和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

第一回 ゆめみ会

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今年初めての「ゆめみ会」

今年のゆめみ会は全員三級合格を目指している。

「私一人落ちたらどうしよう・・・」

という心配性な方がいらっしゃる。

心配ご無用。

私の生徒さんで三級落ちた方はいない。

それを言うと更に心配になるようだ。

「私が落ちるその第一号かも・・・」

と。心配性な方は一生懸命勉強すればよい。

其れしかない。

それなのに落ちたらそれはこの私、雲龍柳のせい。

それ以外にはない。自分を責める必要はない。

 

そんなことより、私には三級程度で満足するような講座にしたくない。

ゆくゆくは二級を難なく合格できる底力を付けておいてあげたい。

そのための一年間である。

しかもその先には一級が待ち受けている。

一級ともなれば一回での合格はかなり難しい。

だからこそ、今からその基礎をしっかりと付けてあげたい。

かといって難しい事ばかりでは最初から嫌にもなる。

難しい事と、楽しむ事と、出来れは少しの感動も散りばめたい。

そのためには、皆さんより私の方こそ頑張らないといけない。

 

さて、第一回目は反物から着物をどう作っていくか…という話。

実際に反物を切って体験してもらえないので障子紙で仮想体験。

 

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障子紙に片側にのみ模様を付けてもらった。

しかも上下のある模様。

これはその模様が着物に仕立てるとどうなるか、どう模様が配置されるかを知ってもらうため。上前を柄を綺麗に出せても後ろは逆の模様になる。だからどうするか・・そんなことも知ってもらいたい。

 

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訪問着と付け下げがどういう模様配置になるのかとか、無地と小紋柄がどう裁断によって柄が配置されるのかとか、衽と襟が同じ柄が出せないわけとか、そんなことを体験してもらった。

 

以前「浴衣を自分で縫う」イベントに参加されて着物の縫製を体験されているこの方に講師を少しお願いした。

 

 

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本当は全部一度講義してもらおうと思っていたのだが、なにせ時間制限がある。指導することを専門的に定義立てて教えている養成コースの方ではない。あれもこれも一度に時間内にやりたいと思っていたので私自身が少し端折って解説することが多くてこの方の腕の見せ所がなかった。折角色々勉強していらしたであろうに・・・すんませぬ。その勉強も長い目で見れば決して無駄ではないはず。

自分の頭の中で反物を見て「こういう風に仕立てあがる」と勝手に考えていてもその通りには中々いかない色んな制約を体験できたと思う。

 

短い時間制約の中、皆さん一生懸命に聞いてくださりありがとう。非常にレベルの高い方々ばかりなのできっと何かのヒントになることがあったのではないかと思う。

学生の時の様に一方的に教えてもらう受け身の勉強態勢ではなく、これからは一人一人が習ったことを自分の中でどう生かしていくか、どう着物の知識として組み立てていくか、は一人一人のやり方でどういう風にもなる。着物の知識として濃く深く・・・役立てていってもらいたい。うかうかと無為にすごしていれば「深く」ではなくて「不覚」な時間を送ることになりかねない。。。。。(笑)

 

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さて、次回は少し楽しんでもらおう。

 

2月23日(土)午後1時半・・

 

「着物の各部の名称と、着物の部位を使った諺」をやろうと思う。

これはちょっとした息抜き。時間のある方は自分で色々調べても面白い領域。

特に頑張る必要はない。

楽しんでもらおう、こんな時もないと。

であるからして、着物のコーディネートのテーマを決めよう。

「春の訪れ」としよう。

 

又今後の予定としては

3月16日「聞香会」を予定している。

詳しい事は次回に話すつもり。一応参加したい方は日にちを空けておくこと。

「聞香会」の内容としては「源氏香」を考えている。何故「源氏香」の文様があのように決められているのかなどが分かり感動するのではないかと思う。ゆめみ会の皆さんだけでなく二級、一級受験される方は是非参加されることをお勧め。

 

ではでは・・・・今回はこの辺で。

 

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 休むのも次の羽ばたきの為の準備さぁ~・・・♪♪♪

 

 

 

 

 

 

きもの文化検定一級対策講座開講

 

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以前のブログ「不治なるもの」を覚えていらっしゃるだろうか・・・

 

      

umryuyanagi104.hatenablog.com

 

県外の方できもの検定対策講座を和装組曲に習いに来たいと希望された方を私が断った内容である。その方から久しぶりにメールを貰った。

 

    >  死ぬ気で臨んだ一年だったが結果は又も準一級。

    しかも前回と比べて一点しか上がっていなかった。

    もう辞めようかな・・と思う。この辺が自分の限界。

 

というそんな内容だった。

そうか・・・まだ一級はクリアーはできていないんだ‥と思った。

電話してその辺の事情などを聴いてみた。

仕事がある。家庭もある。子供もいる。

当然優先順位が自分のことは最後となる。

一生懸命出来る時も有れば全く手つかずの日もある。

それでも出来る精一杯の事をやった一年だったに違いない。

それなのに一点しか増えていなかった。

力が抜けたのだろう。少し涙声にも聞こえた。

何といっても決めるのは本人である。

本人が力尽きたなら傍が何を言う必要がある。

辞めるなら辞めればいい。

自分で決断したのだ。

その方の生き方でもある。

私は何も言わなかった。

その日はそれで終わった。

 

しかし・・・夜寝ていて気になった。

寝返りを何度もうった。

彼女の気持ちが何処にあるのか考えてもみた。

きっと彼女は助けてほしいのかもしれない。

きっと勉強の仕方が悪いのかもしれない。

愚直なまでに素直に律儀に一生懸命丸暗記して格闘してきたにちがいない。

 

で・・・

次の日電話した。

「勉強のやり方が悪いのではない?」と。

「分かっているのです。でもどうやったらよいか分からない・・」と。

 

私の腹は決まった。

金沢まで通う?

一緒に最初からやってみる?

一月に一度位しか見てあげられないけどやってみる?

勉強の切り口を変えてみようよ。

自分で自分の限界を決めるのはやめようよ。

続けることが大事、と。

続けないと分からないことがあるし、案外そのことの方が大事。

 

「通います」という。

冷徹になり切れない自分がいる。

でも何とか力になって合格の嬉しさを味わわせたい自分もいる。

辞めるのはいつでもできる。

今辞めたら二度と挑戦はできないだろう。

 

やるか・・・やるしかないだろう。

自分も後悔したくなかった。

精一杯のことをしてあげたいと思うから。

 

県外のしかもよその着付け教室で学んだ方をみるなら、まずは自分の教室の方もみなければ片手落ちになる。で、一応一級を受ける資格のある二級保持者の方で現在も教室に出入りする方のみに連絡する。「一緒にしたい方おいで」と。無理にとはいわない。

 

明日から三人の方の一級受験対策講座を開講する。

三人の方以上に私の方が必死である。

一人の方の一級合格、二人の方の準一級合格・・・・それが目標。

 

更に二級を受ける方一人、

そして三級受験の方今のところ六人・・・・ひょっとしたら七人かも。(笑)

いよいよ始まる。

 

十一人の皆さん全員の顔に笑顔を開かせるよう雲龍柳の一年の決心。

 

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琵琶教室も始まる。

 

 

     思う事思うがままに成し遂げて

            思うままなる人生を行け

 

 

はい、言われなくても行きますとも。

頑張るしかない。

忙しい一年が始まった~♪♪♪

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・♪♪♪・・・・・・

 

ところで先日「いろは会」の新年会が開催された。

皆さん素晴らしいコーディネートをされて参加。

着方も文句なしの美しい装い。

「お~っ!!!」

格調のある着姿に思わず声が漏れる。

一年かそこらでよくここまで頑張った。

凄い方々である。中々いないのが現状。

二月からは新規の方も増えて、今度は七人の「ゆめみ会」となる。

会場となった老舗料亭の女将からも称賛の声を頂いた。

「こんな着付け教室が金沢にあったんですね。」と。

「いゃあ~物凄く勉強させていただきました。感動しました。」と。

 

私の方こそありがとうございます。

山本一力氏の「かんじき飛脚」を読んでから、どうしてもこの老舗料亭で一度は会食したかった。長い歴史を持つこの老舗料亭でのひと時が、どれほどの感動を与えてくださったか。歴史の積み重ねは何とも貴重である。皆さんと、教室では決して体験できない貴重な時間を共有できた事をここに感謝いたします。

 

 

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お食事をするまでの待合の間で

 

 

 

 

 

行不由楽(行くに楽を由とせず)

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今日の我が職場の玄関。

 

 

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壁の「小面」は我が作品。

右手の階段を昇れば着付け教室「和装組曲」である。

 

 

 

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左手の暖簾をくぐれば・・・こんな空間。

 

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小さなお気に入りのミニギャラリー・・

 

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山岸大成氏の香炉とぐい飲み・・

ここは着付け教室とは別に自分の気に入ったもので飾られた部屋

焚く香はいつも沈香、この重い香りが何とも心地よい。

 

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障子戸を開ければ一番好きな竹が見える・・・

 

 

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タペストリーとして飾るのはこのブログで知り合った方々が下さった唐織の帯

いつも大事にしている。

 

 

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そう・・ここは私のとっておきの場所

 

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琵琶を弾く場所。

 

 

 

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そして・・

今年からこの場所で琵琶教室を始める。

 

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習い始めた時はまさかこんな日がこんなに早く来るとは思いもしなかった。

去年「教師免許の試験に挑戦しなさい」と師から言われた時も何度か落ちることを密かに覚悟していた私である。

歌法も弾法もまだまだ未熟でとても一度でクリアーできるなんておこがましいと思ったのであるが何事も挑戦・・・落ちたら落ちたでそこからきっと次の課題が見えてくるに違いないと思った。落ちることを恐れて辞退するのはもっと卑怯であろうとも。自分の足りないものとキチンと向き合おう・・と。

去年12月、免状を受け取り感無量。

「あ、あ・・・何て私は果報者~♪」

 

私の琵琶の教師としての新しいページが始まる。

ブログの皆さん、和装組曲の皆さん、

もし琵琶に少しでも興味があれば覗いてみてください。

何かを習う時、それが楽(らく)と理由で選ぶ方もいるかもしれない。

でも、本当にそうだろうか。

険しく辛く時にはくじけそうになってもそれを乗り越えた時の喜びはきっと「楽しい」はず。「嬉しい」はず。とてつもない喜びはそんなところから生まれるのではないだろうか。岩あり、壁あり、茨あり・・平坦な道よりやり遂げ成し遂げた喜びはとてつもなく大きいのだ。

 

「楽」と言う字と「楽しい」と言う字は同じ字を書く。しかし中身は物凄く違うと思うのだ。「楽」ではないけれどとても「楽しい」世界・・・一緒にやってみませんか?

 

今、和装組曲のHPを少し手を入れている。一月中には何とかお見せできると思うのだが、ブログではちょっと早くご披露した次第。

 

きもの文化検定一級合格と・・・

錦心流琵琶教師免許合格と・・・

この二つのタイトルはずっと心に待ち望んだ私の長年の夢だった。

このブログを始めた時からこれらに悪戦苦闘、七転八倒していた様が恥ずかしながら一杯。一杯ではあるが、それはそれで実に楽しい思い出でもある。(笑)

 

着物と琵琶、今年は更に更に頑張るのだ。

ステージを上げるために更に更に精進するのだ。

なにせ人生百年時代。

自分を錬磨する一つの方法・・それが

今からスタートだと思うと更に愉快ではないか。

年寄りでも何でもやってやれないことはないのだ、と。

 

 

神社で今年ひいたおみくじ・・

 

     思う事思うままに成し遂げて

           思うままなる人生を行け!!

 

はい、神様にもお許しいただいたのだ。

 

   ・・・・・・一直に・・行くぞこの道、まっしぐら・・・・♪

 

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天地の目

能面「中将」が仕上がった。

で次の面・・・「若女」(わかおんな)・・・

今度は女面である。

能では「井筒」「杜若」「花筐」などに使用されるとか。

暇暇にどんな能舞台なのかを見に行ってこなければ。

 

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女面というと皆さんはすぐに「小面」を思い浮かべるに違いない。

「小面」と言うのは女性でも比較的若くて微かに少女の面影を浮かべ可愛いくてどこか大らかと言われる面である。また「小面」と同じように女性の面としては「増」(ぞう)という面が有名である。「増女」ともいう。これは室町初期の面の作者「増阿弥」によって作り出されたことによる名の由来である。美人ではあるが少し年齢も行き、抑制のきいたキリリとした表情と引き締まった面立ちの面で神性を帯びた雰囲気から女神、天女などに使われる。「小面」と「増」の中間に位置するのが「若女」の面である。小面の可憐なかわいらしさと、増の少し厳しくもある品位や理性を感じさせる中間・・・の「若女」

その他に若い女性の面としては「孫次郎」もある。これは室町時代金剛家の先祖である金剛家の能楽師が亡き妻を忍んで作った女面で、この能楽師が後に名を変えて孫次郎と名乗ったことから彼の作った面が「孫次郎」と呼ばれるようになったのである。

 

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各流派では大事にする女面が分かれている。

例えば金剛流では「孫次郎」を大切にし、金春・喜多流では「小面」、宝生流では「増」、更に観世流は「若女」を。各流派の大切な能の演目には女面なら何でも・・と言う訳でなく各流派ともここぞという時に大切にしている面を使う。もっともこれは今では有名でどんな書物にもでている。

 

さて、今日のタイトル「天地の目」・・・

「天地」と言うのはいわば「上と下」の意味。

能面は片方の目が上を見ていて、片方の目が下を向いているように作られている。これを「天地の目」というらしい。なにせ全て書物の受け売り。(笑)

目が実際の角度より少し上を向いている、又は少し下を向いている、両の眼がこのように実に工夫されているので得も言われぬ表情となる。

大抵は能面の左目が上を、右目が下をかすかにではあるが向いているというのが通説。

当然私が今度課題とする「若女」もそうである。普通なら・・・

しかし、「若女」でも江戸時代中期の洞水作の若女は少し異色である。

天地の目が逆転しているのである。つまり右目がかすかに上を向き、左目がかすかに下を向くのである。能面師・洞水が勝手にそういう工夫をしたのか、はたまた能楽師の希望でそのような面にしたのかははっきりしていない。

実際は作る時にどの様にその向く角度を調整するかと言うとそれは各自の工夫しかない。目の穴の開け方、角度、彩色、そして眼球が上瞼と下瞼にどのような雰囲気でふくらみを持たせているか…等々。当然工夫しながらの次の半年となる。

面白いでしょ?

こんなことを考えながら・・・考えても実際生かせるかどうかは全く別問題、何せノコギリもノミも金づちも実に危なっかしい手つきで作業しているのだからして…・・・半年も一年もかかるわけだ。

 

 

そんなこんなで私が来年挑戦するのは洞水作・若女・・・

さてどうなりますか…頑張ります。

 

 

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ここ何日か急に寒く、皆さん体調不良が続きませんか。

どうか風邪など召されませぬように。

 

最後に先日の「半襟付け」の教室風景。

皆さん必死。

 

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でも初めてながら早い方で20分かからない。ほとんど30分でつけられたので素晴らしい。

新しい半襟で気持ちの良い着物姿で新春を迎えられたし。

 

 

次の「いろは会」の教室は1月19日(土)。

今の「いろは会」メンバーの最後の教室。

目一杯おしゃれをしてみんなで新春を祝いましょう~♪

 

     ★☆★☆★ 皆さん、良いお年を ★☆★☆★

 

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能面「中将」完成♪ & 能面袋

何時もながらもたもたしているうちに早や今日で11月も最後となる。

 

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しばらく暖かい日が続いたのに今日は残念ながら寒い。

もっとも毎年このころは時雨ているので雪がないだけましかもしれない。

 

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散歩途中で久しぶりにジョウビタキのメスを見かけた。

独特のなき方がないと分からない位小さな鳥、でもかわいかった。

 

さて・・・11月には完成するであろう、と以前書いた能面「中将」が仕上がった。

「お・・・っ!!!上出来~♪」

と先生に言われ、お世辞と分かっていても物凄く嬉しい。

どうも私は最近褒め言葉に飢えているようだ。

 

 

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さてさて一番苦労したのがもみあげ。

こちら側は貴族らしく・・・丁寧に。

 

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こちら側は公達らしく・・・

今戦いから帰ったような少し乱れたような、風に吹かれたような…。

 

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そしてこんな風に職場の玄関に今は展示。

 

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さてさて一応中将の能面については終了。

実は琵琶もそうだが、能面についても色々書いていると色んな質問をされる。

そのうちで今日は「能面袋」について質問のメールをもらったので書いてみる。

 

「能面袋」は字の通り能面を保管しておく袋である。

どんな袋でも、どんな入れ物でもいいのだ。

子供のズック袋みたいなものを入れ物にしている方もいらっしゃる。

風呂敷に包んでお菓子の空箱に入れていらっしゃる人もいる。

要はその方、その方。

能の宗家ともなれば色々しきたりはあるであろうが、素人が好きで楽しんでいる分にはそれはそれ・・・(笑)

 

でも折角なのでちょっと知っていることや自分のやり方を書いてみようと思う。

能面を保護したり、保存したりすることが目的なのだが、案外自分のこだわりをこんなところで表現できるので私は結構好きだ。

あくまで私の場合である。

 

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小面の能面袋

 

能面は袋の下から取り出す形になる。

上からだとばかり思っていたのだが、書物を読んでいると能楽師の方は能舞台の鏡の間で能面を付けるらしい。その時の写真を見ると下の方から取り出す形にして能面袋が置かれているのを確認。ああ・・・そうなんだ…と。

 

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十六の面

 

能面の下に薄い当て布が敷いてあるが実際能面の袋に収める時はその布は能面の顔の上に乗る形になる。面を保護するためである。薄く綿が入っている。

その綿は昔は真綿を使っていたらしいが今は真綿は中々手に入らないので布団綿であったり、化繊の手芸用の綿を使ったりもする。

私の場合、これらの袋は古い帯の不要なものを使って知り合いに作ってもらうのだが、綿は扱いの楽な化繊の手芸綿を使用している。

 

今回中将の面の為に私が用意したのは・・・

 

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表と裏をお見せしたのだが、平家の公達と言う事で古いそれらしい帯で少し雰囲気のあるものを利用した。

ところが色々書物を読むうちに「忠度」「清経」といった能にも使用されるとあった。

「清経」といえば笛である。笛を吹くシーンでは扇子を笛に見立てて口に押し当てる場面が印象的で美しい。で・・・こちらに変えた。

 

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琵琶と横笛の帯を使った。

既に余りに使用し過ぎて箔は落ちタペストリーにも使えない古い帯であったがこんなところで約に立つとは…。

 

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中将の面

 

平家の公達は戦うだけでなく、楽曲や文芸にも優れていたとかで、琵琶の名手である経正や笛の名手である敦盛など数多くいるのでたまにはこんな模様もいいかな、と。

別に帯地で作成しなくても着物地でもよいかと思う。

古くなったもの、使用しなくなったもの、身に着けるには余りに派手になったもの、捨てるにはもったいない物・・・・などなど不要なものを使って作られればよろしいかと。顔に当てる薄い綿入りの布は着物の胴裏に使われる羽二重が一番柔らかくて良いらしい。私は片面を羽二重、片面を帯の模様のない所を使うようにしているのだが、それはお好きになされば宜しいかと。当て布も能面袋も柔らかいものが良いようであるが、私の場合ちょっと豪華に雰囲気のあるようにしたいので不要な帯を使っている次第。

上の全ての帯は「何かに用立ててください」と人さまから頂いたものである。

 

先日京都に行った折、能面袋の専門店なる会社に立ち寄って話を聞いてきた。

滅多に売れるものでもないので注文があったら制作するとかで見本すら置いてなかった。その方によってご希望も違うから・・とか。と、いうことは自分で好きなように作ればそれで良いのだと自己判断。(笑)

能面そのものすら古色というか、古く見えるように色々細工をするのだから、能面袋が新しくあるはずもないのだ。タンスの中に眠っている古い着物や帯、リサイクルショップで見つけた縁がボロボロの帯でも少しも構わないのだ。

 

ご質問をくださったお方・・・こんな感じで宜しいでしょうか?

 

 

 

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これは我が家のいろは紅葉の一枝。

 

ところで、明日はいろは会での半襟付け。

裁縫道具の中の針には、半襟と同色の糸を通して何本か持参されたし。

「老眼で…」とか、「針に糸が通らない…」とか当日になって言わないように。。。

時間の無駄は極力避けたい。

ではでは・・明日までしばし・・・・アディオス~♪♪♪

 

品良く・・♪

11月のいろは会のテーマは「品良く・・」である。

簡単そうで実に難しい。

 

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場所は今回は加賀友禅会館。

全員現地集合、現地解散。

加賀の巨匠が残した美術工芸の世界の見学&展示会の見学。

村雨山、初代・由水十久、矢田博・・等々の鑑賞と実際現在の友禅作家さんたちの新しい作品などの展示会であった。

多くの来場者があるだろうし、自分たちの着物姿が他の来場者の鑑賞の妨げにならないような配慮を生徒の皆さんにはお願いしていた。と、同時にこんな話も付け加えた。

 

着物の展示会というとどうしても何としても買ってほしいという会社側の思いもあるので販売が多少強引になりかねないきらいがある。でも私たちは着物を手に入れるというより、着物に関する知識を手に入れたいのと、実際に目で見て手触りや感触を体験したかった。だから「買う」と言う事はないです、と。それでもいいですか、と。会社側には最初からその旨を伝えると何とも快く承知してくださりとても好意的に受け止めてくださった。ありがたい事である。ともすれば「買う気がないなら入場はお断りします」とけんもほろろなお店すらある中で(・・実際・・・塩をまかれかねない勢いで睨みつけられたことすらある・・・・)本当に着物を好きになってもらうためには「買う買わないは別にして楽しんで素晴らしい作品を見学していってください」という経営者側の配慮はとても感謝である。言えるようで中々心底気持よくにこやかに言ってもらえることは少ない。

で、有るからして生徒の方々も他のお客様の決して邪魔にならないように静かに誠意をもって社員の方々とお話しするように、とくどいように何度も念を押した。

 

で、そんなこんなでテーマは「品良く」と相成ったのである。

着物や帯のコーディネートという見かけだけの品の良さだけでなく、人と応対する時の有り様というか、心からの敬意と謝意を持って応対してほしいと事前に私は話していたのだ。もっともどれだけ生徒さんに伝わるかは実にあやふやであった。何しろ思いだけが先行し、ちっとも上手く話せない昨今の私。

言うだけ言って後は「えいやぁ~!!!」と・・・出かけたのである。(笑)

 

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今では中々お目見えできない美しい作品の数々・・・

 

到底生涯身に纏う事など無い着物であるが見ているだけでため息が出、値段を聞いて目が眩みそうになり、挙句倒れそうになったりもした。解説を聞きながらこういう機会を与えてくださったことに心から深謝。

小川株式会社の社長、取締役、そして社員の皆さん、本当に仕事の手をとめ時間を割いて何度も丁寧に説明して下さり本当にありがとうございました。社員の方々の着物に対する熱い思いと仕事に対するひたむきさに心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。高価な金額にため息をつきながらも社員の方々との丁々発止のユーモアあふれる楽しい時間でした。参加してますます着物ファン・・。着物不安じゃあないよ。(笑)

 

さて、今日はその日見学に行った皆さんのコーディネートをお見せしたい。

先ずはこの方・・・

 

 

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色と雰囲気は中々落ち着いている。

着方も申し分ないようになってきている。

この方の持っている可愛らしさと落ち着きのある雰囲気ならではである。

 

 

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ただ一つ。

着物は塩沢紬に見えるのだが、紬にこの帯は若干重いかな。

同じような柔らか物の着物ならまさにドンピシャ。

しかし、帯の重厚感に本人の存在感が負けていないのも凄い。

着物の丈は本来はこの位が美しいのだが、この日は畳の部屋に入るので多分若干長かったかも。

 

 

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この方は多分草履を脱いで畳の部屋に入ってもちょっと着物の丈が短かったに違いない。足袋のこはぜの上まで見えるようではちょっと子供っぽい印象になる。多分雨の日だったのが、ここまで用心させたのに違いない。

 

そしてもう一つ・・・

 

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着物と帯の雰囲気は一致するのだが、少し「鱗」の模様が大きくはないか…と思う。これは好みの問題なので気にしなければそんなもの。ただこれ位大きいとちょっと強く主張し過ぎる雰囲気が出てくる。

ただ振りから見えるキッパリした襦袢の白が何とも潔くてこの方のはっきりした雰囲気をよく表していて見ていて気持ちが良い。選び方って性格が出るのよね~・・・襦袢の色って本当に大事。

この方が琵琶を謡うなら「新選組」やなあ・・と思いながら後姿見ていた私。

 

さて次はこの方

 

 

 

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江戸小紋に市松の変わり膨れ織の豪華な凝った帯。

 

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着物と帯のチョイスは申し分ないけれど帯締め帯揚げの小物にもう少し工夫できないだろうか。

着物と帯が暗くなるので多分この「白色」ではなく、品のある「薄汚し色」をチョイスして明るさを出したのだろう。今まではそれでよい。でも指導者なのだからもう一工夫してほしいなあ・・と思うのは厳し過ぎるだろうか。更にもう一つ、この帯締めは「ゆるぎ」という組み方だが、紬や小紋あたりならそれでも良い。だがこの帯なら「高麗」とか「亀甲」とか、「笹波」とかでもよい、平の格調のある帯締めが良いと思う。俄然ピシッと格調が出る。良い帯を締めた時こそ良い帯締めをチョイスしよう。少し厳しいかもしれないけど、着物と帯がとても良いので安易な色だけで決める帯締め選択がもったいないなあ、と思った次第。

 

 

 

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着物も帯も物凄く考えたのが伝わってくる。

 

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帯の柄は源氏車である。

平安の優雅な雰囲気が濃い紫色の着物と相まってとても美しく雰囲気が良い。

 

 

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帯の菊の薄いピンクの色を帯締めに選んでいるのも何とも雰囲気がある。

 

 

さてさて・・次はこの方。

 

まだ習い始めて3回くらいしかたっていないのにこの着方そしてこのチョイス。

 

 

 

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写真では分かり辛いが何と唐辛子が一杯の小紋柄。
着物の着方だけでも一生懸命の時であろうに、着丈も帯の形も実に美しい。
しかも八掛の色と帯締め帯揚げの色を一致させて絡ませている。
初心者では中々できそうで出来るものではない。上出来である。

 

次はこの方

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帯の前の柄を見ると赤い扇・・・
これは「静」か~?

 

       心の色を見よとてな~・・

       皆紅の扇をば・・

       サッとばかりに打ち開き・・

       堀川殿の夜の宴・・・♪


と頼朝の前で舞を見せた静御前の姿を連想した。

「静」は私が初めて舞台で弾いた琵琶の曲。

千回は練習したので皆諳んじている。

 

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お太鼓柄を見ると能の「羽衣」のようだ。

箔部分には薄。幽玄の能を彷彿とさせる格調がある。

 

何を選ぶかはその方のチョイスだが、大事なのはその方の雰囲気に合っているかどうかが一番大切なところ。

しかし、この方ドンピシャリと雰囲気を決めてきた。

「こういうのも着れるって凄いね、実にいいね・・」という私に

彼女はこういった。

「今日の私は女優ですから」と。(笑)

今着物を着るのも、何を着るかと選ぶのもが楽しくてしょうがないに違いない。

乗りに乗っている。

 

 

そして最後はこの方

 

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何時もながら本当にお見事。

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いゃあ・・それにしても白い襦袢っていいね。

振りから見える色が何とも美しい。

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手元の八掛の色、帯の色、帯締め帯揚げ・・・

本当に何も言う事はない位美しく品が良い。

 

 

さて当日私がどんな着物を着たか…

私の着姿を生徒さんに撮ってもらったのだが、どうも白っぽい着物だったのでハレーションを起こしたようで全身写真がうまく写らなかった。

で・・帯のアップを撮ったのがあったのでそれで何とかイメージしてほしい。

 

 

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着物は経錦のお召。

普通緯糸で柄を出すのだが、経錦は経糸で柄を出しているので織るのが難しい。今ではお召も中々出会えないのだが、経錦のお召は本当に貴重。

訪問着柄になっていて柄を合わせてあるのだが、遠目には柄が細かいので分かり辛い。無地か小紋程度に見てもらえばよい。

経糸はラテンという糸を使っている。それは金糸を染めた糸で角度によっては元の金色が見え隠れする。しかも其の糸は絣糸として黄色と灰色とに染められていて掛け襟と身頃とも柄を繋げているという凝ったもの。柄が細かいのがとても気に入って一目ぼれ。この着物に何を合わせるか、当日まで迷いに迷った。無難に茶色の洒落袋帯と合わせようかとも思ったのだが、反対色は少し野暮になり、このお召の良さが死んでしまう、と。思い切って白っぽい洒落箔帯にした。

 

この辺りは賛否両論が出そうだが、私自身は一番相性の良いチョイスだったと思っている。どんな時も自己肯定。私の中では大切な事。(笑)

 

さてさて・・・長くなった。この辺で。

あっ、そうそう・・・

ナンプレの上級編制覇できた。

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200問の最後のページ。

多分色々書き込んであるので皆さんは「きたなーい」と思われたはず。

いやいやこうやって一つづつやらないとできないのだ。

努力の跡と思ってくれ。

今は最終の難解ナンプレに突入。

これも200問ある。

 

 

以前散歩途中に見つけた。

 

 

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恒例の報恩講が近づいた。

今年もあっという間に過ぎていく…

 

 

12月の「いろは会」は次のように予定している。

 

      12月1日(土)1時半~3時頃

      「半襟を自分で付け替える」

 

作業なので動きやすい服装で。

勿論着物。

普段着の着物でお越しください。

和裁士さんのようにキチンと丁寧にしません。

手早く簡単に付け替える方法を教えます。

参加者は 襦袢、半襟、裁縫用具 を持参されたし。

この機会に刺繍襟や色半襟など自由にお持ちください。

 

ではでは・・・・またねん♪♪♪

 

 

やんちゃな中将

ブログがちょっと前後するが十月に「能面展」があった。

場所は金沢しいのき迎賓館で。

案内のパンフレットやポスターを撮るのを忘れてしまったので、友人たちにだしたハガキで代用させてもらう。

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このハガキの写真の能面は祐門会を主宰する後藤祐自先生の「喝食」

さて会場はこんな感じ。

 

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四十数点展示された。

私のはこれ・・・

 

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このブログで出来上がりを以前お見せした「十六」の面。

仕事や琵琶の合間にコツコツ作っていた一年間の自分ながらの成果。

能面展の前にブログでアップしたかったのだが、何とも慌ただしく過ごしていて失念。この最終日が受付当番日で最後夜に撤収した。

しかしその次の早朝、京都へと移動したので違う意味でのアップアップの日々だった。

前後してご報告のみとなるのをご容赦を。

生徒さんは誰も見に来られなかった。

当たり前・・知らないものね。(笑)

来年はもっと早くお知らせするね。

 

 

さて・・・前回お見せした今取り組んでいる中将の面は

 

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確かここまでの段階をお見せしているはず。

今はこの胡粉での上塗りの後、彩色をしている。

 

そしてこの段階。

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アップで見るとちょっと汚くて頗るやんちゃ。

 

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勿論まだ完全ではない。

鼻の下の髭や顎髭がちょっと無神経な描き方になっているような気がする。

でこれからまだ少し手を入れる。

古く見えるようにもする。

11月中には出来るはず。

真正面からはその時に。

これにかかり始めたのが4月からだからほぼ半年余り。

去年は丸々一年かかったことを思えばすこーし慣れて来たか…・・・

ただキリリと端正でひな人形のような理想をイメージしていたのだが、何となくやんちゃで鎌倉武士のような「今、戦いから帰ってきた公家」の雰囲気となる。「忠度」っぽいか・・いやそれほど理知的でもなさそう。

もう少し手を入れて少し端正な雰囲気を出したい。

中々思うようにいかないが、思うようにいかないから面白いのだ‥と自分に言い聞かせている。かなり無理がある。(笑)

 

さて・・今・・というか・・最近・・というか、

実は「ナンプレ」にはまり切っている。

最初は朝日新聞の土曜日のパズルからだった。

あれは難解度が三段階で「★★★」と「★★★★」と「★★★★★」。

毎週土曜日が楽しみで朝の一時間を其れを解くのに使っていた。

中でもステージ5が何とも楽しい。何分で解けるか・・と。

やがてそれでは飽き足らず…ついに買ってきた。

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目標タイムで解き・・・一日5問・・夢中の日々。

そして今ではこれ・・・

 

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毎日1問に挑むがこれが中々難しいのだ。

ともすればワインやビールを片手に解けないから飲む・・飲む・・

色々考えながら更に飲む。

そして解けたら嬉しくて又飲む・・・飲む…

一応まだ完全読破してないのだけれど、次の為に・・・

酒代がかさむ。

ナンプレ制作者は実は酒屋の回し者だったら笑ってしまう。

 

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実に静かにひたすらに楽しんでいる。

 

そしてその合間に散歩。

雨が降っても、風があっても、多少風邪気味でも。

一日一万歩

仕事の合間、琵琶の練習の後、能面に疲れた時・・

そしてナンプレに疲れた後・・・・歩く。歩く。

スマホジーンズの後ろポケットに入れて歩く。

身体が資本、脚が資本。

業の様に歩く毎日。

 

そして昨日、散歩コースの途中の公民館の書架で見つけた本。

借りてきた。

 

宮部みゆき「ばんば憑き」角川書店

平成23年に公民館が購入したことになっていた。

しかし、私が開いた最初の人間のようだ。

真新しくページとページがくっついている。

こんな誰も読まない本に予算を使っているのか…

などとひとくさり、心の中で囁く。

せめて一人位読む人間がいなければ、本も浮かばれないではないか…

何て思いながら他の何冊の本とともに借りてきた。

貸出帳に記載しようとしたら、何と今年に入って私が初めての人らしい。

活字離れがここまで来ている…

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六篇の短編で構成されているのだが、中々どれも面白かった。

表紙の絵もいい・・昨日一気に読んだ。

 

「坊主の壺」

江戸期、町にコロリが大流行する。

材木問屋の田屋重蔵はコロリに一家全滅の生き残りの人たちや既にその病気に罹患しているかもしれない人たちを資材をなげうって小屋を建て町中に広まらないよう奉公人も使い面倒を見る。そんな中に父も母も兄も弟も全て失って連れて来られたおつぎという少女がいた。重蔵もおつぎもコロリにかかっている人たちを看病するがコロリにかかることはなかった。そんな折、ある古い掛け軸を重蔵は広げてみる。壺以外は誰にも何も見えないはずのその掛け軸におつぎはあるものを見て驚く。何と重蔵とおつぎだけしか見えない絵が描かれているのだ…

その絵を見ることのできるものにはある逃れられない宿命がある・・

短編の中で一番私には面白かった。

 

「お文の影」

子供たちが夕暮れ時に無邪気に遊ぶ。何人もの子供たちの影。

しかしある時政五郎は子供たちの人数と影の数があわないことに気が付く。

その一つ合わないおかっぱ頭の影が誰なのかを密かに調べ始める・・

これは面白いというより実に可哀想で胸が詰まった。

 

「博打眼」

この化け物の姿が奇想天外。

私の頭では鬼太郎の中の一反木綿に目が五十描かれているのを想像した。

でも多分それは違う。読解力のなさ。

しかもその退治の仕方もこれまた何とも奇想天外。

よくこんなことが思いつくなあ…と感心する。

しかも伏線として信心深い少女やこずるい大人たち。

信義に熱い人たちやひたすらに仕事に精出す女たちなどを背景に淡々とでもドキドキしながら進んでいく。果たして化け物退治無事成就できるのか・・

 

そのほか「討債鬼」とか「ばんば憑き」とか「野槌の墓」など。

脱日常で少し気持ちが変わる。

 

昔姑が年をとったら殺人とか残酷なものは読みたくない・・と言っていたことが何となくわかるような気がする。ミステリーや怪奇物はこのあたりが私には限度かも・・・

 

はてなブログに慣れようと色々試行錯誤して書いているのだが、商品紹介の場所が分からない。何処にあるのだろう…本の紹介がリンクできなかった。写真の大きさも上手く調整できなかったし。又に期待しよう。追々・・・・