和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

源氏車と片輪車

            「源氏車」&「片輪車」

昨日は「聞香会」を14名で開催。「源氏香」を楽しんで来た。
仔細は二〜三日後に和装組曲のHPに履歴として載せるべく現在調整中。
ここに載せると重複するのでここには載せない。

源氏香にちなんで今日は「源氏車」の文様の話。
源氏車といえば・・・

男物の浴衣や帯に案外使われている。
女性用としてはこの源氏車に花や鳥、扇などを華やかに散らして使う。
源氏物語」を象徴するものとして使われることもあるし、デザインとしてシャープな直線と円の曲線が印象的でもある。

この源氏車、川につけて波文様と一緒に使うこともある。
名前が変わる。「片輪車」という文様になる。
牛車の車輪の部分は木製で乾燥するとひび割れたり外れたりするので使用しない時や夏などの乾燥の激しい時は車軸から外して川の中に入れて置く。
その半分川から出ている車輪と波の動きが美しい文様としてデザインされたものらしい。
昔の人は素晴らしい・・・と思う瞬間である。


先日の振袖・・・再登場。
どこにその「片輪車」がある・・・


琵琶が書かれた振袖の左袖・・・反対側に模様が続き・・・


琵琶の胴体にこのダイナミック編〜「片輪車」が書かれている。

この絵は最初車輪に見えなかった。「十二日足」という日輪の日足文様かと思ったが青い色というのに引っ掛かり、良く見てみる。
どうも源氏車の車軸のド・アップに近い。周りに輪の回りも見える。
と・・・いうことで「片輪車」だと勝手に思う。
左袖の琵琶のところには源氏車の上の部分が描かれていることからもまず間違いないかと。

この源氏車の文様ならぬ半分波に浸かる片輪車は家紋にもある。
秀吉の家来が朝鮮出兵の時、満潮になり牛車が波で動かなくなるのをかまわず進め、波の上を牛車が滑るように進んだ。源氏車と波が美しい景色で人々に感嘆の声をあげさせたとか。勿論、敵に快勝したために秀吉に許されそれを家紋にしたという話を読んだことがある。

源氏車・・・片輪車・・・似ているけどちょっと違う。

風景の中に着物の文様や、ひいては家紋まで描いてしまうデザイン力・・昔の人は本当にすごい。
着物や帯のことを勉強すればするほど古人(いにしえびと)に・・・「敬礼!!」〜☆