昨日は私の琵琶の日・・・
琵琶の先生のところで半日過ごす。
今、宮本武蔵と佐々木小次郎の「巌流島」を弾いているのだが次は何をする??という話になった。
先生は「勧進帳」は?と言われたが私は長いのはどうもまだ疲れるので・・と断る。
「昔は師がこれを・・・というと、弟子は『はい!!』と言うたもんや。たまには素直に『はい!!』と言えんのかいな?」と笑われた。
「素直でない弟子でごめんなされ〜」と笑ってスルーする。
そんなことだけは歳のせいか平気である。
それに私はいつでも『NO!!』から始まる女。
(どんな女なん・・・と突っ込みを入れる人もいるはず・・・素直でないひねくれもんさあ〜☆)
さっさと話を進めよう〜(笑)
石川県は勧進帳のおひざ元。
弁慶と義経が山伏姿に身を変えて安宅の関を越えるために関守、富樫左衛門の厳しい詮議をくぐりぬけるため弁慶が主君義経を折檻し怪しむ富樫氏の詮議を切りぬけた話。富樫氏もうすうす義経一行だとわかるのだが弁慶の一途さに感服し騙されてやった・・・というところか。歌舞伎の十八番、能では安宅の関。琵琶では勧進帳・・・となる。
で、その日は結局次の題は決まらなかったのだが、
夜、ワインを飲みながら折角なので何か琵琶のCDを・・と思ったので「勧進帳」を聞いた。演奏は鶴田錦史さん。
- アーティスト: 鶴田錦史
- 出版社/メーカー: キングレコード
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↑ このCDに勧進帳が収録されているか・・・どうかは知らない。
私の聞いたのはもっと古〜いやつ。「月」というCDで平家琵琶とか筑前琵琶、薩摩琵琶などの演奏の混ざったものや、鶴田錦史のダイナミックな琵琶同士のコラボのものなど・・何枚かだった。雰囲気だけでも・・・と画像に付けてみた。
無責任極まりない私でごめんなされ。
面の皮の厚さは足の裏なみ。皮続きなので当たり前か・・・
と・・いうわけで、昨日は琵琶三昧の日・・・
で・・・今日の話。
何をブログに書こうかと思ったら、もうこれしかないね・・
「弁慶格子」
というわけ。やっと今日のスタート地点とあいなる。
相変わらず前置きで紙面の半分は使う、いつものように計算できぬ女である。
「格子」というのは縦と横の線が交差することによって生まれる。
格子戸を〜♪ くぐりぬけ〜♪
見上げる夕焼けの空に・・・〜・・♪
かつての懐メロだがここで謡っていては、本当に日が暮れる。
で、読む方は勝手に謡ってくだされ〜♪
細い木を縦横に組んだものを格子戸と言うことからなんとなくイメージできるかと。
江戸時代には線の太さや縦横の組み合わせで実に沢山の格子柄が庶民に流行した。特に歌舞伎の隆盛とともに役者好みの柄が一世風靡し生活や衣服に幅広く取り入れられたようだ。
で・・・何処までも前置きだけで引っ張るわけにいかぬので「弁慶格子」について。
一般に縦横太い巾の線による格子をいう。通常一センチ以上あるものと言われているが、実際は4〜5センチくらいの物によく使うのではないか。縦と横で全く違う色の場合もあれば濃淡の物もある。
実際きっぱりとしていて夏など清々しく見える。
色にもよるが・・・
ところで歌舞伎の「勧進帳」で着ている弁慶の格子の着物は「翁格子」と呼ばれるものらしい。らしい・・・と書いたのは何度か見ているはずなのに、はっきり記憶にないのである。最近とみに記憶力低下。段々断固として自信を持って言えるものがなくなっている昨今。
翁格子は大きな格子の中に小さな格子を幾つも交差させた文様で、翁が沢山の孫を持っていることにたとえられ子孫繁栄の意味になぞらえられる。翁格子は子供の着物や男物に多いと言われるが私は女性が着ているのを見たことがある。配色にもよるし、やはり好き好きという物はいかんともしがたい。
この「翁格子」も「弁慶格子」と呼ばれる事がある。
こういうややこしいことがままある。どっちかに決めてくれ〜・・・と叫びたい。
覚えるしかない・・・と諦めてくだされ〜☆
ついで・・・と言っては何だけれど「子持ち格子」もちょいと触れておく。
太い縞の横に細い縞を合わせた格子。時代劇を見ていると町娘が「黄八丈」らしき着物に黒い繻子の襟をかけてこの格子模様が意外と出てくる。
気をつけてみていてくだされ〜♪
知っている模様がでると案外嬉しいもの。
太い線の上下に細い線がある場合は「両子持ち格子」という。
私が持っている格子で写真でお見せできるものがないか探してみた。
見事にない・・・・全くない。
縞に比べて格子は可愛いイメージをもたれる・・・ないはず。
一枚もなかった。探しているときに気付いた。縞が多い。自分の着物柄は無地か縞が大半・・・というとものすごい数を想像されるかもしれないが残念ながら実にわずか。
ただ・・忘れ去られていたのだが引き出しの底からこんな格子の帯を見つけた。
非常に細かい格子で・・・「碁盤格子」かな。
縦横の線がもう少し細く、細かくなれば「微塵格子」(みじんこうし)。
この格子柄は着物、帯では手持ちの中で唯一ではないか。
しかし、この帯・・どんな着物に合わせたか・・・参考のために。
格子もものすごい種類がある。
書物によく出てくるのが、「三筋格子」「六弥太格子」「中村格子」「菊五郎格子」「市村格子」
またおいおいに・・・ということで。