和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

楽器尽くし・2〜♪

昨日の楽器尽くしで「鼓」「琵琶」「横笛」をあげた。
あとよく出てくる楽器柄として「笙」「琴」がある。
昨日の帯には織柄としてなかったので、今日はそれ。

昨日の帯は袋帯、今日は名古屋帯
今日の柄は刺繍で施されている。

   ☆ 笙(しょう) ☆



雅楽で使われる笛の一種で日本には奈良時代に伝わったらしい。
笙の形が羽を休めて止まっている鳳凰に似ているので「鳳笙(ほうしょう)」とも。
17本の細い竹を筒状に配し、横の吸い口から息を吸ったり吐いたりして音を出す。
和装組曲のイベントで神主さんに講義していただいたときに一度音を聞かせていただいたのをみなさんご記憶ではないか?
一緒に写っているのは多分琵琶?色々な形があるものだ。

   ☆  琴  ☆



細長い形は結構印象的。着物や帯に優雅な印象を与えるのでよくある。
琴の音の調整に使われる台、「琴柱(ことじ)」は美しい曲線をもつので単独でもよく用いられる。琴柱が思い浮かべれない方は兼六園の「ことじ灯籠」を思い浮かべてほしい。
巨大化したものかと。

写真ではちょっと見ると琴がイカに見えなくもない。(笑)
琵琶がマンドリンバンジョーに見えなくもない。
どんなものも写実的かといえばそうでもない。
作り手の思いから若干デフォルメされている場合も多い。

琳派の絵を思い出してほしい。
どう見ても万寿菊に見える花が椿だったり・・
どう見てもしいたけに見える木が松だったり・・と。

ただその形が好きかどうか・・かと。

あと帯地の色について・・今回は「濃小豆色」(こきあずきいろ)
古代より赤い色は魔よけ、厄除け。
小豆には病を退ける力があるとされ祝の時は赤飯やぜんざいがふるまわれた。

  「食い初めの時は赤い赤飯をたかしたる」

と出てくるのは南総里見八犬伝。江戸時代には定着していたということ。
子供が一生食べ物に困らないように願う御喰い初めの時に赤飯を炊いたのはそういうわけ。

ついでにもう一つ・・・・
           ・・・・すぐ終わるつもり・・・十時から仕事だ・・

ぜんざいでも作ったことのある方は分かると思うが
小豆を煮ているとものすごくきれいな赤い汁となる一瞬がある。
この汁をすかさずよけて使うのが赤飯の色。
ところがもう少し煮ているとくすんだ灰色がかった小豆の濁り汁となる。
その色が小豆鼠(あずきねず)。。。
濁ってはいるがどこか上品でぬくもりがある。

    夜会結に薄紫のリボン飾りして 小豆鼠の縮緬の羽織着たる

     ↑  (こんな髪型も「お絵かき帳」使えるようになったら説明するね。)

と出てくるのは尾崎紅葉金色夜叉・・・

名前の色目は風流、でも生活に根付いている。。。。

また長くなった、御免。
いつも早くちゃっちゃっと切り上げようと思う・・・思うのだが・・ごめん。