風呂敷(ふろしき)・・・
可愛い柄から
ちょっとクラシカルなものまで
日本人なら誰でも知っている・・・はず。
色々な包み方ができる。
デパートやカルチャーセンター、はたまた公民館でも菓子箱、ワイン、酒瓶、から金封、スイカの包み方のノウハウを今や教えてくれる。でも習いたての時だけで、案外日常使う人は少ないのではないか?
紙袋の方がお洒落なものが一杯あるしそのまま相手に渡せるので帰りに荷物にならない。
今日は先日教室でご質問のあった風呂敷について・・・少しだけ。
・・・・・・・・・・・・・・・♪・・・
奈良時代・・「裏(つつみ)」
平安時代・・「衣つつみ」
(このころの「つつみ」と言う字には「僕」と言う字の篇を巾にした字を使っていた。
IMEパットで書くと携帯では表示しないようなので・・イメージして考えてください。)
南北朝時代・・「平包(ひらつつみ)」
江戸時代・・・「風呂敷」
と変わって江戸時代初めて今のいい方となる。
江戸時代のころの「風呂」は蒸気浴のことで今でいう風呂は湯風呂といったそうな。
その風呂で荷物を包んで持っていったり、その場で敷いたり、
・・「風呂で敷く」ところから風呂敷という名前になったとか。
江戸も中期になって商業の発達に伴い、商品を包むことに使われだし素材も綿、絹、麻を用い大きな風呂敷が主として使われだしたという。
私の子供のころには呉服屋さんが反物を大きな風呂敷に包み肩にかけて来たり、富山の薬売りの人が肩に荷物をめり込ませて遠路はるばる来たり・・・とても大きな風呂敷のイメージがある。
大抵唐草模様か格子だったりした。
今ではとてもカラフルで季節感のあるものが登場している。
無地あり・・プリントあり・・友禅あり・・絞りあり・・
季節の花々を刺繍で彩ったり、友禅の手書きであったり・・人間国宝の手によるものもある。
風呂敷と言えど値札を見てびっくり・・も珍しくはない。
中に包まれる物より包む風呂敷の方が高いのである。
もらう側にしてみれば、「中身よりその風呂敷を置いて行って〜!!」となる。
今日は風呂敷の畳み方でも「慶事」と「弔事」二種類の包み方をご紹介。
先日の教室で結婚式や葬式で金封をそのまま受付に出すのはとても抵抗があるので風呂敷で物を包む時の包み方の話となった。
で・・・お絵かき帳でちょっと書いてみた。
まずは慶事。右包みと言う。
華のある格調高い無地が一番無難だが、ない時はちょっとおめでたい柄を選んだほうがいいかも。
で、次は弔事。左包みと言う。
黒や紫、グレー、藍、抹茶など少し控えめな色の無地がよいかと。
紫なら「慶事」も「弔事」もどちらもよい。
昔から日本では「紫」だけは特別な色なのだから。
余談になるが・・聖徳太子の「冠位十二階」の色の段階では
紫・青・赤・黄・白・黒
で濃い色の方が薄い色より位は高いのである。
と、言うのは昔は草木染なので濃い色は大変な労力が必要だったため。
話戻って・・
小さな風呂敷で無地が一番よい、しかしない時はあるもので間に合わせる。
(どんな時もこれが大事。わざわざ買わない。お金のいるときにさらに加算するようなやり方はお勧めできない。
とにかく気持ちが大事と自分に言い聞かせ無駄な買い物はしない方がよい。持っているもので一番目的に近いものを選べばよいのである。もし、どうしてもなくて買う場合は一つで全部を網羅するようなものをできるだけ選ぶことである。)
あと夏の物もあるのでご紹介。
夏は「絽ちりめん」が一番重宝する。六月から九月までならいつでも使える。(余りに暑い時なら五月も十月もいける。)
縮緬地に絽目が通っている。
もちろん真夏でも物を包むだけなので普通の縮緬しかない場合は十分である。
着物なら冬ものを夏に着るのは大変である。しかし風呂敷なら包まれている菓子箱やお金は文句を言うはずもないのだから。
菓子箱や小さなものならこんな風呂敷でも。
夏はあくまで涼しげな色を・・もっとも選ぶほど風呂敷の数のある場合の話である。
だいたい決め事が多いとそれだけで嫌になるのであくまで知識としての話である。
なければないでいいのだ・・・それくらいの気持ちでいいのでは・・・と話して聞いている皆をあきれさせた。いつものことだけれど・・・・
ただどんな時も知っている・・というのは力強いものである。知らないでやっているのと知っていてそれができないのとでは大きな違いである。
ちょっと知識のある人が何かを言ってきてもオタオタしなくていいのだ。でーんと構えて受けて立てばよいのだ。
知識は、人に何か言われても自分を守る術となるはず・・・・
は、は、は・・・・そんな大げさなことでもないか〜・・・たかが風呂敷のこと。
まあ、私の話はいつも半分に聞いてたい。。。。。