和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

五月・・・つらつら・・・そぞろに歩く〜♪

昨日和装組曲で着付けを五回習われた方が遊びに来られた。
丁度大寄せの気楽な茶会があり参加した帰りとか。
1人で着て沢山の人の目に触れほめられちょっと嬉しかったとその帰りにご報告に来てくれた。

この方、初めていらした時には五回で本当に着ることができるか物凄く心配されていた。
賢い方でそれを余りに表面に出さないようにしながらも私に静〜に念を押された。(笑)
いやいや、此の方でなくても全くの初心者が五回程度で美しく着られたらいわゆる何年もかかる所は不要である。
確かに…
「大丈夫!!五回で1人で着られるようにします。私に任せなさい〜♪」


しかし、当方でも一応これまた静〜に念を押した。(笑)
五回で着られても、所詮五回。全く着ないとすぐ着られなくなりますよ・・・と。
美しく着る時には着られるようになった後も時々でいいので着続ける努力は本人次第。
完全に自分の手が覚えるまでは時々は着物を着て下さいね。
ただちょっと忘れても一度復習に来られたらすぐ着れますよ…と。


そしてなんとこの方三回でほぼパーフェクト。着物を着て帰られた。
物凄く練習されたに違いない、きっと筋肉痛と闘いながら。(笑)




着物を着て半日はたち、しかもお茶会の帰りで車も運転して大したものである。
「美しい」という私に
「私の着姿、もさっとしてません?」と聞く。
実に頭が良いし、観察眼鋭い方である。

そう・・・それが柔らか物と紬との違い。
紬でも結城はちょっともさっとして見える。
塩沢や大島のように「シュパッ!!」とした切れ味はない。
それが結城の暖かみにも繋がるし優しく穏やかな雰囲気にも繋がるのだが。



この方のこの着物、多分経糸は絹糸、横が結城糸かな?と思う。
本結城ならもっともっと「モサッ」として見える。
そんな話などをしながら楽しいひと時。
物凄くスレンダー美人であるが、現代女性、手足も長いし、裄が長い。
だから仕立て屋さんが身幅をあまりに狭く取らなかったこともそう見える一因だろう。
またお茶をされていると言うことで呉服屋さんも身幅を多く取ったのに違いない。
しかし、これだけ着られれば十分人中に自信を持って出て行っても遜色はない。
滅多にほめない私がほめるので彼女もとても喜んで帰られた。

兎に角美しく着るためには、自分で着物を着る機会を増やすことである。
どの着物にどんな帯がいいのか・・・
帯締め帯揚げはどういう物がいいのか・・・
色や柄だけでなく格という物があること・・・
季節によっても小物使いは違う・・・
一つ一つ勉強しながらより美しい着姿の自分になってほしいと思う。
どういう風に自分を見せたいかによって着方もチョイスも違ってくるはず。

今週の土曜日から初心者の為の着物講座を開くことにした。
着物を何とか着られる方でも案外知識というと知っているようで知らない。
どんなに着物に詳しいと思っている方でも自分の寸法をスラスラ言える方はそういるものではない。
案外呉服屋さんまかせ・・・

ちょっと踏みこんで言うと私は着物を美しく着る時は「仕立てが全て」だと言っても過言ではないと思っている。。
仕立ての良くないものは着にくいと言ってよい。
しかし、皆さんほとんど仕立てよりも柄や色を大切だと思っている。
どうせ同じ仕立て料金を払うなら自分にあった仕立てをした方が良いではないか。
身体をちょっと細く見せたい・・・
粋に見せたい・・・
着なれた雰囲気に見せたい・・・
確かに着方もあるにはある。
しかし有る程度着れるようになったら今度は仕立てにもこだわっていきたい。
呉服屋さんで仕立てにも注文出せたらなお美しい着姿の自分になれるのではなかろうか。
着物を着られるようになった方の為の、今度は着物の知識の勉強会が必要ではないか。
そういう方々の為の「着物のいろは」をリーズナブルな料金で開催する事にした。
発端はまさにこの方。
この方のご要望である。


参加は勿論着物着用原則。
まずは自分の持っているものを知ることから始めようと思う。
一回のみの参加もOK。今週の土曜日から開始。
興味のある方はお問い合わせを下されたし。


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さてさて、五月はなんとも気持ちが良い、だから時間を見つけてはよく歩いた。
暇を見つけてあちらこちら・・・・
吹く風もちょっとひんやりとすがすがしい。

茂った梢で姿の見えないヒヨドリの声を聞きながら・・・

ひゃあ〜なんと紫色が鮮やか〜♪


「立派に咲いてますね・・」
と思わず言えばお家の方が、「サッ!!」と30本は切ってくださった。
「いくらなんでも・・・そんなにはいらないですよ」
皆さんもよくご承知、どこまでも遠慮深い私。
「切ってしまったよ〜♪」
といわれ、どんと手渡された。
そのままお墓に向かって急きょ方向転換。
お墓にお供えしよう。それがいい〜それがいい。(笑)

環境と一体化しているカラスも・・・違和感がない。
自分の居場所をちゃんと知っている。


柏葉紫陽花も可愛い。


開いたすぐの鉄線も何とも柔らかさが伝わって来ていとしい。

「すごい〜・・・・立派な蕗ですねえ」
と思わずここでも声をかければ

「持って行って〜♪」と。
まるで催促したみたいだ、申し訳ない。ここでも何処までも遠慮深い私。
山のように頂いて片手に持ちながらずーっと蕗のにおいと共に歩いてきた。
この強いあくのにおいは正に五月。新緑の青臭さでもある。
出会う人ごとに少しづつ分けながらも家についてもこれだけの量である。


葉は佃煮、茎はさっと湯がいてお揚げと煮た。
余りに多いのであとはきゃらぶきにして冷蔵庫の常備菜

最後に私の好きな世界・・・をちょっぴりと。






そして今日のブログはこの写真で終わりにしよう・・・
題して

         「新緑の中で」