秋の七草・・・萩と尾花で案外時間をかけてしまったのでチョイと駆け足。
【葛】
私は小さい時から蔓性の植物がどうも好きになれなかった。
本体はなよなよしていて自分でシャキッとたてないくせに、しゃきっと立っているものに絡みついて背を伸ばしていく・・・そんなイメージを持っていた。
だから蔓性の物は花瓶に生けようとも思わなかった。
不思議なものだ・・・年とともにそれはそれで悪くはない・・と思うようになった。
多分その一番最初に、心でその存在を認可したのがこの葛。
酒井抱一の秋草文様のあの有名な二双の屏風にしっかりと描かれている。
葛は非常に生命力強い。
根 葛粉として食用 または葛根湯として
蔓 籠や行李として また葛布として
とくに葛の蔓は強靭で強いことで知られている。
葛の葉や花を見たことのない人・・・ユキワリソウさんのブログでご覧下され。
なにせ600坪の空き地に一面葛の花。
葉も花も綺麗に写真に撮られている。
【撫子】
流石にこれは見たことのない人はいないはず。
今年はなでしこジャパンが大活躍したが、本来は小さくて可憐な花。(笑)
けっしてたくましい花ではない。
つつましく清楚で可憐なイメージ。可愛い愛児になぞらえて「撫子」のこの漢字。
襲色目は 表は紅 裏は薄紫
【女郎花】
別名「思い草」、花は黄色で茎や根に腐敗臭。
だから七草の中でも、茶花としてはあまり好まれなかったようである。
襲色目は 表 縦は青 緯は黄 裏が青
源氏物語に案外登場する色。
【藤袴】
襲色目は 表も裏も紫
【朝貌】
最後・・・山上憶良が謡った「朝貌」(あさがお)の花。
今でいう桔梗ではないか・・・と言われている。
なにせ今でいう「アサガオ」が日本に入ってきたのは平安時代とか。
それも薬用として・・・。一般に栽培されるようになったのは江戸時代といわれ、万葉の時代には無理。
一説には「槿」(むくげ)とも言われている。
一応今では「桔梗」として七草が数えられる。
で・・・【桔梗】として
秋の七草の中で萩とともに良く用いられるのが桔梗。
濃い紫の色がすっきりとしていて日本人の感性にぴったりだったに違いない。
襲色目は 表は二藍 裏は青
二藍というのは二色の染料で染められた・・つまり藍と紅でめられたという意味。
赤味のある藍色・・という感じ。
自分の好きな「ススキ」のところではしっかり楽しんで書いているのに、
他の七草はその他大勢さん〜。
ごめんなされ。
好き嫌いと言うのはいかんともし方のないこと。
最後にせめて「むくげ」の写真でもお見せします。
「朝顔」と「桔梗」はあんまり似ているとは思わないが「むくげ」は見ようによっては似ていなくもない。