先日生徒さんと話をしていて来年の干支、「龍」の話になった。
で、・・その時にその方々に話したこと。
他のことは知らぬ。私が知っている着物の柄にまつわる「龍」のこと。
着物の柄は以前にも話したようにほとんどが中国から伝わったもの。
「龍」もまたしかり。
「龍」は万能の能力を持つ物として天子皇帝を意味するのに対し、「鳳凰」は皇后を意味する。しかるに龍と鳳凰を組み合わせれば最上の瑞祥を表わすといわれた。
龍は架空の動物で九つの動物部分から作られたとされている。
角・・鹿
頭・・駱駝
目・・鬼
耳・・牛
体・・蛇
腹・・蟹
鱗・・鯉
爪・・鷹
手・・虎
天上界に属する神獣。
ちなみに「鳳凰」は鶏、雀、獣などを合体させたこれも架空の鳥。優雅な姿は吉祥性が高く不老不死を与え病気を治すとされていた。話がそれそう・・。
「龍」に戻る。
龍は東西南北を守る神の一つでもあり、青龍として東方を守る。
東・・青龍
南・・朱雀
西・・白虎
北・・玄武
朱雀というのが鳳凰。玄武というのは亀に蛇がまきついたもので長寿繁栄を表す。
東南西北(トウナンシャペイは麻雀の好きな方ならこの順番)ならぬ東西南北を守る四つを天の使いとしていた。
ちなみに江戸城あけ渡しの時・・(古い話だが、ついてきてほしい・・)
会津藩が朝敵の名を受け薩長と決戦する時の明治元年の戦い。
会津藩を守るときに編成された四班がまさしくここから取られたもの。
16〜17歳 白虎隊
18〜35歳 朱雀隊
36〜49歳 青龍隊
50歳〜 玄武隊
この四隊が中国の伝説から取った四方神の名。
(ちなみにお婆は玄武隊か・・女はいれてはもらえぬなあ〜)
守る方角も城を中心に東西南北その伝説の如くにとの説もある。
16〜17歳の少年で組織された白虎隊は最後は皆自決(正確には1人生き残るのだが)
ちなみにそれを琵琶で謡う曲を我がプロフィールに使った、
花は桜木 人は武士
散るべき時に散らざれば いかでか人に惜しまれん
の謡い出しから始まる。
学びの窓に筆を捨て 剣をとりて青天をにらむ姿の健気にも
三十六人団結し、主将のもとに駆け付けぬ
16歳やそこらの少年たちが命をささげて散っていく謡。
最後は、折れた刀を杖の代わりにし支えあい励ましあい、飲まず食わずで何日も山中をさまよい、飢えと傷とに力尽き、最後に
秋の錦を織る山を染むる血潮、滝川に流れ落ちる血潮はから紅
と相なる。
最後に飯盛山で全員自決する。
(城下に立ち上る煙を見て落城と誤認してしまったため・・・誤解があってはならぬので書き添えておく)
・・「父母上様、さらばでございまする」と。
正確には1人、助かったその少年から事の真偽を聞きこの謡が出来たのだが。
話がそれた・・・誰かに止めてもらわねば何処までもそれるお婆である。
着物の柄は優雅で綺麗なだけのものと思われがちである。
でもその一つ一つに、歴史という縦糸、その時代の人の心という横糸、それらが延々と織りなされているのではないかと思うとのほほんと勉強できることに無常の喜びを持たねばならなぬ。
なにはともあれ、要は一生懸命勉強していこう・・ということ。
言いたいことにたどり着くのにこんなにもかかってしまい、
脇道ばかりで本当に御免なされ〜。
※こんな話を延々としたために着付けの練習が
全くできなかった方々には
改めて時間を取る所存、申し訳ない。