和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

コメント・・・雑感〜♪

我が職場で使っているトルソーである。
こういうトルソーを創作帯結び展の時は45体ほど使っていた。
今は常時3体ほどの使用。
上級コースの生徒さんは各自2〜3体自宅でお持ちだ。

このトルソーでいつも着せつけ練習や帯結びを考えている。
どうかすると家で考えた結びをトルソーごと教室に運ぶ人もいれば
教室で考えたものを再考するためそのまま家に持ち帰る人もいる。

勿論着物を着せつけても頭部はない。
それを抱えて車の後部座席に乗せる。
日中はまだよい。
夜、10時、11時、こんなトルソーを後部座席に乗せ運転している様を想像してください。
ちょっと怖い。
で・・・ある方は大きな風呂敷を頭部に掛けた。
カーブでその風呂敷、ちょっとずれた。
更に怖い。
バックミラーでその様子を見た瞬間・・思ったそうだ。
こんなところを検問で停められたら・・・と。
「早く家に帰らねば」と。
まあ、警察の検問に引っかからなくても、信号で横に停まったトラックの運転手は一瞬「ギョッ」とするはず。
それでも頭部がないというのはまだよい。

このトルソー・・頭部のあるマネキンを使っている方もいる。
頭だけでなく手も付いている。
着せつけるときは大変だが肩から着物がずり落ちないので楽とのこと。
車の後部座席で手が天井ににょっきりと。
ずり落ちた風呂敷からマネキンの虚ろな片目が。
また・・・夜・・・トイレに起きる。
居間に着物を着せられこのマネキンが暗闇の中にボーッと立っているのを見たら「ギョ・ギョッ!!」。
やはり頭部のないものの方がいいわあ・・・とのたもう。

私たちはいつも頭部のないもので練習しているので
頭部のない写真、全く違和感がなかった。
まあ・・ちょっとした言い訳、いやいやかなりな言い訳&自己弁護・・(笑)
ちょっとした・・・前置きのはずがものすごく長くなった。
いかに後ろめたいかがうかがえる。(笑)

で・・・ここからが今日の本題。
トルソーはそうであっても言い訳にはならぬ。
そこで着物を着ている方の顔をあまり出さぬような形での違和感のない着物姿という物に今からはこだわっていきたい。
皆さんの気持ちを不安にさせないためにもと・・・決意も新。
どんな姿でお見せできるか・・・3〜4パターンを考えた。
とにかく頭部だけを切り取ってお見せすることはもうすまい・・・
不快な思いをされていた方、言いたくても言えなかった方々、どうかお楽しみに。

それと今日はもう一点。
帯締めの話も。
先日のコメントで帯締めは目立たない方がよいといわれた・・という方のコメントに対して。
帯締めが目立つ・・のも一つのやり方・・とコメント返しで書いた。
早速生徒さんから言われた。
帯締めをとても目立たせたコーディネートを見せてほしい。
帯締めが目立つ着物姿はどうしても違和感がある。下品になるのでは・・』と。
で・・・今日はそれも一つお見せしようと思う。

6〜7年位前になるか・・・
友人に結婚式に招待された。場所は東京のホテル。再婚である。年齢もいっているのでひっそりと・・と。
で・・・そのときに暗い色しかほとんど持っていない私は思い切って明るい色の着物を作った。
人生の良き伴侶に中々恵まれなかったその方に幸おおかれという思いもあった。

それがこれ・・・

訪問着の一種であるのだが
柄つけは「肩裾模様」といい室町時代から桃山時代にかけて流行した柄のつけ方。
当時としては肩と裾の間の部分には「摺箔」(すりはく)をするのが特徴で、肩や裾は刺繍や箔、しかも大胆な色使いで豪華絢爛にする様式。豪華絢爛な物は能装束でよく見る。私はあっさりと色を載せただけで何もしなかった。というと聞こえは良いのだが色々すると予算もかさむし、第一自分に豪華絢爛は似合わないことはよくわかっていた。ひっそりと・・・どこまでもシンプルがよい・・。
ただ結婚式ということもあり地模様は「牡丹唐草」。正倉院柄でもあるし有職文様でもある。

とても細かい柄を選んだので、ちょっと分かりにくいかも。
帯は白地に銀の流水。

で・・・ここからがまさに本題。(笑)
帯締めをどうするか・・・と。
色々渋い色や違和感のないものを考えるには考えた。

明るい赤やワインレッド、紫、濃紺も考えては見たが、迷った末に落ちつついたものにしよう・・と。

で、私が選んだものは

黒と金。金の中には色々な色の入ったものを。
着物や帯とまさに反対色。
着物や帯に使われている色から選ぶ・・・という鉄則を無視している。
銀色ならまず間違いはないかもしれないが面白くなかったのとホテルのライトの色に沈むのであえて銀色は避けた。



多分着物、帯、帯締めを見たら帯締めがやたら派手で目立つ印象をもたれるのではないだろうか。
ただこれくらいの強い色を持ってこないと反対に着物姿、ぼけるかも・・・と。
白い着物に黒い帯締め・・・どうかすると違う花道に行きかねない。
でもそれを助けているのが勿論私の年齢もあるが一番は帯締めの格式であろうかと。
だから決して下品にはならないはず。色だけで持ってくるとちょいと違う方向に行くはず。
「いや・・これは下品だ」といわれれば、
「すみません」と言うより他ないのだが。
個人の好みというのはいかんともしがたい。
私はここいう帯締めを組まれる方がいることを知って以来、自分では一切帯締めを組まなくなったのである。
多分、帯締めの分野では人間国宝に一番近い方なのではないだろうか・・・
それはともかくあれから6〜7年たってはいるがこの帯締め以上に気にいった合わせ方今までのところまだない。私の年齢や行く場所によってこれからは変わってくるだろうが。


あくまで設定は都会のホテル・・・という設定。
これが場所が地方の老舗料亭・・となると着物から多分選択が違うはず。
薄暗い廊下、緑の濃い庭園、木造のつくり、弁柄の格子、紫紺の壁・・
華やな色で暗い日本家屋の中でも存在感のあるものを選んだはず。

上の写真だけを見ると黒が強く当たる。写真に占める分量のせい。
中々わかりづらいだろうから、全体像も最後にお見せすることにした。


段々面倒くさがり屋の私はさらに面倒な領分に入っているような・・・と、自省。
いらんことを言わんとけばよかった。
なんでも嬉しくなってコメントに長々書くからこんなことになる・・・と。
段々自分で自分の首を絞めている感がある。

ブログ・・・私には無理かも・・・と思う昨今である。