 尾花の上に月が見える。 月を金色にしないで周りの月の輝きを金に…

アオサギ

五年前からアオサギが我が家に降り立つ。 「から」と書いたのは三度来たから。 同じアオサギかどうかは不明。 だがいつも同じ屋根の同じ場所。右横にいるのがカラス・・ 最初はモヘアの帽子がどこかから飛んできて引っ掛かっているのかと。 立ちあがって足が…

極真空手〜☆

今日は新しい生徒さん、みえる。 体育会系の方で柔道にはまった方だった。 つい、私も色々の話をし楽しいひと時。 着物教室というより「私がこの運動にはまった理由!!」二人自慢大会。 で、今回はその話。 ・:,。゜・:,。☆゜・:,。゜・:,。★゜・:,。゜・:,…

男物

九州の友人からお父様やおじい様の着物の一部を形見分けしていただいた。 昨日届いた。その中でちょっと気になるもの発見。まず「芥子縫い」の紋 「芥子」とかいて「けし」と読む。 ものすごく細かい刺繍の一種。 紋を刺繍する時、大きく「相良縫い」「菅縫…

山葡萄(やまぶどう)の下駄

毎日犬の散歩に下駄をつっかける。 ジーパンに下駄。 友人に言わせれば「変な人」に見られるらしい。 気にしない主義である。そんなある日のこと・・・鼻歌交じりに朝の冷たい空気を胸一杯に吸い込んで・・いたその時・・ 下駄の鼻緒が突然プツリと切れた。 …