散歩の時に「逆手」の雀をみた。
鉄棒の逆上がりを思い出してしまった。
ところで今日は全くそんなこととは関係ない話。
(「じゃあ、出すなよ」と言う声〜♪ いいのいいの・・
寄り道、わき道、道はいつでも逸れるもの。そしてそれが楽しいのだ。)
和栽の時に用いられる物差しを「鯨尺」(くじらじゃく)という。
初めはクジラの髭で作られたことからこの名がある。
昭和34年のメートル法改正で生産販売が中止されたのだが、昭和53年から法的規制がとかれ再び使用されている。
私は着物を作る時には学校ではセンチでの習い方であった。
しかし、実際着物の仕事に携わるとこの尺とか寸とか分とかがよく出て来て知らないと困惑する。
「コートの裄は1分着物より出します?2分の方がいいですか?」とか
「袖丈は1尺3寸ですか?1尺3寸5分の方がいいですか?」とか・・
「お願い!!センチで言って!センチで!!!」と答える。
分らない時はお店に任せてしまうので物凄く怖い。
しつこくセンチを尺に直してもらって聞いているうちに、最近では何となくだがほんの少しだけ分るようになってきた。
一尺 37.88センチ
一寸 3.79センチ
一分 0.4 センチ
である。これは一尺だけ覚えておけばいいのだ。あとは切り上げなのだから。
一尺 37.88センチ
私は「みな、はは」と覚えている。
着物検定を受ける方は3級でも此の程度は必須。
ちなみに大工さん等が使うのは「曲尺」と書いて「かねじゃく」と読む。
これは
一尺 30.3センチである。
足袋や足の大きさに昔使っていた「文」というのは此の曲尺からきている。
一文 =0.8寸(曲尺) =2.4センチ
十文の足袋といえば24センチとなる。
このあたりは2級を受ける方必須の知識。
試験を受けなくても知らないより知っている方がよい。
心配しなくても入れ過ぎたと思う頭でもパンクはしないようにできている。
忘却という自然淘汰が待っている。
「人の記憶力は素晴らしい、しかし忘れるという能力はさらに偉大だ」
と言ったのは誰だっけ?
忘れえずして忘却を誓う心の悲しさよ・・・・
たしか、「君の名は」のナレーションだった。
ついでに和栽の基礎知識のことでもう一つ。
まだあるの?そうそう・・・一つより二つ・・・いやいや三つでもよい。
日々忘却と言う偉大な能力に磨きをかけている年代だからして。
先日たまたま半襟付けを習いに来られた方がいた。
「そのあたりの針目はテキト―に」という私に、
「適当ってどのくらいの間隔?」と几帳面なその方は聞かれた。
半衿を縫う時に針目は1センチ間隔?とか3センチ間隔?それとも5センチ?という話になった。
其の時にああ、躾の針の落とし方も何時か話しておかなければ・・と思ったので附け加えておく。
「落とし針」というのは躾(しつけ)を掛ける時に使う縫い方であるが、躾以外にも使ってもちっとも構わない。針目を2〜3センチ縫い目の間を0.5センチ空けて縫う。この空けて縫うことを「落とす」というのだ。生地の裏にその糸目が出る所から来ているに違いない。
上から1.「一目落とし」2.「二目落とし」3.「三目落とし」4.「両面躾」5.「ぐし躾」となる。
正確に言うと着物では一目落としの針の落としは「0.5センチ」二目落としは「0.3センチ」の針の間隔となるのだが、正確な縫い方は和栽師さんにお任せする事にしよう。私達は自分の半襟や自分の物に関しては正確でなくてもよいのだ。好きなようにザクザクと縫えばよい。直汚れて直ぐはずして又付けなければいけないので時間のかからない方法が良いと思う。「両面躾」はどちらの方向から見ても針目は一緒になるような躾の縫い方である。こんなことを考えた人はすごいなあ、と思ってしまう。
これは二目落とし?
じゃあこれは?
蜜柑の実は四目落としかあ〜?
こんなものでややこしいことを言うなよ・・と怒られそう。
余計わからなくなるね・・・すまぬ。。。
ちょっと遊んでみた。
ちょいと逃げを打つスライダー投げたつもりが思いっきり外れたか〜(笑)
雲龍柳にはいつもドンズバストライクしかない。
ただ一般的なストライクゾーンとはチョイと違うことが多いだけ。
だから時には皆さんの構えたミットからとんでもない位外れる。
私はあくまでど真中ストライクのつもり。
話が脇道どころか迷路に入ってきた様相。
振り出しに戻れ・・やなっ。
落とし目での何か良い見本がないかと探してみた。
袱紗のヘリは三目落としである。見にくいと言う方は写真をクリックして糸を見て欲しい。
また「ぐし躾」のやり方で「ぐし縫」もある・・これは黒留め袖や振袖の袖口や掛け衿、褄下などで見かけるのですぐ分ると思う。
以前生徒さんでこれも躾かと思いみんなハサミではずしてこられた方がいて仰天したことがある。
確かに・・・生地とは全く違う白糸で縫われているので躾だと思われたに違いない。
このぐし縫いも上手な方は実に糸の目が揃っている。実際は一寸の間に針目が何目と決まっているはず。
和栽師さんの腕の良しあしの話が出たついでと言ってはなんだが、昔は縫ってもらった着物が上手か下手かを見分ける方法があった。
一つは「ぐし縫」の細かさ、目の揃い、美しさだったが実はもう一つある。
「ひうち」である。
単衣や薄物の着物や襦袢に見られる。
お母さんやおばあちゃんの着物でご確認を。
身頃に縫いつけられた袖付けの下の部分である。
袷の着物にはほとんど見かけない。
袷は裏の羽二重が有るので補強されているので不要なのだろう。
ここの「ひうち」が小さくてとても形が良くて美しい物が上手な和栽師さん、少し大きくて形の美しくないものがまだ未熟な方・・と。
振りを何処かでひっかけても割けないように補強の意味合いもあれば力のかかる所のマチの意味合いもあるのだろう。本当に三角に小さな布を付けているのも見たことがある。
しかし、時代の流れはこんなところまで押し寄せている。(ちょっと大げさ。)
「ひうち」自体がもう着物に存在しなくなっている。
建物が変わってきている。
腕や袖が自由に動かしても裂けにくくついているはずのひうちで逆に生地を傷める場合があるのだ。
ドアノブである。各部屋やトイレなど既にほとんどがノブである。
ドアノブにひっかけるとあまりに「ひうち」が強いので生地自体を割いてしまうのだ。
代わりにこんな止め方になっている。
破れないように「一」の字に止めている。
ちなみにこの止め方は「閂」(かんぬき)止めという。
で、万が一ドアノブにひっかけても生地が破損しないような止め方となった。糸だけ切れる・・という。
私はまだドアノブにひっかけたことがないので何とも実体験はない。
ただ振袖のお嬢さんがトイレのノブで袖付けをやぶって半泣きなのは見たことがある程度。
此の辺りの知識は検定の一級に相当する。知っているようで皆さん案外知らない。
折角なので着物や襦袢が仕立て上がった時に「躾糸」(しつけいと)がどのように縫われているか参考にされたし。
ちなみに「躾」という字・・・「身が美しい」と書かれている。
この躾があるからこそ着物はピシッと美しく折り目正しくたたまれているのである。
まあ、大雑把でいつも適当な私に「躾」の事や「折り目正しい」などと言われたくないだろうから、今回はこの辺でさっさと切り上げよう。
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今日のお気に入り
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散歩の途中見つけた〜。
☆〜マンションの屋上に舞い降りたプテラノドン〜☆
見えなかったらごめん。
いつも物凄い思い込みだけで生きている私だからして。