- 作者: 長崎巌
- 出版社/メーカー: ナツメ社
- 発売日: 2007/12/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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何日か前にちらりと触れた本のご紹介。
この本はどなたかのブログで見た。
なるほど・・・面白そう・・と注文し買ったもの。
全体を
・色合いから見る配色
・時代から見る配色
・平安の配色に四季を見る
と三部構成になっている。
その構成自体も面白いが一番キュートなのが三色の取り合わせを見せるのに
小紋柄を用いていること。
これがまた可愛い。
たとえば「梅」「矢羽根」「紅葉に流水」「青海波」「菊青海波」
「鳥襷文」まで登場する。思わず・・・くすり・・・と笑える。
合わせる色を少し変えるだけで印象がガラリと変わることもとても分かりやすい。
又時代から見る配色をこんなに分かりやすく示してくれている本をあまり見たことがなかったので嬉しい。
自分の本棚に一冊は置いておきたい本。
分からなくなったらひもとく・・・そんな使い方をしたいなあ・・・と。
最後に・・平安の配色の例
面白いことに二色の色とその色から見える重なり部分の色まで示している。
たとえば・・「菖蒲」「破菖蒲」「若菖蒲」「根菖蒲」「菖蒲重」・・・のかさねの色、
全く違う色のかさね方も分かりやすい。
私なんぞは「菖蒲」かさねの色しかしらないのだが・・「根菖蒲」は「白」と「濃き紅」の重ね方で菖蒲の根の白と赤い部分の合わせ方から来ているらしい。又そんな合わせ方がでた当時の宮廷の「根合わせ」の遊びまで触れている。
一つ一つ見ていくと
「へえ〜っ!!」
「そうなんだ〜!!」
「しらんかったわあ〜!!」
とページごとに感嘆。
その違いもさることながら当時は薄い単を重ねて着ていたと考えられているのでその重なりにどんな色が出るのかも一目瞭然。重なった部分の色まで色ので具合を見せてくれるって素敵。中々なかった、今まで。面白いなあ…なんてみている。
所々節目のページに登場する写真は少ないながらとても厳選されていて綺麗。
全編キュートな仕上がりに見えるが中々どうして・・・中身が濃い。難しい。面白い。
監修者の色への真摯な取り組みに称賛の声を届けたい。
「日本の色 世界の色」とは又違った切り口でこの本も超おススメ。
生徒の皆さん・・事務所に置いてありますのでみたい方はパラパラと見れますし時間のある時によんでくださいね。
貸し出しはしません・・・戻ってこなくなりそうなので。(笑)