和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

充実の秋〜♪♪



今年のブログ5/13の最後の部分の近況報告に載せた話・・・・
かいつまんで言うと・・・

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ある企業から三カ月間で振袖変わり結び(アレンジ)の習得を依頼された。
25歳の方。お客様に振袖を着せつけてお金を頂けるレベル位まで仕込んでほしいとの依頼。
勿論最初は「一週間一回で三カ月・・難しい」「25歳は若すぎる」と言って断ったのだが、粘られた。
選りすぐりのガッツある社員で見込みがある人なので・・・と。

   「どうしても」  「そこを何とか」  「絶対だめか」  「本人に会ってからでも」  「泣かせてもちっとも構わない」

・・と。
気に入らなかったり、途中どうしても無理だと判断したら何時辞めさせてもらってもいいので、とまで言われた。
で、本人にも会い、彼女の話も聞き「兎に角、やってみるか・・」と始めた。
凄いね。。粘り勝ちにまで持って行くところがいかにも営業で鍛え上げたボスだね。
私が一旦引き受けた仕事、途中で放り出す訳がないこともお見通し〜・・だったのだろう、敵もさる者〜。

其のあたりの事情は当時のブログで書いているので、もしよければ。。
この日のブログの最後の部分に。私の物凄く不安な気持ちが分るはず。
やる気がない時はただではおかないぞ・・と思っているのも。(笑)  

        :title=http://d.hatena.ne.jp/umryuyanagi104/20140513/1399952553  ]



なんと・・・当人、物凄く頑張った。本当に期待以上に頑張った。実にクールに、そして黙々と。
会社の社長、上司の期待を一身に背負い後に引けぬ状態で。しかも習う相手はおっそろしい鬼婆ときている。怖かったと思うよ。
三カ月間粉骨砕身、刻苦勉励、練習練磨、一意邁進・・(もう・・四字熟語が出てこない。)
正にがむしゃらに・・・頑張ったのが手に取るようにわかる。勿論仕事もし、残業もこなし、各種イベントなどこなし・・の中。
後でわかったのだが、間に当人の引っ越しもあったようだ。



そんなことは全くお構いなしに毎週次の週までの課題を言い渡す非情な私。相手に感情移入していたら、何時まで経っても出来るものではないのだ。確かに思うにやれない日もあったろうし、中々上手くいかない時もあった。それは当たり前のこと。皆スーパーマンではないのだから。それを言い訳にしていたらどんなこともものには出来ない。そして出来うる限り物凄く努力し、練習し、何とか私の言うところのレベルまで持って行こうとしている努力のあとはよくわかった。

本人手が震え、心臓ドキドキさせ、正に必死だった三カ月だと振り返る。
ちようど、この火曜日が最後の日だった。
「時間内にできなかったり、出来ても綺麗でなかったら終わりだからねっ。」と言う私に
「やり直しとか、補習して受け直すとかはないのですか」と恐る恐る聞く。
「ない!!一発勝負!!それでだめなら終わり。」にべもない。

襦袢から始まり振袖を着せつけて自分の考えたアレンジ帯を結び、15分で着せ付けるという試験の日。本人は小物を腰ひもチョイス。ベルト類の方が早くできるのだが、お店では紐なので・・と。勿論綺麗でないといけないし、バランスも良くないといけない。無駄な動作はいけない。手や足の位置など的確でないといけない。何より着せ付ける姿が美しくないといけない。(この辺りが異論の出るところだが、本来無駄のない動きをすればその姿は物凄く美しいはず。)お客様の体に触るのも最小限でなければならない。勿論自分の息がかかる程近づいてもいけない。いろんな制約の中で、やまみちさんをサブに試験開始。12分40秒で仕上がった。実際は12分切るくらいでできたのだが、本人が丁寧に手直しをしていた。
ちなみに我が和装組曲の場合はサブなしで一人で13分の試験である。しかもアレンジではなく創作帯。

チェックをし「よし」という私の声で本人「ほ〜っ」と胸をなでおろす。
「おめでとう」と廻りの声や拍手に一瞬本人「うるっ」となる。
今まで辛かっただろうと容易に推測はつく。

「初めて和装組曲に来た時は手が震えているのが自分でもわかりました」と。
そりゃあそうでしょ・・・私の質問に答える声が震えていたもの。
上司があそこまで言ったのだからそれで駄目なら二度目のチャンスはない。
与えられたチャンスは絶対ものにしないといけない。
決死の覚悟で来たと思うよ。
私は幾ら普段物凄く練習をし頑張っても試験当日駄目なら容赦しない人である。
一回こっきりの試験である。
と、言うのは試験当日案外皆さん緊張する。手が震える。しかし、それで出来なかったらお客さんを前にして出来るはずがないのだ。
だから練習するしかない。これでもか・・・これでもか・・・と。目をつむっていても出来るくらいに練習するしかないのだ。
何日も前から心配で眠れず、下痢までし、食べられず、しかも手も震えだす。当然「はじめ!!」の合図とともに緊張ピークとなる。
そしてほんのに少しの失敗でも頭は真っ白となる。時間はすぐ立つのだ。

そんな時、練習することだけが克服する唯一の方法なのだ。
どんなことも最後は一回でも多く練習した者勝ち手ある。

どれだけ頭が真っ白でも練習していれば手は動くのである。
そのレベルまで、練習して・・・練習して・・・ひたすら練習するだけである。
それしかないのだ。
100回して駄目なら200回。200回して駄目なら300回。300回でだめなら500回。なんの・・・1000回してもいいのだ。練習のしすぎはないのだ。

其の間にできなかったことができるようになっていく。
いつかそれが楽しくなってくる。
舞台と一緒だと思う。
ちょっとでも気を抜くと大変な事になる。収集が付かなくなってしまう。今度こそ・・はないのだ。
でも其の緊張感が良い仕事をさせてくれるのだ。
出来ない言い訳を言う暇があったら一回でも練習しなさい・・・私が良く言う言葉。

「先生のお陰です」と神妙に頭を下げる。
「当然よ!!私にとってはこれは仕事。お金をもらったんだからきっちり仕事しただけ。」と。
「でもね、同じように教えていても中々皆ができるもんやない。あなたも物凄く頑張ったのよ。」と。
「はい、物凄く自分でも頑張りました。」と。期せずして大爆笑。
きっとこれからの仕事で物凄い自信になるはず。
きっと充実した三カ月だったと思う。

おめでとう・・・さくら子さん。
和装組曲初の最年少「振袖&アレンジ帯習得者」となったね。
そしてもっともっと上手に着せられるように精進していってね。
今がゴールなのではなくて、今がスタートなのだからねっ。


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この間までアブラゼミ、最近ではミンミンゼミ、そして
今日は朝、ツクツクボウシの声を初めて聞いた。
季節は移ろっていますね。

充実した毎日過ごしていきたい。
一日一日の積み重ね…大切に過ごしたい。
何もしなくてゴールはやってこないもの。
みんな・・・頑張ろうな。
いつか自分の思う到達点に少しでも近づいて行けるように…