和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

貝桶文様

      
二枚貝は殻が決して他の貝の殻と合わないところから吉祥文様として婚礼の調度品などに好んで用いられたとか。又守りの堅いこと、やり甲斐に通じるところから武家、武士にも好まれ紋にも使われたようだ。


その貝の外側を上にして並べ中側には模様もしくは歌などを書きトランプで言ういわゆる神経衰弱のような形で二枚を合わせて遊ぶゲームを「貝合わせ」という。
360個近くにものぼるハマグリの外と内の殻に和歌や絵を書き互いに合わせるこのゲーム、当然貝を入れる入れ物が必要となる。
それが「貝桶」・・・

貝合わせは上流階級の女子の遊びであったので当然のことながら「貝桶」も趣向と贅が凝らされた。六角形や八角形の縦長の筒型で大抵は足がつけられている。表面には蒔絵、朱色の房付き、・・貝桶文様には大抵この優美な紐が一緒に描かれている。
貝も、貝桶も二つで一つ。着物や帯に描かれる時も必ず対で描かれるようだ。


先日見事な帯を持ってきてくださった方がいたので写真に撮らせていただいた。
黒のお引きの振袖・・そして多分だが、それに合わせて作ったと思われるどっしりした丸帯。芯は木綿のようだ、ものすごく重い。
今では軽い絹芯が多いし、綿芯でも此処まで重くはないのではないか。
しかも丸帯なので普通の袋帯の倍の重さ。裏も表も見事な柄。

貝桶文様・・・・いろんな貝桶文様があるが上品に仕上がっていてとても豪華。
参考までに・・・・