和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

蝙蝠扇(かわほり)

蝙蝠扇(こうもりせん)と書いて「かわほり」と読む。

蝙蝠の羽を広げたところから平安時代は扇の別名であったとのこと。
京都では舞扇を飾らずに室内装飾として季節の図柄の蝙蝠扇を飾ることが案外多い。
蝙蝠扇は骨が5本、舞扇のようにあでやかさはないが格調高い。
当時はこの白い蝙蝠扇に好きな柄や歌を詠んだり絵師に好きな意匠を書いてもらっていたとか。

蝙蝠は西洋ではドラキュラと一緒に墓場での登場が多いイメージだが、
中国では吉祥文様。
日本に入ってきてからもその流れで吉祥文様。
蝙蝠の「蝠」の字が「幸福」の「福」と同じ音からくるとか。
着物や帯ではまれにみる事があるがほとんど男もの。
趣味の柄。
羽織裏に二匹の蝙蝠が羽を広げている羽織を脱いだ御仁を見たことがある。
格好良かった。
まれに蝙蝠柄の扇子で煽ぐ年配男性もいる。
めったにいない。かなりの通かと。

今日の職場の玄関のしつらえ・・・
その蝙蝠扇を使った。




















   真っ白な蝙蝠扇
   雪冠杉
   サンキライ





























「何で??」って??

ハロウィン盛んなこの頃、せめて蝙蝠なんぞを登場させようと・・・(笑)
誰も分からないだろうけど・・苦肉の策&自己満足。

   まあ、しつらえというものは往々にして、自己満足の領域かと。。。。


ちなみに季節の図柄の蝙蝠扇を一つ・・・参考までに。
















ススキの柄、渋い・・実に。

教室にずっとこのところ飾ってあるが・・どこまでも地味。
誰も目もくれない。
「これは何??」と聞く人すらいない。
でも地味なものほど味わいがある。
「おっ!!」と人目をひくものより、案外誰も見向きもしないものに面白い味わいがある・・・と。

これ、お婆の静かなる主張〜♪


【p.s.】
この白い蝙蝠扇、いつか自分で読んだ歌なんぞを書こうと持っていた。
かけぬまま現在にいたる。そのうち・・・と。