和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

着物姿DX

    何日か前の着物姿は二名のものしかご紹介できなかったので
                        今日は五名をご紹介!!

土曜日に五名集まる機会があったので。
前と後ろを写真に撮らせてもらった。

着物姿DX・・・とは大きく出た。(笑)
二〜三十人はいるような書き方だ。
いいのだ・・・何事も気持ちの問題さ。
前回の二人から思えば五人は二・五倍だから・・・(笑)


まずはこの方・・
市松柄の泥染めの大島紬縮緬の染めの九寸名古屋帯
どちらもお母さんのお嫁に来る時持ってきたもの。
縮緬なのでものすごく締めにくいはず。本人いわく
「練習だと思って挑戦してみました。」とサラリ。
にくいね・・・一番若く二十代の方。




















次は・・・この方。
頂き物の可愛い紬の着物。帯は八寸名古屋の髭帯。
「髭帯」(ひげおび)と言うのは2ミリから長いもので5ミリくらいのものもあるのだが髭のように織地から糸がここかしこに出ているもの。勿論わざと出してある。
時代劇で悪代官の袖なし羽織や角帯などによく見られる。高い織地の代名詞のように男物に多かった。この方の帯は亡くなられたおばあちゃんの物。とっても大切に大切に使われている。着物大好きなおばあちゃんはさぞ喜んでいるだろう。
本人いわく
「おばあちゃんの生きている間に自分で着た姿を見せてあげたかった。」と。
泣かせる言葉だ。三十代とはいえ今月なったばかり。ほとんど二十代も同然〜
二十代からクレームがつくやもしれぬ。
そう・・・このあたりの一歳はでかいかも。
私くらいになれば五歳、十歳大差はない。






















次はこのお二人・・・同世代。
まずは若い方・・・
小紋の着物に年中使える薄手の洒落袋帯
小紋は「小さな文様の柄」と思われがちだが大きな柄でも繰り返されて染められていると小紋という。
帯は芯を黒いものにすれば冬でもいけるし、薄い白い芯を入れれば単衣〜薄物までいける。土曜の午後と言えどしなければいけないことが目白押し。子供を持つお母さんは大変さ〜。片っ端から片付けて、息せき切って汗をかきながら来室・・という。
とにかく皆さんが写真を撮っているときに教室の隅で「サ・サ・サ〜」と着替えられた。凄いね・・・早業さ〜。




















次はこの方〜
同じ四十代でもお孫さんのいる方。
勿論フルに働いているし、孫守りもしているし、主婦はパワフルでないとやってられない。
この日のいでたちは紋意匠縮緬の無地、帯は箔の袋帯
小物の合わせ方も独特の雰囲気。着物姿に主張がある気がする。
すでに自分の好きな世界を持っている感じがする。






















さて最後は五十代・・・の方。
黒の小紋に絞りの名古屋帯
柄はどうも椿らしい。今の時節ならではのもの。
はっきりとした椿ではなくて絞りで表現してあるのが何とも奥ゆかしい。
一歩引いた美しさ、控えめさが心にくい。黒い小紋に合わせるとどうかすると粋になり過ぎ人を引かせる雰囲気が出るものだが、何処となく静かでたおやかな雰囲気。
これくらいの年齢ならではの着物姿の美しさだろう。























おしまい・・・

ダンゴかあさまとお約束したので四十代のお二人も登場してもらった次第。
でもこうして見ているとどの年齢の方がどの合わせ方を着ていても自然と似合うのではないか・・と思う。あとは小物・・帯締めとか帯上げに若さや落ち着きを表現すればよい。顔を出していないのでわかりにくいだろうけど、実はその方の雰囲気、個性と言う物が実は一番大切だと思う。その方の良さを殺しては着物を着る意味がない。やはり雰囲気を最大限に生かしてほしい。

よく呉服屋さんで聞く言葉・・・
「今しか着れないのだから綺麗な色を・・」とか
「若いうちにはできるだけ若い色を・・」とか

本当にそうだろうか。。。

それは着物という物が洋服のように手軽に買える場合ではないか。
決して安くはない。しかも生涯に何枚も買えるものではない。
セレモニー用を普段に着る事が出来るわけでもない。
TPOを考えるとそう何枚も次から次へと家計が許さない。
それを思うとこの日の方々のように二十代から五十代まで、どの方がどれをお召になってもちっとも違和感のないコーディネート・・・というものがよくはないか。
そこに小物で好きな色をさす・・・というのが一番無駄がないかと。

同じように呉服屋さんでよく聞く言葉に
「この着物なら何にでも合いますよ・・・手持ちのどんな帯でも大丈夫」と。
私に言わせば嘘である。
どんなものにもあう着物などそうそうあるものではない。
そりゃあ・・無理糞(お下品で失礼〜♪)合わせれば合わせたとなるかもしれないが自分の雰囲気がなくなり、
「そこどけ!!そこどけ!!着物姿が通る!!」
といういでたちとならないか・・・一番避けたいパターン。

で・・・どんな色の帯にも案外似合う着物を探してみた。
意外とない。出来るだけどんな帯にでも合う着物・・をと思い探す。
は・は・は・・・・見つけた。一枚見つけた。一枚しかなかった。
そう・・・自分自身がどんなものにでも合うようなものを特に好まないという性格もある。

水色、クリーム色、紫色、白色、灰色・・・などの糸が横段に入っている紬。
これは二十代の時習い事をしているところでお付き合いで買わなければいけなくなって買ったもの。数えるほどしか着ていない。
色々な糸が入ってしかもそれが経糸ではなく緯糸に入っている・・
経に入ると経縞になるのでちょっと粋になる。その段階で帯がとても限定されてくる。

と、言うわけで今日は案外どんな色の帯にも合うような着物・・・を帯を合わせながらお見せしようと思う。

まずは染め帯で可愛く蘭の花の名古屋帯を合わせてみる。
この帯なら若い方の雰囲気を壊さない程度の華やかさもあるはず。

次に大人しくはあるが・・ピンクの地色にモンシロチョウ。
何とも言えない雰囲気があるのだが、何処か静かで優しい。
季節は春限定・・といえようか。

季節を問わず着たい方ははっきりしない柄がよい。
はっきりしない・・・というのも柄の描き方だけでなく柄の色付けもそうである。
こんな花はない・・・だからいいのである。春でも秋でも冬でも何時でもOK。

華やかさより人とちょっと違うものを・・と思う方はこういうのはいかか?
更紗がら。ちょっとインパクトもある。
着物姿はあくまで上品でなければならぬ・・と思う。

締めた感じで個性的に着たい方はいっそ黒い帯は?と思う。
ただしあくまで着物が紬なので帯には少し華やかさが欲しいので少し色を入れた。

えーーーっ・・・もっと渋くて格好いいものを・・・と思う方。
いっそ織帯はどう?洒落袋を合わせてみた。
地味!!・・・と思う??
案外可愛いはず。蝶の柄に色々な色が入っているので小物で楽しめる。
強烈なグリーンやパープルなどはとても個性的。
その辺は自分でイメージしてください。

こんな風に色々な色の入った紬は入っている色だけでなく入っていない色の帯にさえ合う。色々色が入っているのにどんな種類の帯を持ってきても案外しっくりいく。
上の五名の帯のうち、箔帯以外は皆この着物に合わせてもいいかも。
箔帯は紬にはちょっと無理なので。

くどいようだが、あくまで横段の色の入り方の場合である。色糸が経に入ると可愛い柄の帯がなんとなく合わずちぐはぐとなることが多いのでよく考える事だ。

とにかく人の意見に惑わされず自分の感性を磨くことも大切。
ここまで書いてもうやめねば・・・と突然思う。
自分の書く言葉は一番最初に自分の目が見るのだし、自分が吐く言葉は一番最初に自分の耳が聞くのである。自分の目が痛い、耳が痛い。人に意見できるほど自分も勉強していないのだ。
まさに言葉はブーメラン、もろ刃の剣、最後に自分に戻ってくる。
終わりにする・・・終わりにせねば・・・・・ね。(笑)

そうそう・・・この日の私のいでたちを最後に。


こんな合わせ方。
小物はこんな風に・・・

参考になったんだか・・・どう何だか・・・
ただ私は楽しゅうございましたよ〜
いつも自分が楽しんでいる。
着物も一緒。まずは自分が楽しくないとねっ〜☆

   またね・・・  ごめんなされ〜