和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

品良く・・♪

11月のいろは会のテーマは「品良く・・」である。

簡単そうで実に難しい。

 

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場所は今回は加賀友禅会館。

全員現地集合、現地解散。

加賀の巨匠が残した美術工芸の世界の見学&展示会の見学。

村雨山、初代・由水十久、矢田博・・等々の鑑賞と実際現在の友禅作家さんたちの新しい作品などの展示会であった。

多くの来場者があるだろうし、自分たちの着物姿が他の来場者の鑑賞の妨げにならないような配慮を生徒の皆さんにはお願いしていた。と、同時にこんな話も付け加えた。

 

着物の展示会というとどうしても何としても買ってほしいという会社側の思いもあるので販売が多少強引になりかねないきらいがある。でも私たちは着物を手に入れるというより、着物に関する知識を手に入れたいのと、実際に目で見て手触りや感触を体験したかった。だから「買う」と言う事はないです、と。それでもいいですか、と。会社側には最初からその旨を伝えると何とも快く承知してくださりとても好意的に受け止めてくださった。ありがたい事である。ともすれば「買う気がないなら入場はお断りします」とけんもほろろなお店すらある中で(・・実際・・・塩をまかれかねない勢いで睨みつけられたことすらある・・・・)本当に着物を好きになってもらうためには「買う買わないは別にして楽しんで素晴らしい作品を見学していってください」という経営者側の配慮はとても感謝である。言えるようで中々心底気持よくにこやかに言ってもらえることは少ない。

で、有るからして生徒の方々も他のお客様の決して邪魔にならないように静かに誠意をもって社員の方々とお話しするように、とくどいように何度も念を押した。

 

で、そんなこんなでテーマは「品良く」と相成ったのである。

着物や帯のコーディネートという見かけだけの品の良さだけでなく、人と応対する時の有り様というか、心からの敬意と謝意を持って応対してほしいと事前に私は話していたのだ。もっともどれだけ生徒さんに伝わるかは実にあやふやであった。何しろ思いだけが先行し、ちっとも上手く話せない昨今の私。

言うだけ言って後は「えいやぁ~!!!」と・・・出かけたのである。(笑)

 

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今では中々お目見えできない美しい作品の数々・・・

 

到底生涯身に纏う事など無い着物であるが見ているだけでため息が出、値段を聞いて目が眩みそうになり、挙句倒れそうになったりもした。解説を聞きながらこういう機会を与えてくださったことに心から深謝。

小川株式会社の社長、取締役、そして社員の皆さん、本当に仕事の手をとめ時間を割いて何度も丁寧に説明して下さり本当にありがとうございました。社員の方々の着物に対する熱い思いと仕事に対するひたむきさに心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。高価な金額にため息をつきながらも社員の方々との丁々発止のユーモアあふれる楽しい時間でした。参加してますます着物ファン・・。着物不安じゃあないよ。(笑)

 

さて、今日はその日見学に行った皆さんのコーディネートをお見せしたい。

先ずはこの方・・・

 

 

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色と雰囲気は中々落ち着いている。

着方も申し分ないようになってきている。

この方の持っている可愛らしさと落ち着きのある雰囲気ならではである。

 

 

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ただ一つ。

着物は塩沢紬に見えるのだが、紬にこの帯は若干重いかな。

同じような柔らか物の着物ならまさにドンピシャ。

しかし、帯の重厚感に本人の存在感が負けていないのも凄い。

着物の丈は本来はこの位が美しいのだが、この日は畳の部屋に入るので多分若干長かったかも。

 

 

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この方は多分草履を脱いで畳の部屋に入ってもちょっと着物の丈が短かったに違いない。足袋のこはぜの上まで見えるようではちょっと子供っぽい印象になる。多分雨の日だったのが、ここまで用心させたのに違いない。

 

そしてもう一つ・・・

 

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着物と帯の雰囲気は一致するのだが、少し「鱗」の模様が大きくはないか…と思う。これは好みの問題なので気にしなければそんなもの。ただこれ位大きいとちょっと強く主張し過ぎる雰囲気が出てくる。

ただ振りから見えるキッパリした襦袢の白が何とも潔くてこの方のはっきりした雰囲気をよく表していて見ていて気持ちが良い。選び方って性格が出るのよね~・・・襦袢の色って本当に大事。

この方が琵琶を謡うなら「新選組」やなあ・・と思いながら後姿見ていた私。

 

さて次はこの方

 

 

 

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江戸小紋に市松の変わり膨れ織の豪華な凝った帯。

 

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着物と帯のチョイスは申し分ないけれど帯締め帯揚げの小物にもう少し工夫できないだろうか。

着物と帯が暗くなるので多分この「白色」ではなく、品のある「薄汚し色」をチョイスして明るさを出したのだろう。今まではそれでよい。でも指導者なのだからもう一工夫してほしいなあ・・と思うのは厳し過ぎるだろうか。更にもう一つ、この帯締めは「ゆるぎ」という組み方だが、紬や小紋あたりならそれでも良い。だがこの帯なら「高麗」とか「亀甲」とか、「笹波」とかでもよい、平の格調のある帯締めが良いと思う。俄然ピシッと格調が出る。良い帯を締めた時こそ良い帯締めをチョイスしよう。少し厳しいかもしれないけど、着物と帯がとても良いので安易な色だけで決める帯締め選択がもったいないなあ、と思った次第。

 

 

 

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着物も帯も物凄く考えたのが伝わってくる。

 

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帯の柄は源氏車である。

平安の優雅な雰囲気が濃い紫色の着物と相まってとても美しく雰囲気が良い。

 

 

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帯の菊の薄いピンクの色を帯締めに選んでいるのも何とも雰囲気がある。

 

 

さてさて・・次はこの方。

 

まだ習い始めて3回くらいしかたっていないのにこの着方そしてこのチョイス。

 

 

 

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写真では分かり辛いが何と唐辛子が一杯の小紋柄。
着物の着方だけでも一生懸命の時であろうに、着丈も帯の形も実に美しい。
しかも八掛の色と帯締め帯揚げの色を一致させて絡ませている。
初心者では中々できそうで出来るものではない。上出来である。

 

次はこの方

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帯の前の柄を見ると赤い扇・・・
これは「静」か~?

 

       心の色を見よとてな~・・

       皆紅の扇をば・・

       サッとばかりに打ち開き・・

       堀川殿の夜の宴・・・♪


と頼朝の前で舞を見せた静御前の姿を連想した。

「静」は私が初めて舞台で弾いた琵琶の曲。

千回は練習したので皆諳んじている。

 

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お太鼓柄を見ると能の「羽衣」のようだ。

箔部分には薄。幽玄の能を彷彿とさせる格調がある。

 

何を選ぶかはその方のチョイスだが、大事なのはその方の雰囲気に合っているかどうかが一番大切なところ。

しかし、この方ドンピシャリと雰囲気を決めてきた。

「こういうのも着れるって凄いね、実にいいね・・」という私に

彼女はこういった。

「今日の私は女優ですから」と。(笑)

今着物を着るのも、何を着るかと選ぶのもが楽しくてしょうがないに違いない。

乗りに乗っている。

 

 

そして最後はこの方

 

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何時もながら本当にお見事。

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いゃあ・・それにしても白い襦袢っていいね。

振りから見える色が何とも美しい。

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手元の八掛の色、帯の色、帯締め帯揚げ・・・

本当に何も言う事はない位美しく品が良い。

 

 

さて当日私がどんな着物を着たか…

私の着姿を生徒さんに撮ってもらったのだが、どうも白っぽい着物だったのでハレーションを起こしたようで全身写真がうまく写らなかった。

で・・帯のアップを撮ったのがあったのでそれで何とかイメージしてほしい。

 

 

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着物は経錦のお召。

普通緯糸で柄を出すのだが、経錦は経糸で柄を出しているので織るのが難しい。今ではお召も中々出会えないのだが、経錦のお召は本当に貴重。

訪問着柄になっていて柄を合わせてあるのだが、遠目には柄が細かいので分かり辛い。無地か小紋程度に見てもらえばよい。

経糸はラテンという糸を使っている。それは金糸を染めた糸で角度によっては元の金色が見え隠れする。しかも其の糸は絣糸として黄色と灰色とに染められていて掛け襟と身頃とも柄を繋げているという凝ったもの。柄が細かいのがとても気に入って一目ぼれ。この着物に何を合わせるか、当日まで迷いに迷った。無難に茶色の洒落袋帯と合わせようかとも思ったのだが、反対色は少し野暮になり、このお召の良さが死んでしまう、と。思い切って白っぽい洒落箔帯にした。

 

この辺りは賛否両論が出そうだが、私自身は一番相性の良いチョイスだったと思っている。どんな時も自己肯定。私の中では大切な事。(笑)

 

さてさて・・・長くなった。この辺で。

あっ、そうそう・・・

ナンプレの上級編制覇できた。

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200問の最後のページ。

多分色々書き込んであるので皆さんは「きたなーい」と思われたはず。

いやいやこうやって一つづつやらないとできないのだ。

努力の跡と思ってくれ。

今は最終の難解ナンプレに突入。

これも200問ある。

 

 

以前散歩途中に見つけた。

 

 

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恒例の報恩講が近づいた。

今年もあっという間に過ぎていく…

 

 

12月の「いろは会」は次のように予定している。

 

      12月1日(土)1時半~3時頃

      「半襟を自分で付け替える」

 

作業なので動きやすい服装で。

勿論着物。

普段着の着物でお越しください。

和裁士さんのようにキチンと丁寧にしません。

手早く簡単に付け替える方法を教えます。

参加者は 襦袢、半襟、裁縫用具 を持参されたし。

この機会に刺繍襟や色半襟など自由にお持ちください。

 

ではでは・・・・またねん♪♪♪