和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

雪持ち笹

一年中瑞々しい青色を保ちながら竹のように背は高くならず細い笹は竹と同様めでたい文様として古くから着物や帯に使われる。
今日は笹でも「雪持ち笹」を。

熊笹、粽笹(ちまきざさ)などがよく知られているが、種類は竹よりも多いとされ青々と茂る葉は雰囲気も良く印象的な図案が多い。雪が降り積もる雪持ち柄でも、「雪持ち梅」もある。紅梅と白雪の美しい配色でなじみもあるかと。「雪持ち笹」は同じめでたい植物でも梅の華やかさや匂い立つ芳しさはないが何処か印象的でシャープな葉の形である。
さて「雪持ち笹」という文様。どこかで見た記憶もあろうかと。

    

染めの名古屋帯
笹の上に雪が降り積もった様子。写真はまさに金沢あたりの重く水分を多く含んだ雪を連想させる。しかしもっとふんわりした淡雪もあれば粉雪もあり雪の質も、つもり具合も様々。
しかし寒さと積雪に耐え、雪溶けと共に葉や茎を起こし、雪を跳ね返す強靭さは人生の艱難辛苦に耐えながらやがて来る春を待つことにたとえられ崇高で神々しい人の精神力を彷彿とさせる。図柄の中に人の一生や人生の醍醐味をとらえる事もまた、着物姿の面白さであろう。

地色は和の色名では「秘色(ひそく)」に近いか?薄浅葱(うすあさぎ)色か?
淡い青緑色で、分りやすく言えば今で言うミントグリーン。
笹の葉は千歳緑(せんざいみどり)、深く渋い緑かと。
無地に見えるが、地は写真ではちょっとわかりにくいが江戸小紋三役の一つ「格通し」。
小さな小さな四角が繋がって地を埋め尽くしている。
笹のバックの色の違う部分は「格通し」が染付されていない地の部分。
さらに織り地は薄い氷が割れたような亀裂、氷裂(ひわれ)文様。写真が今一つで申し訳ない。


 


織屋さん、江戸小紋作家さん、友禅作家さん、三者が力を合わせ一つの作品として仕上げたもの。



         先人の知恵である「強靭な精神力」…
            私も欲しくて何としてもこの柄を今日載せたかった。


         しばらくお休みする所存。
            
   こんな書きなぐりのブログを読んでくださった方、色々コメントいただいた方、
                           心から感謝、深謝、謝謝。
 
                     新年にはお会いできるかと・・・