和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

着物姿  〜忘年会編〜

一昨日六人で忘年会・・
今年一年の御苦労さん会でもある。

場所は私のおなじみのお店・・金沢東山の「くりゑンテ」
といっても今年は初めて。
こんなに長くいっていなかったんやなあ・・・と。
まあ・・そうそう行ける手軽な料金でもなし。
二階「VIPルーム」(笑)
ここはその日は私たちで独占。


この日の皆のいでたちは・・・


   
  紬にクラシカルな雀と稲穂の袋帯


  竹を幾何学的に配した小紋に洒落袋帯


  亀甲柄の紬に和紙の染め帯・・
  おばあちゃんの形見でもある。
  ちなみに和紙の帯と紙布の帯とは若干違う。
   

  大島紬のアンサンブルに織りの名古屋帯
  こんな雪の舞い散る寒い日には羽織は便利。
  ちなみに羽織紐の結び目は帯締めと帯上げの間に結ぶと美しくてバランスも良い。
  帯上げに近くなると可愛くなるし、帯締めに近いと年よりっぽくなる。 
  この方はあと1〜2センチくらい下に結び目があってもいいかなあ・・・と。
  まあ、好みもある。

  この日のハードスケジュールを若さでやり繰りして出席
  市松の大島紬に格子の袋帯


皆さん・・流石〜。
だって場所が町屋だと分かった時・・
弁柄の壁を想定し着物の色を選んだに違いない。
弁柄の壁や木の雰囲気、暗い雰囲気の町屋を想定して
お店の雰囲気を壊さないために何色のものにするか・・と。
これがホテルの無彩色の壁だと映える色が違うので。
皆の着物の色を見た時「やるなあ・・皆」と感嘆した次第。
「違う・・違う・・これしかないの、私たち」
           という謙虚な声が聞こえてきそう。


  めったにないことなのでお料理をご紹介・・


[



堪能させていただきました。
小さくてわからない方はアップしてみてくださいね。

そうそう・・抜けていました。
この日の私の装いは・・・・

   上田紬・・・にロウケツ染めの椿の塩瀬の名古屋帯

   椿は昔は花がぽろっと落ちるところから武士に嫌われた柄とか・・
   随分時代がたっても私の母などはちょっと嫌がった。
   眉をしかめる人がいるとわかっているものをあえて身につける必要はない・・といって。
   花はどんな形でも何時かは散るのだ。
   椿のようにぽろっと散るのか、
   牡丹のようにはらっと崩れて散るのか、
   桜のようにちょっとの風にもひらひら散るのか、
   気にする人は何処までも気にすればいい、それがこだわりというもの。
   私は気にしない。椿も・・牡丹も・・桜も・・皆好きである。
   小物は・・

こんな感じでした。

上田紬は丈夫なことで有名。
縞、格子が多いがこれは横段の縞・・・この日の私は、よこしまな女なのだ・・(笑)
裏地の八掛けを三度変えても着る事が出来るといわれるくらい丈夫・・で、別名「三裏縞」と言われる。
ただ着心地はちょっと「こわっ」としている。
大島のスルスル感や塩沢のサラサラ感がないので好みの分かれるところ。
多分何度も洗い張りをしてクタクタになったらこの紬の本領発揮なのかも。
結城とある意味にているのかも。

一方帯・・
友禅の糸目がない。ロウケツ染め。
椿の葉に帯の地色がうっすら入り込んでいるのが気にいった。
ロウケツならではの美しさ。
椿の花の何とも言えぬ色合いも好きである。
椿の花は十二月から四月まで・・・といわれる。
確かに近年春椿があるので四月でも案外違和感がない。
一方、似ていても山茶花・・・これは短い。私は十二月だけと思っている。
一月でもいいかなあ…とも思うのだが一月はおめでたいものが何と言っても嬉しい。
梅とか・・松とか・・竹とか・・
山茶花はちょっと哀愁があり過ぎて心持ち寂しい印象を与える気がする。
十二月は山茶花、一月松、二月梅、三月桜、四月藤・・こんなあたりが無難か・・
こだわりのある方は何処までもこだわればいい。
たとえば三月は固い蕾の桜。四月に入って満開の桜、本当の桜が満開の時は散りゆく桜・・・というように。
各人が思い思いの物を身につける楽しさがあるのが着物だし、それがその人の個性なので。
私は実際の花と競うように先取りするのがものすごく野暮だと思うのでむしろそれをはずしたい人。
だから三月は桜の帯が目立つのであえて早蕨(さわらび)とかの柄行きが好き。
四月は桜が満開になるのでちょっと気のきいた方はもう桜柄を締めない。
私は桜の散る美しさを読んだ短歌などを墨で書いた帯をしめる。
勿論花びらなど一切必要ない。
だってひらひらと桜の散る中を歩くのである。何も要らぬではないか・・・

各人の思いを表現できる・・・それができるのが正に着物の醍醐味である。

お店を出るときは何と雪・・・
車のタイヤはもう・・スタッドレスに変えないと・・・と
皆で言いつつ帰ってきましたよ〜

皆さん・・・お疲れ様&おいしかったね〜♪