和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

瓜文

南瓜、へちま、胡瓜、ひょうたん、冬瓜、スイカなどのウリ科の植物を文様化したものを一般に瓜文という。
形の面白さから図案化されやすく蔓や葉などを描くことによってさまざまな面白さやユニークさが表現できる。
今日はその瓜文の話。

瓜そのものの家紋は案外少ないらしい。
胡瓜の断面は「木瓜」(もっこう)といい子孫繁栄を意味している。
織田信長の織田瓜は中でも有名であるが、それ以外の瓜科の家紋は少ない。面白いところでは南瓜(かぼちゃ)の家紋というのもあるにはあったのだが紋としての美しさは「木瓜」が群を抜いているのではないかと思う。

家紋はさておき着物や帯の文様で案外多いのが瓜の中でも瓢箪(ひょうたん)
蔓性一年草、夕顔の変種。
夕顔といえば源氏物語に登場する。頭中将と夕顔の間に生まれたのがあの玉鬘(たまかずら)。
源氏がこの玉鬘に贈った襲の色目などの件・・・去年の着物検定の一級問題に出題されていたように思う。
もはや、記憶が朧・・・・
竹垣に絡んで葉や蔓を広げて伸ばすひょうたんは「成り瓢」といって中の実の中の種などを取って乾かしたものと区別。
中身をくりぬいて乾燥させた実を「ふくべ」「ひさご」ともいう。小形で多数の実をつける千成り瓢箪は豊臣秀吉の馬印として有名。

その瓢箪・・・六個くっつけて描いた時は


        むひょうたん→むひょう→無病

として厄除けにも使われ、襦袢の柄や帯などに登場する。
またウリ科の野菜・マグワウリをモチーフにして図案化もされている。
浴衣や手ぬぐいの文様としてある。

面白いところではまず組み合わされないような
「瓜」と「貝」を一緒に描いて「瓜貝」・・・「売り買い」・・
商売を大切にする商家の方がお正月やパーティに縁起を担いで着たりするとか・・・
着物検定の副読本に写真付きで出ているので興味のある方は見てたい。

瓢箪の柄は曲線なので嫌う人は嫌うのだが色を考えればシャープで格好いい。
下の写真は生徒さんの一例・・・こんな瓢箪の使い方もある。