和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

着物姿〜♪

夜のお稽古の日・・・
いつもはその日は仕事なのに、たまたま休みだったので「着物で来ました〜!!」と。
この方はかなり遠いところから来ていなさる。
仕事が済んでそこから夜7時のお稽古に参加。


























日によって、仕事でヘトヘト、ヨレヨレの時もある。
というよりいつもかも・・・。
仕事がかなりハードなのかも。
ただそれをはねのけるパワーを内に秘めているし、仕事が何処までも好きなのであろう。

いつもは
「今日はスッピンだね〜、若いからできるね。」
なんていう周りのかしましい声に
「仕事してて、既に昼ごろには皆汗で落ちたさ〜」と。(笑)

今日はしっとり・・・着物姿。

どうみても今はやりのプリントだったり、化学染料での着物ではない。
しっくりと落ち着いた深みがある。
昔の植物染料で染めたような・・・はっきりとは言えぬが「紅花」の紬に違いない。
むりやり色名をあてると「中紅色」(なかのくれない)あたりか。
袂(たもと)の長さが今の物ではない。今の物は紬だと一尺三寸。きりっとした仕立てをする。
これは一尺四寸はあるだろう。長い分、どこか優雅でたおやか。

「それ・・お母さんの?」と聞くと
「着付けを習っていると言ったら知り合いが一杯くれた!!昔の物らしくて古いものだし、いらん・・といわれて。派手??」
何を・・・何を・・とっても素敵。

流石にこれだけはっきりした目立つ色の着物に、帯は手持ちの帯に合うのがなかったとか。
で、たくさんもらったものの中からチョイス。
そう・・・今風の物よりいっそ同じ時代の物の方がそれはそれなりにしっくり来るようだ。














いつもはちょっと地味目の物を纏うのに、こんなパキットカラーも悪くない。

いつもは「あそこが・・・」とか「ここが・・・」とかダメだしするお母さんも最近では何も言わないくらいに綺麗に着ている。
「何分で着た?」と聞く私に
「十三〜四分かな・・それだけかかってないかも。」
「凄いじゃん!!」
そう・・足袋をはきだして帯を結び終えるまでこの若さで大したものだ。
でも多分、この調子で着物を楽しんでいれば、七分、八分できるのもそう遠くはない・・・

この日はこの姿で後輩の指導にあたる。

後ろ姿に若さが出る・・・それはよくわかる。
でも しとやかさ、美しさ、一途さ、真っ直ぐさ・・・皆でるんだなあ・・・と改めて感嘆。
やはり着物っていいなあ・・・〜・・。
男の人も着るといいのに。
男らしく、凛々しく、きりっと素敵なのに・・・
違う自分・・というより、自分が意識しなかった自分の一面に出会えるのではないか・・・と。