和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

美しく見える下半身〜♪

「着物姿のコツ」の一つとして美しく見える下半身の見せ方がある。
目の錯覚なのだが、以前テレビの取材で御披露したことであるので、テレビを見られた方は既に御存じのはず。

誰に習ったわけではないのだが、注意して着ると案外すっきり見えると私は実践している。
で、今日はその話。


下半身をすっきり見せるには「衽(おくみ)」線が意外と大切である。
なぜなら帯の下に真っ直ぐ一直線に床まで走るから。
衽線とおはしょりの衽線が一致するとすっきりするのは案外どなたでも知っている。

衽線とは上の図の赤い線の部分の事。

ではその着物の衽線・・・何処に落ち着くといいのか・・・
着物を切る方の右の足袋の縫い目に落ち着くと物凄く綺麗な印象を与える。

図のような形になる。
真ん中の図のように、上前をめくると下前の脇線が同じように右の足袋の縫い目に来るとなおいい。
後ろから見ると丁度八掛けが綺麗に見えてとてもすっきりした姿になる。

どうもドボンとした下半身で着姿が気に入らない方、一度おためしあれ。

勿論着物と自分のサイズが一致していないと中々美しい着姿に程遠く成るのだが
それでもこれだけでも上手くいくと案外楽。

下の写真はお母さんの三十年以上前の着物を御嬢さんが着られた時の物。
衽線の位置をご確認くだされ。まさに理想的。

ただあくまで普通の着物の場合。
黒留袖や振袖のようにどっしりとした重さの物にはこれだけでは崩れてくるのでもう一工夫必要だが、おいおいに。
黒留袖や振袖でも化学繊維などの軽いものならこの程度の調整でも十分である。

下半身が美しく決まると後は上半身のみ。
又機会を見つけて今度は上半身の美しい黄金律、書きますね。
上半身は襟周りと帯回りがあるので厄介だがこれがうまくいくと着姿は案外美しく見える。
それは又そのうちに何回かに分けないといけないが・・・今日はこのあたりで・・・




ちょっと豆知識

最近仕入れた面白い知識。
兵児帯」のこと。

浴衣の時に男の方も若い女性もそして子どもたちも兵児帯をする。
この兵児帯・・・
もともと「兵児」というのは薩摩の若者のことらしい。
その方々が白いシゴキ帯をしめていてそれを兵児帯と呼んだらしい。
彼らが西南戦争にその姿で参加したときから全国に広まったらしいのだ。
それから特にシゴキ帯を兵児帯と言うようになった。
とくに若い書生さんに好まれ角帯の代用として使用されたとか。

着物の用語と言うのは京都やお江戸がほとんどその発祥なのに薩摩のお国ことばが全国共通に着物用語として残っているとはちょっと意外、そして面白いと思ったので参考までに。。。。