和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

綿の花・・・〜♪

四大文明と四大天然繊維。
人がいれば文明があり、そして衣服がある・・・はず。
文明があるところ必ず身に纏っていたはずの繊維がある・・・・・・はず。

エジプトでは麻、インダスでは綿、メソポタミアでは毛、中国黄河では絹・・と言う風に。エジプトの墓より発掘された麻きれは人類が用いた最古の繊維。一方今まで折に触れ話した絹は中国から稲作技術とともに日本に入ってきていて、卑弥呼の時代には錦が織られていたことが魏志倭人伝に記されているとか。

私が聞いた話では中国の小さなお姫様が遊んでいて蚕のさなぎを見つけた。
夕食の時ポケットから出して遊んでいて、それを誤って熱いスープの中に落としてしまった。あわてて取り出そうとすると糸となってつながっていった・・という。それがお湯の中で蚕から糸が取れるとわかった最初とか。
かつてはその国の名前もお姫様の名前も聞いていたのだが・・今では心もとない頭である。
では・・・木綿はどうか・・

5000年前インダス川近くで栽培されていたそうな。

日本には8世紀に漂流した崑崙人が服のポケットに綿花の種を持っていたらしいが当時の日本には定着しなかったようだ。温度と湿度が合わなかったという。16Cに朝鮮経由で明国の綿花がもたらされそれが品種のせいもあり日本に定着。麻、絹、綿の中で最後に日本に伝わったといわれている。ようやく江戸時代前半に庶民の普段着として普及したといういきさつがある。

昔は、日本では庶民は麻、支配階級は絹という構図だった。
大化の改新の時の「租・庸・調」では「庸」は「絹の生産に従事すること」であり「調」は「絹・麻の現物税」だった。
貴族の支配から武士の台頭となり、武家社会となると絹よりも麻が重要な地位を占めるようになったと言う経緯がある。そこに初めて木綿が入ってくるのである。

さて・・・何故そんな話かというと・・・
ドンドン話がそれていくのでこの辺で修正せねば。



今日花屋さんで綿花(コットンボール)を見た。
そう・・これは秋の物。職場の玄関に飾ろうと決めた。
知っている人は多いが、知らない人もいるはずと。
単にそれだけの話。
前置きで迷子になりそうになってしまった。




一つの綿花を皆取ると・・・





こんな感じになる。
とった綿花は見ているのよりはるかに多い。


繊維として製糸するには繊維の長さが1インチ(2.5センチ)必要だと言われている。身近で木についている綿花を見たことのない方、今度教室に来た時触ってみて、そしてちょっと手で紡いでみて。
ちょっと感動するかも。


    真綿で首をしめる

    綿のように疲れる

    真綿に針を包む

あまり良い意味にはつかわれないが・・・

そうそう・・こんなややこしい書き方をするとよく誤解する方がいる。
「綿」は木綿の綿のこと。
「真綿」は絹。蚕のさなぎを開き作った絹の綿のこと。

とても似ているが素材としては全く違うので念のため。


現在綿花生産国はアメリカ・オーストラリア・ロシアで世界の60%。
ちなみに日本はアメリカ・オーストラリア・中国から輸入している。