和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

君子蘭

散歩途中にいつも会う少し年上の姐さんに呼び止められた。

「うちの可愛い子たちを見て行ってくれん?」と。

「見せて!見せて!」

 

このおうち・・・・・

 

 

立派な玄関を行くと

 

 

 

 

 

 

 



 

 

金沢は雪のある時期が長いので家の中に入れたり、天気の良い日には日光を当てたりして出し入れだけでも大変な労苦に違いない。

「きれいやわあ~♪」

本当にそう思う。

私にはこの世話はできない。

そんな話をしていたら

近くのノトキリシマツツジに蝶がひらり。

 

 

「あなたも写真に撮ってほしいのね~」

なんて言いながら写真を撮らせてもらった。

花の世話をしているのは罪がなくていいわ~♪

 

ツツジは既に盛りは過ぎていた。

月日はどんなものの上にも訪れる。

人だって年を取る。

いつまでも若い時のままではいられない。

 

頑張りましょう。

演奏会も近い。

まずは目の前のことを一つづつ・・・・・

指導者失格?!

最近お弟子さんに言われた。

正確な言葉としては

「あなたは指導者として駄目だ!!」と。

 

経営者としては失格なのは十分わかっている。

これは誰に言われなくても十分わかっている。

しかし、指導者として自分にできる精一杯のことをして来たと微かに自負していた。

だから青天の霹靂だった。

本当に思いもかけぬ言葉だった。

 

確かに言葉は荒い。

気性はもっと荒い。

今まで生きてきた生き方は更に更に荒っぽい。

 

顔をしかめる人もいるだろう。

近寄りたくないと思う人もいるだろう。

でもそれでも構わないと指導を受けに来た方には全身全霊で対処してきたと思う。

 

あの人にどうしたら分かってもらえるか・・・

あの部分はどういう表現をしたら理解してもらえるのか・・・

この人は何を望んでいるのだろう・・・

私はどう対処したらいいのだろう・・・

いつもそうやってできないお弟子さんの事を寝床で考えていた。

きっと良い方法がある・・・と散歩しながらも考えてもいた。

私の指導方法の何処が悪かったのだろう・・・と反省もした。

一日の大半をお弟子さんが上達する方法を模索するのに費やしてきたといっても過言ではない。

そしてそれはそれで、不思議な事だけれど本当に幸せなひと時でもあった。

こんな自分でも誰かの役に立つと信じていたから。

 

しかし

「指導者として駄目だ」この言葉で

自分の今までの努力と苦労が木っ端微塵に吹き飛ばされたような気がした。

所詮自己満足の世界だったかもしれぬ。

確かに誰もお弟子さんは望んでいなかったかもしれぬ。

自分のこれまでの教室人生が全否定されたような虚しさを感じている。

 

で・・・毎日考えている。

これからどうすべきか。

どうあるべきか。

涙がにじむ。

 

 

立ち直るまで暫く時間がかかるだろう。

ひょっとしたら立ち直れないかもしれぬ。

 

これからどうしたらいいのだろう・・・

 

 

 

草むしりをした。

散歩の時間も増えている。

今は黙々として時間を過ごしている。

きもの検定対策講座

突然だが、きもの検定対策講座を来週から始める。

4月23日土曜日朝9時から。

 

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以前からずっと言われ続けていた。

「いつからきもの検定対策講座」をして貰えるの?・・・と。

琵琶にしか興味はなくなったのか、と。

「いろは会」も「ゆめみ会」ももうしないのか?・・・と。

そんなことはない。

「きもの検定対策講座」は県外の方が習いに来ていて1級合格してからは肩の力も抜けてしばらく休憩状態だったのは確か。

だが2年前から琵琶の支部を作ってからというもの、今度はそれを軌道に乗せるまでは、と着物はしばらく封印していた。

後ろから何度かはせっつかれるものの気持ちは琵琶教室onlyだったのは否めない。

琵琶教室も少しずつ落ち着き、演奏会も少しずつなれたころ、今度はコロナときた。

今年は流石にそれにも慣れ・・・久しぶりに養成コースの生徒さんも思い切って入れた。

 

 

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ただ5級、4級、3級を受験する生徒さんは自主的に自分で勉強をしてもらう。

その程度はできるはず。2冊の教則本さえすれば合格できる。

「いや、難しい」という方は辞めればよい。

その程度の勉強すらできない方は今後2級、1級は到底無理だから。

とにかく教則本を徹底的にすることだ。

隅から隅まで何度でも繰り返せばかなり高い点数を取れる…はず。

問題は2級、1級である。

2級は記述式が入ってくるので漢字が書けないといけない。

パソコン変換に慣れた身には結構きつい。

1級は一発で合格は考えず2年を考えよう。

 

 

今年は2級、1級を受ける方5人を指導する予定。

と、いっても所詮は1人で勉強するのが基本である。

 

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ただ幾ばくかの力になればいいかな、と思う。

和装組曲関係者で1級を合格したのは今まで私を含めて3人。

今年1級受けられるのは5人のうちの2人。

ただ今年は生徒さんも私もウオーミングアップだと思ってもらいたい。

来年は今年2級受かった3人が加わり5人で本気で1級受かりに行く。

必死で行くつもり。

頑張ろうな。体調が幾ばくか不安ではあるのだが。。。。

 

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琵琶教室の方もいるので琵琶ときもの検定とで大変だろうが、何・・一つも二つも一緒さ。

来るなら来い。長谷川の門下生はいつだってやってやるさ。(笑)

人生は楽しいことは幾つあってもいい。

楽しくはないか・・・苦しいかも。

確かに楽しくお気楽、のほほんも時にはいいかもしれない。

でもね・・・楽しいことは人を大きくしたりはしない。

苦しいこと、辛いこと、悲しいこと、悩むことを通してそれを糧として人は大きく豊かになるのだと信じたい。その過程で苦しみ悩み人は大きく強く逞しくなっていくのだと信じたい。

仕事をしながらの勉強は大変だろうけど、何・・山ほど時間があるよりわずかな時間をやりくりして勉強するほうが集中できるよ。

明日という日がないかもしれない・・・・という時にこそ、粛々と自分のやることをキチンとやっていこう。誠実な人生を丁寧に歩もう。一緒に・・・・仲間たちと。

 

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さあ、忙しくなるぞ~♪♪♪

 

幸運な虫、と言われる二星テントウムシを見つけた。

何故幸運なのかは知らない。

益虫だからか・・・

珍しいからなのか・・・

 

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見事に知らない~★★

 

 

 

 

満員御礼

前回のブログで、七月の琵琶の演奏会のご案内をしました。

昨日三月三十一日をもちまして募集は終了となりました。

五十名の定員のところ 応募の方、八十名となったからです。

そしてこれから「どうしても」という方にはキャンセル待ちの予約しか受け付けられません。どうぞご了承ください。

ただこのコロナの中、きっとキャンセルは幾ばくかは出ると思いますのでその折には順番にお声かけさせて頂きます。

 

 

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沢山のご応募ありがとうございます。

遠くは山口、兵庫、京都など加賀支部の琵琶演奏会のためにわざわざ来ていただけるとの事、とても有難く門下生一同身の引き締まる思いです。

時間の無駄だったと思われないように心して取り組みます。

 

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木蓮が咲いたという事は、次は桜・・・・ですね。

加賀支部一同、演奏会には見事に花を咲かせましょ~♪♪♪

これから内容に取り組みます。

参加希望の方、どうぞお楽しみに・・・・・

まずはご報告を。

 

 

 

2022年演奏会のご案内

     

    「 錦心流琵琶全国一水会 加賀支部 の2022年の演奏会 」のご案内です。

 

加賀支部はまだ支部として発足して二年たちません。

このコロナ禍、去年のわずか創立一周年の体験会には金沢でコロナ最高の感染下の中、「体験&演奏会」を開くことができ、大変感動しておりました。

特に「感染が凄いので基礎疾患のある方やご家族の意向もあると思うので迷われている方々は、今からでもご辞退されて一向に構いませんよ。申込金はお返しします。」という電話を前日、全ての参加者に連絡をして少しでも躊躇される方には遠慮なく申し出て頂きました。当日のキャンセルは会場の金城楼さまの料理の仕込みの関係で全額返却できませんので、各方面に迷惑の掛からないような形で執り行いたかったからです。それでも当日は50名という沢山の方々に参加頂きました。その辺りは去年の「体験&演奏会」の後のブログをご覧ください。

 

  体験会終了!!! - 和装組曲♪ (hatenablog.com)

 

早いもので今年も又演奏会のご案内の時期となりました。

今年は  7月3日(日曜日) す。

場所も又 金城楼さまの大広間「丹頂の間」  をお借りします。

お昼の松花堂弁当は、今年は七夕バージョンをご用意いただけるとの事、それも又楽しみです。

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多分今年も感染だ、いや大丈夫だと皆で右往左往していくと思います。

今年は体験会の方はお休みとさせていただきます。

でも去年同様、出来る限り、思いつく限りの感染対策を行って皆様方には少しでも安心な状況での開催をしていきたいと思っています。110畳の大広間「丹頂の間」ですが、定員を50名に限らせて頂こうと考えています。勿論お食事は地下の更に広い場所「平成の間」を確保しています。

どうぞ興味のある方はご検討ください。

FAXまたは郵送でも可、直接私の携帯の方に電話頂ていも大丈夫です。

定員になり次第締め切らせて頂きます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

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お弟子さんの皆さん、一生懸命取り組んでいこうね。

特に三年間毎週のように頑張って取り組んできた「琵琶連奏」を思いっきりダイナミックにそして繊細に演奏したいです。頑張ろうね。去年入門した新人さんお二人も出来る限り食いついてきてください。楽しみ~♪♪♪・・・・・

    でもちょっぴり今からドキドキ!!!ハラハラ!!!!

今から丁度4か月後。

これから4か月、出来得る精一杯の練磨をしたいと思います。

今からは1日たりとも無駄にせず、体調を整え悔いのないように臨みましょう。

 

 

 

 

 

 

七草粥も終わる頃ですが・・・・・年賀欠礼のお詫び

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   産土(うぶすな)の神に護られ来し日々を

              社に感謝す新年の朝

 

新年を迎えたと思いきや、早もう9日である。

 

去年の年末から二週間、体調絶不調。

二週間のお粥生活だった。

お稽古は15日まで全てキャンセルした。

横になってばかりいた日々であったが、一つ分かったことがあった。

 

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今まで目、耳、口と段々不調になっていき

  目は白内障で既に車の運転は諦めた。

  耳は三半規管が退化して急な動きについて行けず今では寝返りをしても眩暈がする。

  口は歯茎が退化していっているので歯医者で手直しできるものだけ手直し。

いずれもお医者様は「加齢によるものです。」と軽い。

簡単に言ってくれる。まあ、所詮他人事である。

これに去年は精神の衰えをもろに感じた。

    パワーがない。

    粘りがない。

    根気もない。

    すぐぶちぎれる。

 

 

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誰?

年を取ると気が長くなるといったのは。

むしろ気が短くなりこらえ性がなくなる。

それもそのはず、残りの人生を考えた時、我慢するなんてありえないじゃない?

もう我慢して生きていたくないというのが根底にある。

 

更に去年まではそれでなんとか保ってきていたが、足首や膝の不具合。

腰や股関節の異常などが日々トレーニングに励むのに追いついていない状態となる。

遂に加齢もここまで制御不能になる処まで来たか、と思っていたのだが、今年は内臓にまでその波が押し寄せたようだ。

飲み込めない、飲んだものを消化できない、常に胃に持たれる。

いや、胃に行く前の器官で止まるのまでも分かる。

腸がしっかりその働きをしていないのも感じ取れる。

しかもやっと消化できた頃には次の食事時となる。

もう、あんまり食べないでおこう…と私の気持ちが静かにのたもう。

じゃあ、痩せて行くのかというとそうでもない。

つまり、これからの年齢・・・こんな食事量でいいのだと主張するかのようだ。

もう食事の楽しみも薄れて行っている。

 

しかも、琵琶の歌を歌うと声がかすれる、息が続かない。

今まで出ていた声の領域までかすれ声となっている。

そうか・・・内臓までもう死ぬ準備に入って行ったか・・・

 

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話が飛ぶが、オナガが一杯いた。

本当は離れた場所にもっといた。

オナガって本当に美しい鳥だよね。

しかも気迫というか、パワーが凄い。

カラスのやんちゃに猛然と立ち向かっていく。

それでも形勢不利になると「ギェーッ」と一声鳴く。

とあちらこちらから次々と現れる。

こんなに何処にいたのだろう・・・というくらい四方八方から現れる。

 

このオナガ・・・声が悪すぎる。

「ギェーッ」というような悪声。

でもそれを上回る姿の美しさがある。

いつもほれぼれするような美しさだと思っていた。

でも今回はそれ以上に感動したのはその「気迫」。

カラスに猛然と立ち向かっていく姿は本当に凛々しかったのだ。

 

で、これが今日の本題。

何処が衰えようが、何処が退化しようが構やしない。

気迫に満ちた日々を送りたいと。

 

去年の12月前後に過労と疲労とでお弟子さんたちのお稽古に支障をきたしたことや、年末20日過ぎから続く体調不良で多くのお友達、お弟子さん、そしてブログ仲間からお年賀状を頂いたのだが返す事が出来ずすみません。ここでお詫びをさせてください。

そしてもう一つ、加齢をいつまでも嘆いていても始まらない。

そのまま受け入れていこう、と思った次第。

今年からはまず髪は染めない事にした。

年齢をそのまま受け入れようと思った決意表明。

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今年は白髪の老婆となる・・・・決意。(笑)

どうぞよろしくお願いいたします。

白髪の状態で七月の演奏会でお会いしましょうね~♪♪♪

 

 

 

道成寺

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和装組曲の玄関前

随分ブログが疎かになっている…

なってはいるが、私は元気。

毎日琵琶にまい進している。

私だけではない、お弟子さん達全てが日々頑張っている。

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金沢の空・・・鉛色

空はこんな感じでもこの鉛色の雲の上には

青空が広がっている…多分。・・・きっと。そう信じたい。(笑)

11月は忙しかった。否、11月も忙しかった。

12月も忙しさが続いている。

仕事が目茶目茶多いわけではない。

単に私がトロイだけ。

そう・・・いつもの事である。

 

今、お弟子さん達と力を入れて取り組んでいることがある。

道成寺」である。

本当は私一人で謡っていた。

それを聞いたお弟子さんの一人が

「私も先生のバックで参加したい」

と言ったのが最初のきっかけ。

一人だけ特別扱いは出来ぬ。

では参加者を募ろう、と相成った。

ラインで

「やりたい方はも申し出てくれ」と。

一言付け加えたのがいけなかった。

「難しいので初心者は無理だと思う」と。

基本、初心者ばっかりの集団でもある。(笑)

「練習しない方は絶対できないので、頑張る方限定。」と。

 

我も・・・吾も・・・われも・・・と負けず嫌いな人達らしい返信。

ちょっとご家庭の事情で何か月か休まれている方まで

「私もする」と電話。

 

「えっ?・・いゃあ・・・あなたは無理」

と言うが粘る。

「途中でダメなら諦める。でも挑戦する事はさせて欲しい。」と。

 

確かに。それも一理ある。いゃあ、「挑戦」と言う言葉はいつだって私を泣かせる。

 

ところが

「私だってやりたい」

とまだ日の浅い方も手を上げられた。

道成寺」は「静」を歌っている日の浅い方には到底無理。

何せ弾法が格段に難しい。

「崩れ」という早い弾法が幾つか入るし謡い方も激しくて難しい。

語りと弾法が間髪入れずに立て続けて入る。

「絶対無理。」と断固と断る私にその方が言う。

「皆さんがされるのなら、私もできるところまで頑張りたい」と。

 

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確かに月の光も太陽の光もは誰の上にも均等に降り注がねばいけない。

しかし・・・どんなきれい事を言っても

「精神論でクリアーできるレベルではないよ」と。

しかもその方は兵庫から習いに来ている方。

2か月や3か月に一度習いに来たくらいでどうかなるレベルではない。

「最低1か月に1度、それも2~3日泊りがけで集中してやらないと無理。」と。

しかも家で死ぬ気で取り組まないといけない。

「1か月に1度行きます。」

まだ半年もたっていない人に果たして大丈夫か‥とも思う。

「否、否・・・無理」

しかし、何でも立ち向かおうとするのは私の真骨頂でもある。

「やってみんと分らんやろう!!!」

同時に少し頑張ってどうかなるレベルの事ではない、というのも骨身に沁みている。

余りに頑張りすぎると壊すよ、・・・・身体か、心か・・・家庭を。

自分が一番知っている。

しかし、それほど一生懸命になる物をこの年で持つのは確かに宝物だ。

 

「悪いことは言わん。諦めなさい。そのうち機会もあるよ。」

慰めるつもりで言ってて自分で思う。

機会なんて2度とない、今この時がこの人にとっての機会に違いない。

突き放す私に電話の向こうで「・・・・・・」長い沈黙。

了解はしないんだ。。。やりたいんだあ・・・。。。

うちのクラスにはこんな気の強い人ばっかり。負けず嫌いな人ばっかり。(笑)

駄目と言われれば言われるほど、皆食いついてくる。

自分から諦めることや、自分から引き下がることはしない。

 

長い迷いの後・・私の決断。

「みんなの足を引っ張ると判断した時は容赦なく切るよ、それでいい?」と。

「悪いけど、一人の為に皆の努力を無にできないので。」

「構いません。」と。

 

そんなこんなで始めました、皆で「道成寺

 

なんと、今日のブログ、ここまでが前書き。

実はここからが本題。

道成寺はお弟子さん達と連奏を交えながらやる・・・という事に私自身常に初めから迷いがあった。最終的に皆が無理なら私一人でやろう・・・という逃げ道も考えていた。

何といってもどこまでついてくるかが分らない。お弟子さんたちには、仕事もある。家庭もある。趣味である琵琶にどこまでまい進できるのか。多分脱落者も出るに違いない。こんな初心者にあなたは何を考えている、と言われると私は一言も返せない。

でもどこかで信じていた。

きっとみんなは仕上げてくるに違いない、と。

 

長いので皆さん、どうぞスルーしてくだされ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

先ずは道成寺がどういう話なのかを知ってもらいたい。

 

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道成寺縁起

 

道成寺縁起」は安珍清姫物語の原点であるばかりでなく、他分野の芸術に与えた影響の大きさから、日本で最も有名な絵巻の一つとなっている。以下の「道成寺」の話は天音山道成寺が発行している「道成寺縁起」の絵ハガキを使って書いてみる。文は絵葉書の説明からそのまま使用した。

 

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その1

奥州白河から熊野詣でに来た修行僧・安珍は、真砂庄司の娘・清姫に一目惚れされた。

清姫の情熱を断り切れない安珍は熊野からの帰途に再び立ち寄る事を約束する。

 

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その2

約束の日に安珍は帰らない。清姫は人の目も構わず安珍を追い求める。

「そこなる女房の気しきご覧候へ」「誠にもあなあな恐ろしの気色や」

 

 

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その3

やっと安珍に追いついたものの、人違いと言われて清姫は激怒、

「おのれはどこどこ迄やるまじきものを」

安珍「南無金剛童子、助け給え」と熊野権現に祈る。

 

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その4

祈りで目がくらんだ清姫安珍を見失い更に逆上、清姫の怒りと悲哀

「先世にいかなる悪業を作りて今生にかかる縁に報らん、南無観世音、この世も後の世もたすけ給へ」

 

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その5

日高川に到った安珍は船で渡るが、船頭は清姫を渡そうとしない。

ついに一念の毒蛇となって川を渡る。

浄瑠璃日高川入相花王」(ひだかがわいりあいざくら)の名場面。

舞台もいよいよ道成寺へ。

 

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その6

道成寺に逃げ込んだ安珍を匿う僧。

「その鐘をお堂の中に入よ、戸を立つべし」

女難の安珍に同情しない僧も。

「・・・ひきかづきて過ちすな」

「ただ置け。これほどのものを」

 

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その7

「この蛇、跡を尋ねて当寺に追い到り、鐘を巻いて龍頭をくわえ尾をもてたたく、さて三時余り火炎燃え上がり、人近付く様なし。」

クライマックス「鐘巻」の場面。

 

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その8

安珍が焼死、清姫が入水自殺した後、住持は二人が蛇道に転生した夢を見た、法華経供養を営むと、二人が天人の姿で夢に現れ、熊野権現観音菩薩の化身だった事を明かす。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

と、こういうストーリーである。

これがいわば前編の「道成寺」である。

では後編とは・・・

1代目の鐘が焼けた後、2代目の鐘を作るのであるが1代目の鐘の顛末もあるので2代目の鐘のお披露目は女人禁制となる。

ところが寺の僧たちはたまたま訪ねてきた美しい白拍子を中に入れてしまう。

鐘の近くで舞う白拍子の余りの美しさに寺の僧たちはうっとりとしてしまう。その隙に

「思えばこの鐘うらめしや」と白拍子は鐘の中に入り込んでします。驚いた僧たちは住職を呼び祈り続けるのである。やがて僧たちのお経で鐘が持ち上がり中から大蛇が出てくる…大蛇と住職たちの祈りがせめぎ合い、ついに大蛇は日高川の深淵に消えてしまう・・という話。能の「道成寺」はこの後半の筋立て。琵琶もこの2代目の鐘にまつわる筋立てである。

 

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釣鐘

道成寺の2代目の釣鐘である。
道成寺の絵解き本の裏表紙から。

 

今年10月の末にニュースで偶然この鐘が出た。

長い間京都の寺にあったこの2代目の鐘が本来の道成寺に戻ったというニュース。

これも何かの縁だな、と思った次第。道成寺を歌っていなければ見過ごしたであろうニュースでもあった。

色んな意味で興味深い。

 

 

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11月、皆で呼ばれて琵琶を披露した料亭のお座敷。

その時の本館の狭い廊下の片隅に能衣装の人形。

非常に目立たず、自らの存在を打ち消すような風にひっそりと佇んでいた。

が、よく見れば古いが確かに道成寺白拍子の人形であった。

烏帽子をつけ、能の女面をつけ、華やかな打掛の下には鱗柄の白小袖。

どう見ても道成寺がテーマ。こんな人形を知っていて飾るわけがない。飾った人も知らずに飾ったに違いない。

その時も「ああ~、誰かが私の肩を押してくれている」と感じたっけ。

 

さて、今回こんな風に皆さんやお弟子さんたちにこの道成寺の事をお知らせできたのは偏にブログ友の「ふらここさん」のお陰。

ふらここさんがドライブに出かけ見つけたこれらの道成寺グッズを私に送ってくださった。

 

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道成寺絵解き本(宗教法人道成寺発行)と道成寺縁起(天音山道成寺発行)

 

ありがとう。ありがとう。本当にありがとうございます。

ふらここさんは何気なくでかけ、何気なく私に送ってくださったのだろうけど、私にはとってもタイムリーでナイスなプレゼント。

お弟子さん達と朝の9時から5時までの8時間、ずっと道成寺を掛け合いで練習し、それでも舞台でやれるかどうかも迷いながらの帰途だった。確かに皆は期待以上に上手だった。でもこんなレベルではまだまだ駄目だ。辞めるなら早い方が良い。何人かを斬るなら早い方が傷が深くない。迷いながらの日々であった。

今では5時半は真っ暗。

こんな練習が毎週のように続く。時には半日。時には1日。

「私の前途?」なんて自虐ネタを心で思いながらどんよりと暗い我が家にたどり着いた。

テーブルの上に小包。

なんと・・・・

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ふらここさんから

嬉しかったわあ。。。

道成寺の様々なグッズ。

一番嬉しかったのは「道成寺縁起」と「道成寺絵とき本」。

欲しかったのだ。ずっと。

道成寺をやれ・・・と肩を押されたような、そんな気がした。

もうやるしかない、ね。

 

やる・・・!!!

決めた。

    10人で。

 

失敗を回避する為、危険な何人かを切ろうと迷ってもいた。

根は物凄く小心者。

でも・・・決めた。

1人も脱落させない。

絶対ついて来いよ‥皆。

7月の演奏会でやる。

修正をして11月の東京での全国大会でもやる。

千手観音の千本の手が私の背中を押してくれている。

今日、ブログに書いたのは私の決意表明。

凄い「道成寺」完成しような。

 

それまでは雲龍柳は鬼になる。