和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

つれづれの秋〜♪

以前宝尽くしの中の「隠れ蓑」を書いたことがある。


まだまだ暑いと言えど九月も二十日近くなると薄物は出番既になく、単(ひとえ)は段々色や素材を吟味しないといけなくなる。
合わせる小物も袷用となるので少し小物を整理していたら色々面白いものが出てきた。



宝尽くしの帯上げ。白地なのでちょっとフォーマル色。
ただ刺繍がものすごく大きいので私のかなり若い時の物かと。
ヘノヘノさん・・・お気に入りの譲り受けたいNO1の「隠れ蓑」(笑)
以前ブログに書いたので既にその効用はご存知かと。
すっぽり身体が隠れてしまう現代でいえば透明人間ウェアとでもいいましょうか。

打ち出の小槌・・「一寸法師」や「大黒天」が持っている。
欲しいものが手に入ったり、願いどおりになったりという縁起物。
「敵を打つ」から武士にも好まれた吉祥紋。

巾着・金のう・・緞子や錦などの美しい布ででき口を紐で結んである。
単独で着物や帯に使われるのを良く見る。一緒にあるのは勾玉(まがたま)。



巻物・・有難いお経や秘伝の書の書かれたもの。
必ずと言っていいほど二つであらわされる。
この二つがクロスして×印で書かれたものは筒守といって巻物の入れ物を表す。



丁子・・スパイスのクローブの事で昔は香辛料が高くて貴重だったことがうかがえる。
薬用、染料、油、香料として大切に使われたのだろう。



ついでに・・鶴・・言われなくても十分ご存じ。(笑)
松竹梅、鶴亀、など宝尽くしの中によく使われる。
「宝尽くし・・これでもか庶民バージョン」というところ。
熊手やお多福、正月飾りまで宝尽くしにいれる書物まである。



で、今回もうひとつ見つけた。

今度は着物柄。


真ん中に湯気を上げるような模様・・・「如意宝珠」である。
もとは仏教法具のひとつ。火焔が燃え上がっているように描かれているはずがちょっと違う雰囲気にも見える。
金銀財宝望むものはなんでも出すことができるスーパーミラクルボール。
今でいえば七つ集まったドラゴンボール

色々な模様の中にポンといた。
「図柄的に若干の考慮の余地あり」の図柄であるがそこはそれ・・・何といっても「如意宝珠」。
文句を言ってはバチがあたる。
さて、この着物・・


話が前後するが、県外のお客様がいる。
時々高速で仕事の合間にちょっとでも綺麗に着物を着たいので習いに来る・・という方。その方から先日電話。
「ベージュの着物を上品に着る時の小物をどうしたらいい??」

ベージュなら色を問わず、どんな袋帯を合わせても品よく素敵に着る事ができるでしょう・・という私に同色の名古屋帯をあわせたいのだ、と。
ベージュにベージュの帯を合わせるとボケてうまく合わないので小物をどうすればいいのか教えて、とのこと。
色々やっては見た・・・でも強い色をもってくるとインパクトはあるが品がなくなる・・と。

難しいことを言われる。
色々もってうちに来て現物を見せてくれるのが一番なのだが。
私も偉そうなことを言えない。なにせコーディネートはあまり得意ではない。
思い込みだけで生きているようなところがあるので。
まずはイメージ・・・と。

で・・・イメージしやすいように自分の物であわせてみることにした。
同色のベージュの着物とベージュの帯を探していた。
で、先日ブログに書いた「宝尽くし」の柄を見つけたというわけ。

だから今日頭に書いた「宝尽くし」の話が実はおまけ。
オマケが先に来ると言う何とも奇特なブログさあ〜。(笑)
如何に文章の構成力がないかに加えて、先を読む力の無さをこんなにも露呈しているブログでもある。

で・・話もどすと、そのコーディネートを・・
ベージュの着物にベージュの帯・・しかも名古屋帯。あまり柄のないものときた。



季節的に茶色の小物を持ってくるとものすごく地味になる。
茶色の濃淡というのは若いとそうでもないが一年行くとはまりすぎて婆むさくなるきらいがある。
今回は四種類の色をチョイス。


まずは濃いくすんだ緑。紅葉の柄を組んで出している。
次は濃いくすんだ青。茶色を中に組み込んでいる。


























あまりに面白くないとき、もしくはそこまで仰々しくない遊びの時は
ちょっとビビットな黄緑色で。織の帯も見つけたので合わせてみた。
とってもシックに格調高く・・と思うなら下のように白を基調に。
























どんな場面に着ていくのかを考えてあまり難しく思わないであくまで好みを主に楽しんでみてはどう?
恥を掻いたり、人から注意されるのも勉強のうち。
一つも失敗なしの人生も詰まんないでしょ?
まあ・・人に言うのは実に気楽なものである。
オマケを書いた分、ちょいと疲れた。





      「如意宝珠その手にあらば何願ふ」問ひし息子のその手に乗せむ


                       小さい時の息子とのやりとり・・・
                                    思い出した。