和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

久しぶり・・琵琶の話♪


自分の仕事に追われ琵琶を少しおろそかにしていたのではないか・・と反省。
今日は自称・錦心流琵琶石川支部広報担当者として少しばかりPR活動をしまいか〜♪



これは私の琵琶。昔の古いおうちには琵琶床といって琵琶を立てかけておける床が付いていたそうで、以前丹後地方の尾藤家の見学の時に案内の方から聞いた。写真も確かつけたはず。しかし今の家の造りにそんなものがあるはずもなく、私は座敷の床の間の前にこうして埃よけを掛けて何時も置いている。



両面とも桑の堅い木材を使用するのが正式だが練習用には片面だけの桑も使用されている。絃は四本。絃の素材は絹である。しかしながら物凄く硬い。そして指が痛い。だから一番高い音が綺麗に出せるまで3〜4年かかると言われている。指がちぎれるのではないか・・・とさえ思いながら絃を抑えている。
一方筑前琵琶は片面・桑で腹の方の板は桐で柔らかい。バチも三味線のような小ぶりの雰囲気。
ただ私は筑前琵琶は良く知らないので知ったようなことはここでは言わない方がいいだろう。



絃が4本・・・よって上の糸巻きも4個となる。
絃が5本・・・糸巻きも5個となる。
だれぞの絵に絃が五本で糸巻きが4個と言うのがあったがそれはありえないのだ。


三日月形は「半月」といいここから音がでる。



今年6月に石川県立音楽堂(金沢駅前)午後1時からで年1度の演奏会がある。
去年は兼六園時雨亭で「巌流島」を弾き語りした。素晴らしい景色の中で気持ち良かった。
色々思案したのだが、今年はこれ・・・にする予定。



撥は柘植の木が一番良いと言われているのだが、如何せん高い。バチだけで35〜40万はするだろう。
私は先生のお下がりで、たしか柊の木である。
演奏会などで琵琶を借りてもよいが撥は借りてはいけないと言われている。
これは絶対である。
なぜか?琵琶は一生どころか何代ももつ。
それこそ琵琶の胴を演奏中にたたくこともままある。
絃楽器ではない、打楽器だと言う人すらいる。
そしてまた、弾けば弾くほど良い音が出るようになるそうである。
一方、撥はあくまで消耗品である。
だからこそ琵琶は借りてもよいが、撥は決して借りてはいけないし、貸すべきでもないのである。

ちなみに武士の時代は何時敵に襲われるかもしれないので、琵琶を歌っている時は琵琶の撥で応戦したとか。
だから琵琶の撥はドンドン大きく成ったのかも・・薩摩琵琶の撥はとっても大きい。早い崩れの段ではその大きさが邪魔をする。


羅生門」と「茨木」とどちらにすべきか随分迷っていた。どちらをするにもまだまだ私自身が未熟すぎ。
それが・・・昨日の夜突然決めた。
電話で友人と琵琶の話をしていて決めた。
そうだ・・・私はこの曲を弾きたくて琵琶を始めたのだったと。
今のできる自分の精一杯の演奏をしよう・・・と。
未熟云々を言い出したら一生弾けぬではないか。


実は出だしは「羅生門」が好き。


    
   花見車の出衣        
   霞も匂ふ紫や 
   薄紅の花曇り 
   やがて催す春雨の 
   都大路をしめやかに
   降りしづめたる夕哉

まさに十二単が花見車から色とりどりに出されて美しい都ならではの風景から静かに始まる。

一方「茨木」は

 

  都大路の夜は更けて     
   あたり静けき丑三つの
   鐘の音さえ凄凄と
   陰に籠ろう響き有り

最初からちょっとおどろおどろしい雰囲気である。

どちらもそれぞれ魅力があるが、結局「茨木」にした。
気持ちが途中で変わらなければ・・・。(笑)
もしお時間ある方々はちょこっと見に来てたい。
分かりやすい内容なので聞いていても楽しい(?)かも。
期日が近づいたら又詳しい演目内容をお知らせ出来るはず。

当日の出演者の着せつけを担当するのは今年も我が和装組曲の面々と決定した。
勿論、自分で着ることのできる人は和装組曲はさわらない。(笑)

4月の入学式の着せつけが済んだら琵琶の演奏会に向けて男性には紋付袴、女性には二重太鼓の仕上げとなって行く。
二か月、死に物狂いでがんばってたいね。
肺に一杯空気を吸い込んでの弾き語りなので紐の加減が難しい。
去年はとても好評だったので今年もお呼びがかかった次第。
去年は皆がうまくやってくれるか・・・気が気でなかったのだが、今年は私は演奏に集中したい。
できるといいな・・・がんばろうね〜♪



私も書けるやないの・・・淡々と静かで優しいブログを・・(笑)



写真はキセキレイのメスかな・・・多分。