和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

色の話 「紫式部」

源氏物語の作者・紫式部と同じ名前の低木がある。
山野に自生する木で夏に薄紫の小さな花を咲かせ、秋には濃い紫色の実をつける。
この実・・沢山重なり合ってなるので
「紫重実」とかいてムラサキシキミと呼ばれていた。
その音が「紫式部」を連想させるのでいつしか「ムラサキシキブ」と呼ばれるようになったとか。庭師の方は「ムラサキ」「実紫」と呼んでいる。

























それがこの木。



























もう少ししたらもっともっと紫の度合いが深くなるはず。

紫色でも色々ある。
南部盛岡地方でとれる紫根草の根で繰り返し染めた色は紫紺(紫根)という色名で呼ばれている。紫はとても染料が少ないだけでなく何度も繰り返し染めないと綺麗な発色をしないため高貴な方しか着用を許されなかったのは有名。

同じ紫系統でも、この紫式部とは別に「貝紫」という色もある。
貝の分泌液で染めた色。紫式部よりもほんの少し渋い紅色が混ざる。
海外でも昔から非常に高価な染料で、クレオパトラはローマに行く時、その権勢を誇ろうと船の帆を貝紫に染めたとか。
日本でもどこかの遺跡で貝の色素が出て日本でも古代から貝染めが行われていたと新聞で見たことがある。


今日はこの

    「紫式部」    を庭から一枝取ってきてPC横に。