「近江八景〜☆」
昨日のブログで婚礼衣装展を見に行ったことを書いた。
そこで見た衣裳の一つに近江八景を描いた打ち掛けを見た。
黒地の振袖に白一色で近江八景を書いてあった。
で・・今日はその近江八景のこと。
琵琶湖の南部にある八勝景。中国の瀟湘(しょうしょう)八景に擬して定められたもの。
着物に風景画として用いられるとか。
しかし、実際着物の模様として描かれているのを見たのは先日初めて。
場所を確認すると・・・・
A:比良の暮雪 B:堅田の落雁 C:唐崎の夜雨
D:三井の晩鐘 E:粟津の晴嵐 F:石山の秋月
G:瀬田の夕照 H:矢橋(やばせ)の帰帆
どの地名も素晴らしい雰囲気の名前が付いていてあたかも老舗旅館の離れ座敷のような格調ある命名である。
打ち掛けは黒地に白で八景色を書いてあるらしいのだが全部は分からなかった。
明らかに判るものは、
たとえば「比良の暮雪」「堅田の落雁」「三井の晩鐘」「矢橋の帰帆」「石山の秋月」。
皆はっきりとした特徴があるので。
後の物は「多分・・・」「・・・かも・・かなあ」「残るのは・・」
というあやふやな感じにしか分からなかった。
多分琵琶湖周辺の方や、近江八景に詳しい方なら多分チャッチャッチャ〜とわかるのだろうが。私が実際に見たことのあるのは三井の晩鐘だけ。
それはさておき・・
大胆な構図でもなく、金銀やカラフルな色糸の刺繍もなく、ひっそりとそして繊細なタッチで八景を打ち掛けとしてはものすごく小さく書いてあった。こんなある意味地味で控えめな打ち掛けを作ったのはどんな方だろう。どんな人が着たのだろう。
およそお嫁入り用とは見えない。解説は全くない。
年配になってからの嫁入りか?
二度目なのかも?
いやいや、単に近江八景が好きなだけか?
色々想像たくましくしていたが所詮想像の域。
実は解説が欲しかったのはこの部分。知っている方に聞きたかった。
小袖だとこんな柄、七十歳でも着ないかも。
とっても珍しい打ち掛けで私は他のどれよりも興味があった。
帰ってから復習を兼ねて「近江八景」を調べてみた。
これも一週間もしないうちに霧の彼方へといくのだろうが・・・