和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

能面「中将」完成♪ & 能面袋

何時もながらもたもたしているうちに早や今日で11月も最後となる。

 

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しばらく暖かい日が続いたのに今日は残念ながら寒い。

もっとも毎年このころは時雨ているので雪がないだけましかもしれない。

 

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散歩途中で久しぶりにジョウビタキのメスを見かけた。

独特のなき方がないと分からない位小さな鳥、でもかわいかった。

 

さて・・・11月には完成するであろう、と以前書いた能面「中将」が仕上がった。

「お・・・っ!!!上出来~♪」

と先生に言われ、お世辞と分かっていても物凄く嬉しい。

どうも私は最近褒め言葉に飢えているようだ。

 

 

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さてさて一番苦労したのがもみあげ。

こちら側は貴族らしく・・・丁寧に。

 

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こちら側は公達らしく・・・

今戦いから帰ったような少し乱れたような、風に吹かれたような…。

 

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そしてこんな風に職場の玄関に今は展示。

 

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さてさて一応中将の能面については終了。

実は琵琶もそうだが、能面についても色々書いていると色んな質問をされる。

そのうちで今日は「能面袋」について質問のメールをもらったので書いてみる。

 

「能面袋」は字の通り能面を保管しておく袋である。

どんな袋でも、どんな入れ物でもいいのだ。

子供のズック袋みたいなものを入れ物にしている方もいらっしゃる。

風呂敷に包んでお菓子の空箱に入れていらっしゃる人もいる。

要はその方、その方。

能の宗家ともなれば色々しきたりはあるであろうが、素人が好きで楽しんでいる分にはそれはそれ・・・(笑)

 

でも折角なのでちょっと知っていることや自分のやり方を書いてみようと思う。

能面を保護したり、保存したりすることが目的なのだが、案外自分のこだわりをこんなところで表現できるので私は結構好きだ。

あくまで私の場合である。

 

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小面の能面袋

 

能面は袋の下から取り出す形になる。

上からだとばかり思っていたのだが、書物を読んでいると能楽師の方は能舞台の鏡の間で能面を付けるらしい。その時の写真を見ると下の方から取り出す形にして能面袋が置かれているのを確認。ああ・・・そうなんだ…と。

 

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十六の面

 

能面の下に薄い当て布が敷いてあるが実際能面の袋に収める時はその布は能面の顔の上に乗る形になる。面を保護するためである。薄く綿が入っている。

その綿は昔は真綿を使っていたらしいが今は真綿は中々手に入らないので布団綿であったり、化繊の手芸用の綿を使ったりもする。

私の場合、これらの袋は古い帯の不要なものを使って知り合いに作ってもらうのだが、綿は扱いの楽な化繊の手芸綿を使用している。

 

今回中将の面の為に私が用意したのは・・・

 

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表と裏をお見せしたのだが、平家の公達と言う事で古いそれらしい帯で少し雰囲気のあるものを利用した。

ところが色々書物を読むうちに「忠度」「清経」といった能にも使用されるとあった。

「清経」といえば笛である。笛を吹くシーンでは扇子を笛に見立てて口に押し当てる場面が印象的で美しい。で・・・こちらに変えた。

 

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琵琶と横笛の帯を使った。

既に余りに使用し過ぎて箔は落ちタペストリーにも使えない古い帯であったがこんなところで約に立つとは…。

 

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中将の面

 

平家の公達は戦うだけでなく、楽曲や文芸にも優れていたとかで、琵琶の名手である経正や笛の名手である敦盛など数多くいるのでたまにはこんな模様もいいかな、と。

別に帯地で作成しなくても着物地でもよいかと思う。

古くなったもの、使用しなくなったもの、身に着けるには余りに派手になったもの、捨てるにはもったいない物・・・・などなど不要なものを使って作られればよろしいかと。顔に当てる薄い綿入りの布は着物の胴裏に使われる羽二重が一番柔らかくて良いらしい。私は片面を羽二重、片面を帯の模様のない所を使うようにしているのだが、それはお好きになされば宜しいかと。当て布も能面袋も柔らかいものが良いようであるが、私の場合ちょっと豪華に雰囲気のあるようにしたいので不要な帯を使っている次第。

上の全ての帯は「何かに用立ててください」と人さまから頂いたものである。

 

先日京都に行った折、能面袋の専門店なる会社に立ち寄って話を聞いてきた。

滅多に売れるものでもないので注文があったら制作するとかで見本すら置いてなかった。その方によってご希望も違うから・・とか。と、いうことは自分で好きなように作ればそれで良いのだと自己判断。(笑)

能面そのものすら古色というか、古く見えるように色々細工をするのだから、能面袋が新しくあるはずもないのだ。タンスの中に眠っている古い着物や帯、リサイクルショップで見つけた縁がボロボロの帯でも少しも構わないのだ。

 

ご質問をくださったお方・・・こんな感じで宜しいでしょうか?

 

 

 

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これは我が家のいろは紅葉の一枝。

 

ところで、明日はいろは会での半襟付け。

裁縫道具の中の針には、半襟と同色の糸を通して何本か持参されたし。

「老眼で…」とか、「針に糸が通らない…」とか当日になって言わないように。。。

時間の無駄は極力避けたい。

ではでは・・明日までしばし・・・・アディオス~♪♪♪

 

品良く・・♪

11月のいろは会のテーマは「品良く・・」である。

簡単そうで実に難しい。

 

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場所は今回は加賀友禅会館。

全員現地集合、現地解散。

加賀の巨匠が残した美術工芸の世界の見学&展示会の見学。

村雨山、初代・由水十久、矢田博・・等々の鑑賞と実際現在の友禅作家さんたちの新しい作品などの展示会であった。

多くの来場者があるだろうし、自分たちの着物姿が他の来場者の鑑賞の妨げにならないような配慮を生徒の皆さんにはお願いしていた。と、同時にこんな話も付け加えた。

 

着物の展示会というとどうしても何としても買ってほしいという会社側の思いもあるので販売が多少強引になりかねないきらいがある。でも私たちは着物を手に入れるというより、着物に関する知識を手に入れたいのと、実際に目で見て手触りや感触を体験したかった。だから「買う」と言う事はないです、と。それでもいいですか、と。会社側には最初からその旨を伝えると何とも快く承知してくださりとても好意的に受け止めてくださった。ありがたい事である。ともすれば「買う気がないなら入場はお断りします」とけんもほろろなお店すらある中で(・・実際・・・塩をまかれかねない勢いで睨みつけられたことすらある・・・・)本当に着物を好きになってもらうためには「買う買わないは別にして楽しんで素晴らしい作品を見学していってください」という経営者側の配慮はとても感謝である。言えるようで中々心底気持よくにこやかに言ってもらえることは少ない。

で、有るからして生徒の方々も他のお客様の決して邪魔にならないように静かに誠意をもって社員の方々とお話しするように、とくどいように何度も念を押した。

 

で、そんなこんなでテーマは「品良く」と相成ったのである。

着物や帯のコーディネートという見かけだけの品の良さだけでなく、人と応対する時の有り様というか、心からの敬意と謝意を持って応対してほしいと事前に私は話していたのだ。もっともどれだけ生徒さんに伝わるかは実にあやふやであった。何しろ思いだけが先行し、ちっとも上手く話せない昨今の私。

言うだけ言って後は「えいやぁ~!!!」と・・・出かけたのである。(笑)

 

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今では中々お目見えできない美しい作品の数々・・・

 

到底生涯身に纏う事など無い着物であるが見ているだけでため息が出、値段を聞いて目が眩みそうになり、挙句倒れそうになったりもした。解説を聞きながらこういう機会を与えてくださったことに心から深謝。

小川株式会社の社長、取締役、そして社員の皆さん、本当に仕事の手をとめ時間を割いて何度も丁寧に説明して下さり本当にありがとうございました。社員の方々の着物に対する熱い思いと仕事に対するひたむきさに心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。高価な金額にため息をつきながらも社員の方々との丁々発止のユーモアあふれる楽しい時間でした。参加してますます着物ファン・・。着物不安じゃあないよ。(笑)

 

さて、今日はその日見学に行った皆さんのコーディネートをお見せしたい。

先ずはこの方・・・

 

 

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色と雰囲気は中々落ち着いている。

着方も申し分ないようになってきている。

この方の持っている可愛らしさと落ち着きのある雰囲気ならではである。

 

 

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ただ一つ。

着物は塩沢紬に見えるのだが、紬にこの帯は若干重いかな。

同じような柔らか物の着物ならまさにドンピシャ。

しかし、帯の重厚感に本人の存在感が負けていないのも凄い。

着物の丈は本来はこの位が美しいのだが、この日は畳の部屋に入るので多分若干長かったかも。

 

 

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この方は多分草履を脱いで畳の部屋に入ってもちょっと着物の丈が短かったに違いない。足袋のこはぜの上まで見えるようではちょっと子供っぽい印象になる。多分雨の日だったのが、ここまで用心させたのに違いない。

 

そしてもう一つ・・・

 

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着物と帯の雰囲気は一致するのだが、少し「鱗」の模様が大きくはないか…と思う。これは好みの問題なので気にしなければそんなもの。ただこれ位大きいとちょっと強く主張し過ぎる雰囲気が出てくる。

ただ振りから見えるキッパリした襦袢の白が何とも潔くてこの方のはっきりした雰囲気をよく表していて見ていて気持ちが良い。選び方って性格が出るのよね~・・・襦袢の色って本当に大事。

この方が琵琶を謡うなら「新選組」やなあ・・と思いながら後姿見ていた私。

 

さて次はこの方

 

 

 

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江戸小紋に市松の変わり膨れ織の豪華な凝った帯。

 

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着物と帯のチョイスは申し分ないけれど帯締め帯揚げの小物にもう少し工夫できないだろうか。

着物と帯が暗くなるので多分この「白色」ではなく、品のある「薄汚し色」をチョイスして明るさを出したのだろう。今まではそれでよい。でも指導者なのだからもう一工夫してほしいなあ・・と思うのは厳し過ぎるだろうか。更にもう一つ、この帯締めは「ゆるぎ」という組み方だが、紬や小紋あたりならそれでも良い。だがこの帯なら「高麗」とか「亀甲」とか、「笹波」とかでもよい、平の格調のある帯締めが良いと思う。俄然ピシッと格調が出る。良い帯を締めた時こそ良い帯締めをチョイスしよう。少し厳しいかもしれないけど、着物と帯がとても良いので安易な色だけで決める帯締め選択がもったいないなあ、と思った次第。

 

 

 

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着物も帯も物凄く考えたのが伝わってくる。

 

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帯の柄は源氏車である。

平安の優雅な雰囲気が濃い紫色の着物と相まってとても美しく雰囲気が良い。

 

 

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帯の菊の薄いピンクの色を帯締めに選んでいるのも何とも雰囲気がある。

 

 

さてさて・・次はこの方。

 

まだ習い始めて3回くらいしかたっていないのにこの着方そしてこのチョイス。

 

 

 

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写真では分かり辛いが何と唐辛子が一杯の小紋柄。
着物の着方だけでも一生懸命の時であろうに、着丈も帯の形も実に美しい。
しかも八掛の色と帯締め帯揚げの色を一致させて絡ませている。
初心者では中々できそうで出来るものではない。上出来である。

 

次はこの方

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帯の前の柄を見ると赤い扇・・・
これは「静」か~?

 

       心の色を見よとてな~・・

       皆紅の扇をば・・

       サッとばかりに打ち開き・・

       堀川殿の夜の宴・・・♪


と頼朝の前で舞を見せた静御前の姿を連想した。

「静」は私が初めて舞台で弾いた琵琶の曲。

千回は練習したので皆諳んじている。

 

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お太鼓柄を見ると能の「羽衣」のようだ。

箔部分には薄。幽玄の能を彷彿とさせる格調がある。

 

何を選ぶかはその方のチョイスだが、大事なのはその方の雰囲気に合っているかどうかが一番大切なところ。

しかし、この方ドンピシャリと雰囲気を決めてきた。

「こういうのも着れるって凄いね、実にいいね・・」という私に

彼女はこういった。

「今日の私は女優ですから」と。(笑)

今着物を着るのも、何を着るかと選ぶのもが楽しくてしょうがないに違いない。

乗りに乗っている。

 

 

そして最後はこの方

 

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何時もながら本当にお見事。

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いゃあ・・それにしても白い襦袢っていいね。

振りから見える色が何とも美しい。

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手元の八掛の色、帯の色、帯締め帯揚げ・・・

本当に何も言う事はない位美しく品が良い。

 

 

さて当日私がどんな着物を着たか…

私の着姿を生徒さんに撮ってもらったのだが、どうも白っぽい着物だったのでハレーションを起こしたようで全身写真がうまく写らなかった。

で・・帯のアップを撮ったのがあったのでそれで何とかイメージしてほしい。

 

 

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着物は経錦のお召。

普通緯糸で柄を出すのだが、経錦は経糸で柄を出しているので織るのが難しい。今ではお召も中々出会えないのだが、経錦のお召は本当に貴重。

訪問着柄になっていて柄を合わせてあるのだが、遠目には柄が細かいので分かり辛い。無地か小紋程度に見てもらえばよい。

経糸はラテンという糸を使っている。それは金糸を染めた糸で角度によっては元の金色が見え隠れする。しかも其の糸は絣糸として黄色と灰色とに染められていて掛け襟と身頃とも柄を繋げているという凝ったもの。柄が細かいのがとても気に入って一目ぼれ。この着物に何を合わせるか、当日まで迷いに迷った。無難に茶色の洒落袋帯と合わせようかとも思ったのだが、反対色は少し野暮になり、このお召の良さが死んでしまう、と。思い切って白っぽい洒落箔帯にした。

 

この辺りは賛否両論が出そうだが、私自身は一番相性の良いチョイスだったと思っている。どんな時も自己肯定。私の中では大切な事。(笑)

 

さてさて・・・長くなった。この辺で。

あっ、そうそう・・・

ナンプレの上級編制覇できた。

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200問の最後のページ。

多分色々書き込んであるので皆さんは「きたなーい」と思われたはず。

いやいやこうやって一つづつやらないとできないのだ。

努力の跡と思ってくれ。

今は最終の難解ナンプレに突入。

これも200問ある。

 

 

以前散歩途中に見つけた。

 

 

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恒例の報恩講が近づいた。

今年もあっという間に過ぎていく…

 

 

12月の「いろは会」は次のように予定している。

 

      12月1日(土)1時半~3時頃

      「半襟を自分で付け替える」

 

作業なので動きやすい服装で。

勿論着物。

普段着の着物でお越しください。

和裁士さんのようにキチンと丁寧にしません。

手早く簡単に付け替える方法を教えます。

参加者は 襦袢、半襟、裁縫用具 を持参されたし。

この機会に刺繍襟や色半襟など自由にお持ちください。

 

ではでは・・・・またねん♪♪♪

 

 

やんちゃな中将

ブログがちょっと前後するが十月に「能面展」があった。

場所は金沢しいのき迎賓館で。

案内のパンフレットやポスターを撮るのを忘れてしまったので、友人たちにだしたハガキで代用させてもらう。

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このハガキの写真の能面は祐門会を主宰する後藤祐自先生の「喝食」

さて会場はこんな感じ。

 

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四十数点展示された。

私のはこれ・・・

 

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このブログで出来上がりを以前お見せした「十六」の面。

仕事や琵琶の合間にコツコツ作っていた一年間の自分ながらの成果。

能面展の前にブログでアップしたかったのだが、何とも慌ただしく過ごしていて失念。この最終日が受付当番日で最後夜に撤収した。

しかしその次の早朝、京都へと移動したので違う意味でのアップアップの日々だった。

前後してご報告のみとなるのをご容赦を。

生徒さんは誰も見に来られなかった。

当たり前・・知らないものね。(笑)

来年はもっと早くお知らせするね。

 

 

さて・・・前回お見せした今取り組んでいる中将の面は

 

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確かここまでの段階をお見せしているはず。

今はこの胡粉での上塗りの後、彩色をしている。

 

そしてこの段階。

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アップで見るとちょっと汚くて頗るやんちゃ。

 

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勿論まだ完全ではない。

鼻の下の髭や顎髭がちょっと無神経な描き方になっているような気がする。

でこれからまだ少し手を入れる。

古く見えるようにもする。

11月中には出来るはず。

真正面からはその時に。

これにかかり始めたのが4月からだからほぼ半年余り。

去年は丸々一年かかったことを思えばすこーし慣れて来たか…・・・

ただキリリと端正でひな人形のような理想をイメージしていたのだが、何となくやんちゃで鎌倉武士のような「今、戦いから帰ってきた公家」の雰囲気となる。「忠度」っぽいか・・いやそれほど理知的でもなさそう。

もう少し手を入れて少し端正な雰囲気を出したい。

中々思うようにいかないが、思うようにいかないから面白いのだ‥と自分に言い聞かせている。かなり無理がある。(笑)

 

さて・・今・・というか・・最近・・というか、

実は「ナンプレ」にはまり切っている。

最初は朝日新聞の土曜日のパズルからだった。

あれは難解度が三段階で「★★★」と「★★★★」と「★★★★★」。

毎週土曜日が楽しみで朝の一時間を其れを解くのに使っていた。

中でもステージ5が何とも楽しい。何分で解けるか・・と。

やがてそれでは飽き足らず…ついに買ってきた。

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目標タイムで解き・・・一日5問・・夢中の日々。

そして今ではこれ・・・

 

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毎日1問に挑むがこれが中々難しいのだ。

ともすればワインやビールを片手に解けないから飲む・・飲む・・

色々考えながら更に飲む。

そして解けたら嬉しくて又飲む・・・飲む…

一応まだ完全読破してないのだけれど、次の為に・・・

酒代がかさむ。

ナンプレ制作者は実は酒屋の回し者だったら笑ってしまう。

 

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実に静かにひたすらに楽しんでいる。

 

そしてその合間に散歩。

雨が降っても、風があっても、多少風邪気味でも。

一日一万歩

仕事の合間、琵琶の練習の後、能面に疲れた時・・

そしてナンプレに疲れた後・・・・歩く。歩く。

スマホジーンズの後ろポケットに入れて歩く。

身体が資本、脚が資本。

業の様に歩く毎日。

 

そして昨日、散歩コースの途中の公民館の書架で見つけた本。

借りてきた。

 

宮部みゆき「ばんば憑き」角川書店

平成23年に公民館が購入したことになっていた。

しかし、私が開いた最初の人間のようだ。

真新しくページとページがくっついている。

こんな誰も読まない本に予算を使っているのか…

などとひとくさり、心の中で囁く。

せめて一人位読む人間がいなければ、本も浮かばれないではないか…

何て思いながら他の何冊の本とともに借りてきた。

貸出帳に記載しようとしたら、何と今年に入って私が初めての人らしい。

活字離れがここまで来ている…

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六篇の短編で構成されているのだが、中々どれも面白かった。

表紙の絵もいい・・昨日一気に読んだ。

 

「坊主の壺」

江戸期、町にコロリが大流行する。

材木問屋の田屋重蔵はコロリに一家全滅の生き残りの人たちや既にその病気に罹患しているかもしれない人たちを資材をなげうって小屋を建て町中に広まらないよう奉公人も使い面倒を見る。そんな中に父も母も兄も弟も全て失って連れて来られたおつぎという少女がいた。重蔵もおつぎもコロリにかかっている人たちを看病するがコロリにかかることはなかった。そんな折、ある古い掛け軸を重蔵は広げてみる。壺以外は誰にも何も見えないはずのその掛け軸におつぎはあるものを見て驚く。何と重蔵とおつぎだけしか見えない絵が描かれているのだ…

その絵を見ることのできるものにはある逃れられない宿命がある・・

短編の中で一番私には面白かった。

 

「お文の影」

子供たちが夕暮れ時に無邪気に遊ぶ。何人もの子供たちの影。

しかしある時政五郎は子供たちの人数と影の数があわないことに気が付く。

その一つ合わないおかっぱ頭の影が誰なのかを密かに調べ始める・・

これは面白いというより実に可哀想で胸が詰まった。

 

「博打眼」

この化け物の姿が奇想天外。

私の頭では鬼太郎の中の一反木綿に目が五十描かれているのを想像した。

でも多分それは違う。読解力のなさ。

しかもその退治の仕方もこれまた何とも奇想天外。

よくこんなことが思いつくなあ…と感心する。

しかも伏線として信心深い少女やこずるい大人たち。

信義に熱い人たちやひたすらに仕事に精出す女たちなどを背景に淡々とでもドキドキしながら進んでいく。果たして化け物退治無事成就できるのか・・

 

そのほか「討債鬼」とか「ばんば憑き」とか「野槌の墓」など。

脱日常で少し気持ちが変わる。

 

昔姑が年をとったら殺人とか残酷なものは読みたくない・・と言っていたことが何となくわかるような気がする。ミステリーや怪奇物はこのあたりが私には限度かも・・・

 

はてなブログに慣れようと色々試行錯誤して書いているのだが、商品紹介の場所が分からない。何処にあるのだろう…本の紹介がリンクできなかった。写真の大きさも上手く調整できなかったし。又に期待しよう。追々・・・・

 

 

 

 

 

 

 

久しぶりの京都~♪

何から書き出していいのか・・・

随分休んでいたので書くことが一杯。

でも端折って書くことにする。

 

仕事で行ったのだけれど仕事の合間に色々私用で回った。

能装束の復元を依頼された織元・渡文さんがが三装束制作されて織成館に展示されていたのでまずはそこに。

唐織・・・

 

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厚板・・・

 

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長絹・・・

 

 

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そこの館長さんと色々話しているうちに「かわしま織物」の「ル・コルビジェの大緞帳」の実物を見てきて素晴らしかったと聞き、翌日に是非行ってくると良いと熱心に勧められたのである。いゃあ・・一介の私なぞ相手してもらえるか、中に入れてもらえるかも不安ながら館長さんの計らいで見学に行けることとなった。そんな機会はもう二度とあるまい。迷わずにその日入っていた予定をキャンセルし朝一に早起きして鞍馬の山に。

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二時間以上の説明や解説、伝統工芸士の方とのやり取りなど充実した半日を時間も忘れて過ごさせていただいた。中は撮影禁止なのと、説明内容を色々ブログに書くのもはばかられ入り口の写真だけに今回はとどめておこう。教室の生徒さん方には追々話して上げられたら、と思う。

織物に興味のある方は宮尾登美子の「錦」をまず読まれると良い。

気に入らない緞帳に出来上がる前夜バッサリとハサミを入れたり、ミイラの鼻の穴から見つけた錦織の朽ち果てた断片から美しい錦を再現したりと錦織物に魅せられた織物師の感動の物語である。以前ブログで紹介しているはず。実に面白い本だった。何かに魅せられた人はこんなにも一途に突き進められるのかと感動する。期せずしてこんなところで緞帳の会社に見学に来れる栄誉に浴した自分は何てラッキーなんだろうと嬉しくもあった。担当者の物作りに対する熱い思いを感じながら、私もまだまだ一杯勉強しなければ・・と思いを新たにした。

  

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心底丁寧な説明を受けれたことに感謝し、暇乞いを告げる私に門の所で45度の角度で礼儀正しく長い間微動だにせずお辞儀をされる二人の方にこちらまで車の中で頭を下げ続けたのである。流石に超一流企業の方々は訓練され全てに破格の礼儀が要求されるのであろう‥こんな一介の何処の田舎のお婆とも知れぬ者にまでも・・と痛く感銘を受けて帰ってきた。

そして広大な敷地を抜けて・・

鞍馬街道をくねくねと降りる。かつて源氏の再興を清水寺にお百度祈願する義経が毎夜鞍馬を抜け出し遂には五条の橋で弁慶と主従の誓いをするその道を感慨深く楽しませていただいた。通常お化け坂とよばれるその鞍馬街道の坂道・・・平家が壇ノ浦で滅亡し、一時は入水するも生き永らえた建礼門院が辛うじて寂光院に身を寄せていたのを後白河院がお忍びで訪ねられた時に源氏の武将たちの目をのがれるために使った道でもある。この時にいた建礼門院のお付きの女官が身過ぎ世過ぎのために作ったのがあの「柴漬け」であるなどともっともらしく説明を受けたことは何年か前のブログ「寂光院」の時に書いたと思う。京都のあちこちには琵琶の題材となる所がわんさかあるのだ。「五條橋」も「寂光院」も謡う時はこの風景を思い浮かべながらとなるであろう。

そこからは昼食もそこそこ。午後の予約の時間が迫るので次の地に走りに走る。もっとも走ったのは私ではなく、車であるのだが。

 

遊郭と言えば江戸は吉原、大阪は新町、京都は島原。

今回は織成館の館長さんの勧めもあり「島原」の一軒に。

官命により六条三筋町にあった遊宴の花街が朱雀野に移されたのが1641年、

あまりに急な移転騒動が島原の乱に似ていることから「島原」と呼ばれるようになったとか。その島原の一軒の揚屋「角屋」(すみや)という文化美術館に。

 

揚屋」(あげや)というのはちょっと耳慣れない言葉であるが、今でいう高級料亭とでもいおうか。太夫や芸妓を抱えて派遣する所はいわば「置屋」と言われるところだが、この「揚屋」というのはお客様に料理を出す場所で場合によっては芸妓や太夫を呼び寄せお客の席に着かせることもできる場所でもある。

揚屋」は普通の料亭よりはるかに厳しい幾つかの条件が備わっていなければいけなかった。料理場は50~100畳なければいけないとか、本格的な茶室を揃えていなければいけないとか、又大きな庭園を備え各部屋からその景色が見えないといけないとか・・・。現在では京都の名勝となっている建物の古い部分は国の重要文化財にも指定されているし、ふすまや天井、所蔵美術品は数々・・長押の釘隠しも部屋によって源氏香であったりなどしてその部屋の襖絵とかに合わせていたりもする。天井は見えない所にまで贅と工夫が凝らされてい。壁や天井、柱など煤で黒くなっているのも如何にろうそくの明かりが数多く日夜ふんだんに使われていたのかもうかがわれる。兎に角見ごたえ十分な場所である。

 

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 話は違うがよく花魁道中などと言う言葉を聞く。「置屋」から「揚屋」に請われて花魁が八の字に歩くのがその時とのこととか。この道を男衆や禿に伴われて豪華絢爛な姿で歩いて渡ったのだろう。窓には全て格子戸がかかっているのも頷けるではないか。

 

 

私はといえば、今でもこの場所に残る新選組の刀傷を見ておきたかった。

とはいえ、古い建物で多くの見学者が公開されたこの時期だけに訪問することを考え、見学の邪魔にならないように…また、建物の美観を損なわないように・・今回はひっそりとこのいでたち。

 

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黒と茶の毛万筋の江戸小紋

帯は黒の絽刺しの箔帯を考えていたのだが、余りにも黒っぽくなりこの日の朝、急遽この帯でちょっぴり気持ち遊んでみた。帯締めは帯の色を壊さないように黄色と薄い紫の変わり平組。三泊四日、着物で過ごすので草履は歩きやすいものをチョイス。台に真綿をうっすらと引いて長時間の歩きにも対応できるものにした。

着物好きな方には日帰りの旅ばかりでなく、宿泊の時にも是非着物を楽しんでいただきたい。どんな着物で観光するのか、目的を考えて着物を選んでいただければ楽しいと思う。自分の着たいものだけを考えずに、そこで文化財を一緒に見る方々にも不快感を持たれないような配慮を持つようにしたいと思う。中々この年になっても難しいのだが、考えながら選択するという作業も又勉強ではないだろうか。

 

ちなみに紅葉の美しい小さなお庭を持つ泉涌寺という皇室ゆかりのお寺に寄ることがあった日にはこの着物と帯にした。

 

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無地のベージュ地に見えるが白地に薄いグリーンの角通しの江戸小紋に箔の袋帯

小さなお庭での紅葉の鑑賞をされている方々の邪魔をしないようにとチョイス。

ただ少し自分も楽しみたかったので白っぽい帯締めは辞めて濃いグリーンの帯締めを。

色んな楽しみ方があるのだけれど若い方は若いなりに華やかさも楽しめるようにすればよいだろうし、年配者は地味ながらもそれを楽しめる知識や経験があるはず。

折角なのでもう一つ。

これは京都の行き帰りの日に私が着た着物と帯。

 

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着物はお召の訪問着柄。20年以上も前のお気に入りのもの。

帯は絽刺しの箔帯。

お召は移動する時にも裾さばきが良いことと、皺になりにくいし、型崩れもしにくい。普通は電車や車に長時間座っているとどうしても膝やお尻のあたりがボンと飛び出していく。特に絞りの着物は型崩れしやすく旅行にはちょっと不向き。パーティなどでは豪華で華やかではあるのだが、使い方には向き不向きがある。私は電車に長く乗っていたり、車に長時間乗らないといけない時などはできるだけお召をチョイスするようにしている。紬のようなモッサリ感もなく、光沢もあり、場所も効く。電車から降りてすぐ気の張る方に逢いに行く時などはもってこいである。着物の色や柄だけでなく素材も又、その目的やその時の置かれた状況に合うように大いなる選択の幅がある事も知ってもらいたい。

私は自分の好みで色々選択しているのだが、皆さんは皆さんで色々楽しんでもらえたらよい。どうか色々な着物の旅を皆さんも楽しんで工夫していただきたいなあ、と思う。

それが楽しんでできるようになればきっと着物は洋服以上の必須アイテムになるはず。

 

 

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初代新選組組長の芹沢鴨が暗殺されるときに剣術に素晴らしく秀でていた芹沢鴨をこの「角屋」の二階・・たしか螺鈿の間でしこたま酔わせ壬生の屯所に連れて行き暗殺したと聞いている。

邸の其処彼処に残る歴史の一部をこの目で見て、琵琶の謡う時にイメージしたかったのである。二階の全ての部屋は見られるのだが、古い部分でもあり、全て撮影禁止のため、撮影を許された一階部分だけお見せしたい。

 

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三泊四日でほとんど仕事に関しての行程だったが最後の日はお蔭で楽しませていただいた。織成館の館長さんには本当に感謝感謝である。

本当にいつもお世話になりありがとうございます。

 

いつか生徒さんとも色んな場所に勉強に出かけられたらうれしいねっ。

ではでは・・・今回はこの辺で。またねっ♪

消えた?!

分からないまま色々試しに触っていたら…ダイアリーが消えた!!

いや、消えたのではなく飛ばして強制的にはてなブログに飛んでくるようだ。

これが「リダイレクト」というやつか。

 

おっ!!!

と、いうことは和装組曲のHPからリンクしているダイアリーをアドレスを変えなくてもこちらに来る…ということか。さすれば膨大にかかるアドレス変更を私は入力しなおさなくてもいい、と言う事かも。ちょっと嬉しい♪

 

いやいや待て、待て!!!

何時までこの強制的な飛ばし作業をしてくれるかは分からないではないか。

今は良くてもダイアリーが消滅してその後忘れたころに、「パッ」と消えるやもしれぬ。ぬか喜びは危ない。もう少し調べて見なくては…

でも・・・もしそうだったらどんなにかバラ色。

膨大な時間を無駄にしなくてもよい。

 

ところで、「中将」の能面の下塗り完了。

これからは上塗りに入る。

今年中に完成できそう・・・

 

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てんこ盛り〜♪

暑い中を慌ただしく過ごしていた。
特にこの一週間はめまぐるしかった。

端折りながら少しずつ書いてみる。


  ●「いろは会」テーマは「秋の気配」


前回の時は大雨の土砂災害で関西地方から参加する方が急遽欠席。
今回その方が再度の挑戦。しかしながら台風20号の影響でサンダーバートのみならず山陽新幹線まで運休となった。
何とか前日復旧し金沢に来られたことに流石に「ホッ〜!!!」



何とかいろは会を開けたことは有難い。
京都からの参加者は九月・・・と言う事だったのでそれはそれで又楽しみである。

まずはこの方・・帯を白ではなく茶色を選ばれたのと、模様がどことなく秋風のようにも感じられる。この方は「秋」ではなく、あくまで「気配」という言葉に拘られたようだ。



次の方は帯に強烈なレモンイエローを持ってきた。
何処か夏の太陽のような明るさや、向日葵をイメージ。
でも着物は何処となしに秋の色を感じさせる涼し気なサマーウール。
大胆だがワクワクするような楽しい組み合わせ。
黄色と言う色はとても若さを印象付けてくれそうだ。



濃い紫色は透け感が強いのだが、まだまだ残暑が強いので目に涼感。
ざっくりとした組帯を合わせて落ち着いた雰囲気。




しかし今回何といってもこの方がダントツ私の目を引いた。
・・爽やかで美しいチョイス・・・





絽の秋草のひっそりとした小紋に帯、アップで取らせていただいた。


写真ではちょっと分かり辛いのだが草の上にコオロギらしき虫の姿
お母さんのタンスから拝借とのこと。一見地味な色合いや柄でも季節の移ろいを表すにはとてもナイスな選択かと思う。


嫌味のない爽やかな趣である。
前回の浴衣「天城越え」から一転、同じ人とは思えぬ清涼感。


さてさて・・・その後は各自銀座結びに挑戦してもらった。




お一人だけ私がトロトロ話していたために写真を取り損ねてしまった。
帯の張りや、柄、雰囲気、着物との相性などもあり、銀座結びがしっくりきたり、こなかったり・・・各自の今後の課題になりそう。。。

私はグレー地の薄の柄の変わり絽の着物に、透け感の有る墨色の帯をしたのだが、話すことに夢中になり自分の着物姿を撮るのを失念。あしからず。次のとき必ず・・・



  ● 琵琶「祇園精舎

いろは会の翌日は夏休み中の子供たちに琵琶の音色を利かせてあげたいと企画された方からの依頼。
ピアノや声楽の発表会で祇園精舎を弾いてきた。
何せ、三分半程度の演奏なのでどの程度分かってもらえるか・・
いやいや分かってもらえなくても大人になった時にこの時の記憶がちょっとでもあるとそれはそれでいいかな、という気持ちだった。
午前中から出かけリハーサル、最後の方に演奏なので帰ってきたのが夜だった。
演奏時間のわりに何だか物凄く疲れた日だった。
やはり慣れないことをするものではないかもしれない。
ただ何人かの方に
「もっとキチンと聞いてみたい」
と言われたのは物凄く嬉しかった、少しは琵琶に貢献できたかな・・



  ● 鹿島神社「鳴和の滝」

話に登ったのが一年半前。
やっと実現。


能「安宅」や歌舞伎「勧進帳」で有名な弁慶と富樫氏とのやり取りで何とか安宅関を抜け出た義経一行の話はどなたもご存知だと思う。
その後義経、弁慶一行は金沢の大野湊神社で一息つくのである。弁慶だけは白山市に当時あった富樫氏の館に出向き、義経だと分かっていたのに関所を通してくれた富樫氏に礼を言いに行く。そして「一夜の宮」と現在でも残っている大野湊神社で義経一行は一晩過ごすのである。次の日一行は連れ立って金沢鳴和の神社で休憩する。その時富樫氏が馬を走らせ義経一行に追いつくのである。一緒に酒を酌み交わしたとか、鳴和の滝の水を酌み交わしたとか色々説はあるようである。現在ではか細く流れ落ちる水であるのだが、当時はきっと勢いよく流れていたに違いない。この場所で現在でも滝に打たれに来る方もいるようであると地元の方々から聞く。


今回、この鹿島神社のお祭りの日に合わせて琵琶の演奏となった。
演奏くださったのが、この日東京から駆けつけてくださった錦心流全国一水会会長と四人のお弟子さん方。
勧進帳」を高らかに謡って頂いたのだが、ほかには「西郷隆盛」や金沢支部長による「五條橋」など。


迫力ある歌声に会場はしーんと水を打ったように静まり返る。
多分氏子の皆さんは琵琶など聞かれた事など今まであまりないのに違いない。
感動と感謝の言葉を背に次の宴会場へと走る。(笑)
私はと言えば、この性格・・・
そりゃあ、静かに控えめに、黒子のように・・・くノ一忍者のように・・・陰で動いておりました。(嘘)


  ● 能面「中将」の進み具合


何とはなしに進んできたので今は口を鋸で開け、唇と歯を六本作った。
今は鼻に穴をあけて裏まで関通。今その穴の形を整えているところ。



  ● 最近読んだ本

    安房列車(内田百輭) 六十代から頭を鍛える法(高島徹治) 

    尾形光琳(仲町啓子) JAKUCHU若冲(狩野博幸)  不運と思うな(伊集院静) 

    本が好き、悪口言うのはもっと好き(高島俊男) 

    ベテルの家の「非」援助論(浦河べてる)

    


    ブログ友や友人が面白かったよ・・とくださったメールに従いやみくもに読んだ気がする。
    かなり難しい内容から、高尚な文体もあり。ちと私には難しいかな、と言うものもあり。
    私の卑しい人格が現れるようなものから、邪まな心の片鱗が覗くような選択も有る。

    でもダントツ一番面白かったのは

     人間、やっぱり情でんなぁ(竹本住大夫)
     
     


     自分が今まであやふやに思っていたこと
    、釈然としなかったこと、
     言葉に出せないけどぼんやり認識していたこと、

     そんなことが霧が晴れていくように胃の腑にストンと落ちていくような気がした。
     「聞いている人が上手に聞こえるような謡い方はするな」とか
     「口から声を出すな、眉間から出せ」とか、
     「五年、十年でできなくていい。五十年後に出来ればいい」とか、

     いゃあ・・・ぼんやりと、霧がかかったような思いが、なんだかすっきりとしていくような気がする言葉に満ち満ちていた。
     芸のために、どん底に落ちるのも決して悪い事ではない・・とまで言い切る文章に満ち溢れていて実に気持ちが良い。ちなみに浄瑠璃文楽義太夫の違いなども分かる。
     浄瑠璃と言う言葉は義経と深い関わりがある事なども「目から鱗」。義経と契りを交わした浄瑠璃姫の哀れな最後を「浄瑠璃12の段」として語られたのがその始まりとか。
     「静御前」や「浄瑠璃姫」、そして「蕨姫」、と義経は一体どれだけ周りに浮名を流した女性がいたのか。(ん、とにもう・・ですね)
     ちなみに「蕨姫」は平時忠の娘である。時忠の姉が清盛の妻時子である。蕨姫は義経の妻でもある。その為かどうかは分からないのだが、清盛の近しい親族でありながら命を助けられ能登に流された時忠は無事に生涯を終えている。その流れをくむ時国の屋敷は「時国家」として今でも国の重要文化財として知られている。「鳴和の滝」のあと「倶利伽羅峠」を通り義経一行は能登に逃れ「時国家」で過ごしやがては「珠洲の舟隠し」から舟に乗り東北を目指したと言われている伝説が残っているのはそういう経緯もあるのである。

     この本は私の今年のベスト1かもしれない。



   ● さてさて・・これからのいろは会のご案内

     9月29日(土) テーマ「秋の模様」
     10月6日(土) テーマ「菊」 
     10月27日(土) テーマ「紅葉」

     各自思い思いのいでたちでいらして下さい。
     「何を着ていこうか」と頭を悩ますのもこれ一つの楽しみ
     ・・・ではでは・・・またねん。    
          

   

     

     


  

琵琶と能面・・・近況〜諸々♪

忙しさと暑さに追われあたふたとしている間に早やお盆の時期。

皆さんからは熱中症?と心配頂いたり、元気になるようにと色々気を使って頂き謝謝。
私は程々、そこそこ元気です。
本当にありがとうございます。

で、久しぶりに更新。

現在琵琶は「壇ノ浦」に挑戦。
平家と源氏の戦いは「一の谷の戦い」「屋島の戦い」と続き最後は「壇ノ浦の戦い」。
来年の4月の演奏会には是非この曲を弾こうと思っている。
今年は8月末には「祇園精舎」、9月は「横笛」を演奏予定。まだ未定だが、ひょっとしたら「敦盛」も有るかもしれない。
そういう訳で今はこの四曲を抱えて過ごしている。


さてさて、能面は「中将」の面。
中将はひな人形のように美しく高貴な雰囲気をたたえている面。
眉間の皺が八の字に刻まれていかにも平家の公達の柔らかで少し苦渋を感じさせる面差しである。
この中将の面を用いるのは在原業平の亡霊とか、修羅道に落ちた平家の公達(清経とか、忠度とか、通盛とか)
元々は光源氏のモデル源融にぴったりと嵌るととも。


以前アップしたのは確かこのあたりまで。
今はここまで。




先はまだまだ長い。
もっとも私自身は少しも急いではいない。
のんびり楽しんでいこう…。
次回は口に鋸を入れようと思っている。
その次は鼻の孔、そして緊張の目となる。
段々佳境に入っていく…あくまで予定。



さて、もう一つはボイトレ。



今練習しているのは「波浮の港」(はぶのみなと)、もう一つが「平城山」(ならやま)



中でも「平城山」の歌詞が物凄く美しく格調がある。


            平城山
               作詞 北見志保子
               作曲 平井康三郎

 1 人恋ふは悲しきものと
   平城山(ならやま)に
   もとほり来つつ
   たえ難(がた)かりき

 2 古(いにし)へも夫(つま)に恋ひつつ
   越へしとふ
   平城山の路に
   涙おとしぬ 


       


歌う段にはまだまだ自分の力不足は当然であるのだが、高い音が何とか辛うじて出せると物凄く気持ちが良い。
ボイトレの先生からはこの歌を舞台で歌わないかと以前言われたのだが、いやいや・・・とてもそんな・・
8月末なので色んなイベントと重なり私的にはとても時間的にも精神的にも無理。
でも来年は、いや再来年かも・・いつかこの曲を歌ってみたいなあ・・と思うので無茶苦茶無謀ではあるのだが挑戦させて頂こうと思う。
いつかそのご報告もさせて頂ければ嬉しい。
因みに今年はその日の舞台で琵琶で「祇園精舎」を弾き語り予定。
どうなりますか・・・



最後になりましたが、本来の仕事に関して。
暑い時期なのでしばらくお休みを頂きました。
「どうしても、今習わないと困る」という方以外は9月からと案内をさせて頂いていましたが、急ぐ方はお盆明けからお受けしています。
ご不便をおかけしました。来週13日からお受けいたしますのでどうぞ予約を入れてください。

8月25日のいろは会もそろそろ近づいてきました。
参加の方は簡単角だし太鼓である「銀座結び」を実技で指導しますので腰紐を一本ご用意ください。
ではでは・・・その時にお会いしましょうね。