一、卯の花の匂う垣根に
ホトトギス早も来なきて
忍音(しのびね)もらす夏は来ぬ
二、さみだれのそぞぐ山田に
早乙女が裳裾ぬらして
玉苗(たまなえ)植うる夏は来ぬ
三、橘のかおる軒場の
窓近く蛍飛びかい
おこたり諌(いさ)むる夏は来ぬ
(作詞 佐々木信綱)
五題迄あるのだが、長くなるので三題で辞めておく。
というと格好いいのだが・・・実は此のあたりまでしかよく知らぬ。あとは結構あやふや・・(笑)
皆さん「夏は来ぬ」・・・って知ってる?
実は土曜日に初心者向け着物勉強会「組曲いろは会」をした。
今回のテーマは「着物の柄付けと格」。
その時に出た話。
その日は玄関に「ウツギ」「白ダリア」「鳴子蘭の葉」を生けた。
「ウツキ」の名前を分る方がいなかったので
思わず私はヒントにこの歌を歌ったのだ。
その日の私。暑かったので単衣の着物にした。帯は花織、八寸名古屋。
音痴であるのだが構ってはいられぬ。
「卯の花の匂う垣根に〜♪」と。
「分った!!」という声がかかるかと思ったのに「し・・・〜・・ん!!」
結局最後まで歌うしかない・・
それにもかかわらず、反応はない。
一番若いかたは最後まで聞いても「・・・・聞いたことない!!」とキョトン。
「えっ??うそ〜!!」と私。
一番何でも知っていそうな
この方も「知らないです。」と。
一番年配なこの方は知っているでしょ・・と思うのだが
「何となく、何処かで聞いたような・・・」という程度。
「ちょっ・・・ちょっと・・・皆さん見栄張ってない?」(笑)
そんなに大昔の歌?と私の方がびっくり。
大昔の歌、なのだ。というより、私が大昔の人なのだわ。
「卯の花」はオカラではないの・・・「ウツギ」のこと。
「ウツギ」は「空木」とも「卯木」とも書く。
木の中が空洞なことからついたとか、旧暦の卯月に咲く兎の白さのような白い花から命名されたとも言われている。
今はあまり見ないが昔はこの「ウツギ」の生垣がよくあった。そこからこの歌の最初の歌詞が作られたのだ。「卯木」の花だから「卯の花」。
ウツギでも「山ウツギ」「谷ウツギ」「梅花ウツギ」と色々種類はあるのだが・・・其の日玄関にいけたのは「梅花ウツギ」だった。
ホトトギスと卯の生垣は夏の景物として親しまれていたのもこの歌の影響大かもしれぬ。
私は沢山ある唱歌の中でも、この「夏は来ぬ」の歌詞が物凄く美しいと思っていたので全く知らない今の若い方々にかなり衝撃を受けた。
あ・・・ぁ〜残念。時の流れですな。
こんな美しい日本語を知らないのね・・と。
今日はもう6月2日・・・早いですね。
庭の夏椿がもう咲き始めたのには驚いた。
散歩の途中で見る鳥さんたちもそろそろ親離れの時。
夏は来ぬ・・・とくれば、次は夏の思い出・・・・
「夏の思い出」って知ってる?
夏が来れば思い出す 遙かな尾瀬遠い空
霧の中に浮かび来る 優しい影野の小道
水芭蕉の花が咲いてる・・・・〜♪
江間章子さん(・・多分・・・)の作詞。。。
昔の唱歌の歌詞は美しかったわぁ〜・・・
先に宣言しておこう・・次回はこの歌は歌わない・・・
と、言うより歌えない。(笑)
音が高すぎ・・・♪
皆さんの知らない様な花で、しかも私が歌わなくていいような花、
なお且つ名前程度は知っておいた方が良い花を何か考えておこう。
次回の「組曲いろは会」は「季節と着物・帯、その取り合わせ」について。
6月13日午後1時から。
ではでは・・・・またねっ♪
ごきげんよう〜 ♪