和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

蜘蛛の巣

壬生念仏狂言の演目の中でも特に人気の高いのが「土蜘蛛」。
パッと開く蜘蛛糸の芯玉を蓄財に御利益あると競って拾う。

先だっての「勘九郎」襲名の時の演目も「土蜘蛛」。
(その時のニュースの字が、土蜘か土蛛か、どっちかになっていた。
へえ〜♪そういう書き方をするんだあ〜・・と思っていたが、なぜかは知らぬ。)
衣装にも蜘蛛の巣が左右の袂に書かれていて見ていて面白かった。

蜘蛛の巣・・・獲物を逃さない・・・とする。
昔は男性羽織裏や襦袢の背に書かれていた。
勿論、蜘蛛の巣には蝶や虫の獲物が描かれているものもあるはず・・
ここでは難しいので省略。(笑)



ここから「相手を逃さない」という意味で芸者衆に人気のでた絵柄だったとか。
勿論、おおっぴらに着物柄とはいかない。
で・・・脱いだ羽織の裏地として使われたらしい。
女性用としたら・・こんな感じか。

同じ蜘蛛の巣でも「破れ蜘蛛の巣」。
ちょっと色をさして。

特に関西より関東、江戸の流行の先端だった芸者衆が身につけたため、通人や粋筋の方々に使われたようだ。
蜘蛛も夜の蜘蛛は忌み嫌われたが朝蜘蛛は縁起の良いものとされた。
小さい時には、夜見る蜘蛛は殺してはいけないとよく親に言われたものだ。
現在でも見つけた蜘蛛はそっと外に出すようにしている。
そのままにしていたらいつの間にか、思わぬところに巣を張っていたりしているので・・・