和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

楽器尽くし・1〜♪

太鼓、琴、笛、笙、琵琶・・・
楽器は音色が美しかったり大きく鳴り響く。
昔はそれが神に伝える良い方法とされた。

    良く鳴る →  良く成る

とされ物事が好転する暗示ともされ能装束にも使われたとか。

今日は篠笛の先生からいただいた帯を例に楽器の話。


織りだされている楽器は「琵琶」「横笛」「鼓」。

 

  ☆「琵琶」☆

絃楽器ですが弓を使わず撥や指ではじいて音を出す。
たいてい四弦か五弦、あの正倉院の現存する琵琶は五弦・・
どういうわけか写真は三弦。そのくせ糸巻きは四つ。
そういう琵琶もあるのかも・・・知らぬ。多分、ありえぬ。
あまり深くは考えまい。
着物や帯にあしらわれる琵琶には美しい草花があしらわれているものが多い。
この琵琶には胴体に紗綾型文様。格調としては高い。
木製の胴が果物の枇杷に似ていることから・・。

  ☆ 横笛 ☆

横に構えて吹く管楽器の総称。
源氏物語では「横笛」では柏木の形見の横笛が光源氏に渡るまでが書かれている。
そのため源氏物語を暗示させるモチーフにも使用されることもある。
平敦盛が逃げ遅れ平家の船に乗り遅れたのも、実は横笛を忘れ取りに帰っていたためとも言われている。それはまたいつか・・・の機会。あれば・・であるが。

  ☆ 鼓 ☆

白拍子の舞の伴奏や能の囃子などに時々登場するポピュラーな楽器。
静御前」の場面にも・・・鼓や笛太鼓・・・として出てくる。
胴のくびれた小鼓が優雅な形で表現され調緒(しらべお)と呼ばれる紐を巧みに意匠化。
鼓に草花をあしらい優美で華やかな雰囲気を表現することに使われる。
この鼓には花菱と亀甲文様。胴には紅葉。


着物や帯に使われる楽器文様は主に宮中でおこなわれる雅楽で使われたものらしい。
美しい王朝文化の調べを奏でる楽器類・・さまざまに文様化されている。
写真のストロボのせいで正しく写っていないが、色は濃朽葉(こきくちは)。
今で言うとくすんだ濃い橙色に近い。
高貴な色の紅や紫とは違い自然界の色。でも平安の人々に愛された色とか。

教室のみなさん、実物のお見せできる日があったら・・・また・・・〜・・・