和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

てんこ盛り〜♪

暑い中を慌ただしく過ごしていた。
特にこの一週間はめまぐるしかった。

端折りながら少しずつ書いてみる。


  ●「いろは会」テーマは「秋の気配」


前回の時は大雨の土砂災害で関西地方から参加する方が急遽欠席。
今回その方が再度の挑戦。しかしながら台風20号の影響でサンダーバートのみならず山陽新幹線まで運休となった。
何とか前日復旧し金沢に来られたことに流石に「ホッ〜!!!」



何とかいろは会を開けたことは有難い。
京都からの参加者は九月・・・と言う事だったのでそれはそれで又楽しみである。

まずはこの方・・帯を白ではなく茶色を選ばれたのと、模様がどことなく秋風のようにも感じられる。この方は「秋」ではなく、あくまで「気配」という言葉に拘られたようだ。



次の方は帯に強烈なレモンイエローを持ってきた。
何処か夏の太陽のような明るさや、向日葵をイメージ。
でも着物は何処となしに秋の色を感じさせる涼し気なサマーウール。
大胆だがワクワクするような楽しい組み合わせ。
黄色と言う色はとても若さを印象付けてくれそうだ。



濃い紫色は透け感が強いのだが、まだまだ残暑が強いので目に涼感。
ざっくりとした組帯を合わせて落ち着いた雰囲気。




しかし今回何といってもこの方がダントツ私の目を引いた。
・・爽やかで美しいチョイス・・・





絽の秋草のひっそりとした小紋に帯、アップで取らせていただいた。


写真ではちょっと分かり辛いのだが草の上にコオロギらしき虫の姿
お母さんのタンスから拝借とのこと。一見地味な色合いや柄でも季節の移ろいを表すにはとてもナイスな選択かと思う。


嫌味のない爽やかな趣である。
前回の浴衣「天城越え」から一転、同じ人とは思えぬ清涼感。


さてさて・・・その後は各自銀座結びに挑戦してもらった。




お一人だけ私がトロトロ話していたために写真を取り損ねてしまった。
帯の張りや、柄、雰囲気、着物との相性などもあり、銀座結びがしっくりきたり、こなかったり・・・各自の今後の課題になりそう。。。

私はグレー地の薄の柄の変わり絽の着物に、透け感の有る墨色の帯をしたのだが、話すことに夢中になり自分の着物姿を撮るのを失念。あしからず。次のとき必ず・・・



  ● 琵琶「祇園精舎

いろは会の翌日は夏休み中の子供たちに琵琶の音色を利かせてあげたいと企画された方からの依頼。
ピアノや声楽の発表会で祇園精舎を弾いてきた。
何せ、三分半程度の演奏なのでどの程度分かってもらえるか・・
いやいや分かってもらえなくても大人になった時にこの時の記憶がちょっとでもあるとそれはそれでいいかな、という気持ちだった。
午前中から出かけリハーサル、最後の方に演奏なので帰ってきたのが夜だった。
演奏時間のわりに何だか物凄く疲れた日だった。
やはり慣れないことをするものではないかもしれない。
ただ何人かの方に
「もっとキチンと聞いてみたい」
と言われたのは物凄く嬉しかった、少しは琵琶に貢献できたかな・・



  ● 鹿島神社「鳴和の滝」

話に登ったのが一年半前。
やっと実現。


能「安宅」や歌舞伎「勧進帳」で有名な弁慶と富樫氏とのやり取りで何とか安宅関を抜け出た義経一行の話はどなたもご存知だと思う。
その後義経、弁慶一行は金沢の大野湊神社で一息つくのである。弁慶だけは白山市に当時あった富樫氏の館に出向き、義経だと分かっていたのに関所を通してくれた富樫氏に礼を言いに行く。そして「一夜の宮」と現在でも残っている大野湊神社で義経一行は一晩過ごすのである。次の日一行は連れ立って金沢鳴和の神社で休憩する。その時富樫氏が馬を走らせ義経一行に追いつくのである。一緒に酒を酌み交わしたとか、鳴和の滝の水を酌み交わしたとか色々説はあるようである。現在ではか細く流れ落ちる水であるのだが、当時はきっと勢いよく流れていたに違いない。この場所で現在でも滝に打たれに来る方もいるようであると地元の方々から聞く。


今回、この鹿島神社のお祭りの日に合わせて琵琶の演奏となった。
演奏くださったのが、この日東京から駆けつけてくださった錦心流全国一水会会長と四人のお弟子さん方。
勧進帳」を高らかに謡って頂いたのだが、ほかには「西郷隆盛」や金沢支部長による「五條橋」など。


迫力ある歌声に会場はしーんと水を打ったように静まり返る。
多分氏子の皆さんは琵琶など聞かれた事など今まであまりないのに違いない。
感動と感謝の言葉を背に次の宴会場へと走る。(笑)
私はと言えば、この性格・・・
そりゃあ、静かに控えめに、黒子のように・・・くノ一忍者のように・・・陰で動いておりました。(嘘)


  ● 能面「中将」の進み具合


何とはなしに進んできたので今は口を鋸で開け、唇と歯を六本作った。
今は鼻に穴をあけて裏まで関通。今その穴の形を整えているところ。



  ● 最近読んだ本

    安房列車(内田百輭) 六十代から頭を鍛える法(高島徹治) 

    尾形光琳(仲町啓子) JAKUCHU若冲(狩野博幸)  不運と思うな(伊集院静) 

    本が好き、悪口言うのはもっと好き(高島俊男) 

    ベテルの家の「非」援助論(浦河べてる)

    


    ブログ友や友人が面白かったよ・・とくださったメールに従いやみくもに読んだ気がする。
    かなり難しい内容から、高尚な文体もあり。ちと私には難しいかな、と言うものもあり。
    私の卑しい人格が現れるようなものから、邪まな心の片鱗が覗くような選択も有る。

    でもダントツ一番面白かったのは

     人間、やっぱり情でんなぁ(竹本住大夫)
     
     


     自分が今まであやふやに思っていたこと
    、釈然としなかったこと、
     言葉に出せないけどぼんやり認識していたこと、

     そんなことが霧が晴れていくように胃の腑にストンと落ちていくような気がした。
     「聞いている人が上手に聞こえるような謡い方はするな」とか
     「口から声を出すな、眉間から出せ」とか、
     「五年、十年でできなくていい。五十年後に出来ればいい」とか、

     いゃあ・・・ぼんやりと、霧がかかったような思いが、なんだかすっきりとしていくような気がする言葉に満ち満ちていた。
     芸のために、どん底に落ちるのも決して悪い事ではない・・とまで言い切る文章に満ち溢れていて実に気持ちが良い。ちなみに浄瑠璃文楽義太夫の違いなども分かる。
     浄瑠璃と言う言葉は義経と深い関わりがある事なども「目から鱗」。義経と契りを交わした浄瑠璃姫の哀れな最後を「浄瑠璃12の段」として語られたのがその始まりとか。
     「静御前」や「浄瑠璃姫」、そして「蕨姫」、と義経は一体どれだけ周りに浮名を流した女性がいたのか。(ん、とにもう・・ですね)
     ちなみに「蕨姫」は平時忠の娘である。時忠の姉が清盛の妻時子である。蕨姫は義経の妻でもある。その為かどうかは分からないのだが、清盛の近しい親族でありながら命を助けられ能登に流された時忠は無事に生涯を終えている。その流れをくむ時国の屋敷は「時国家」として今でも国の重要文化財として知られている。「鳴和の滝」のあと「倶利伽羅峠」を通り義経一行は能登に逃れ「時国家」で過ごしやがては「珠洲の舟隠し」から舟に乗り東北を目指したと言われている伝説が残っているのはそういう経緯もあるのである。

     この本は私の今年のベスト1かもしれない。



   ● さてさて・・これからのいろは会のご案内

     9月29日(土) テーマ「秋の模様」
     10月6日(土) テーマ「菊」 
     10月27日(土) テーマ「紅葉」

     各自思い思いのいでたちでいらして下さい。
     「何を着ていこうか」と頭を悩ますのもこれ一つの楽しみ
     ・・・ではでは・・・またねん。    
          

   

     

     


  

琵琶と能面・・・近況〜諸々♪

忙しさと暑さに追われあたふたとしている間に早やお盆の時期。

皆さんからは熱中症?と心配頂いたり、元気になるようにと色々気を使って頂き謝謝。
私は程々、そこそこ元気です。
本当にありがとうございます。

で、久しぶりに更新。

現在琵琶は「壇ノ浦」に挑戦。
平家と源氏の戦いは「一の谷の戦い」「屋島の戦い」と続き最後は「壇ノ浦の戦い」。
来年の4月の演奏会には是非この曲を弾こうと思っている。
今年は8月末には「祇園精舎」、9月は「横笛」を演奏予定。まだ未定だが、ひょっとしたら「敦盛」も有るかもしれない。
そういう訳で今はこの四曲を抱えて過ごしている。


さてさて、能面は「中将」の面。
中将はひな人形のように美しく高貴な雰囲気をたたえている面。
眉間の皺が八の字に刻まれていかにも平家の公達の柔らかで少し苦渋を感じさせる面差しである。
この中将の面を用いるのは在原業平の亡霊とか、修羅道に落ちた平家の公達(清経とか、忠度とか、通盛とか)
元々は光源氏のモデル源融にぴったりと嵌るととも。


以前アップしたのは確かこのあたりまで。
今はここまで。




先はまだまだ長い。
もっとも私自身は少しも急いではいない。
のんびり楽しんでいこう…。
次回は口に鋸を入れようと思っている。
その次は鼻の孔、そして緊張の目となる。
段々佳境に入っていく…あくまで予定。



さて、もう一つはボイトレ。



今練習しているのは「波浮の港」(はぶのみなと)、もう一つが「平城山」(ならやま)



中でも「平城山」の歌詞が物凄く美しく格調がある。


            平城山
               作詞 北見志保子
               作曲 平井康三郎

 1 人恋ふは悲しきものと
   平城山(ならやま)に
   もとほり来つつ
   たえ難(がた)かりき

 2 古(いにし)へも夫(つま)に恋ひつつ
   越へしとふ
   平城山の路に
   涙おとしぬ 


       


歌う段にはまだまだ自分の力不足は当然であるのだが、高い音が何とか辛うじて出せると物凄く気持ちが良い。
ボイトレの先生からはこの歌を舞台で歌わないかと以前言われたのだが、いやいや・・・とてもそんな・・
8月末なので色んなイベントと重なり私的にはとても時間的にも精神的にも無理。
でも来年は、いや再来年かも・・いつかこの曲を歌ってみたいなあ・・と思うので無茶苦茶無謀ではあるのだが挑戦させて頂こうと思う。
いつかそのご報告もさせて頂ければ嬉しい。
因みに今年はその日の舞台で琵琶で「祇園精舎」を弾き語り予定。
どうなりますか・・・



最後になりましたが、本来の仕事に関して。
暑い時期なのでしばらくお休みを頂きました。
「どうしても、今習わないと困る」という方以外は9月からと案内をさせて頂いていましたが、急ぐ方はお盆明けからお受けしています。
ご不便をおかけしました。来週13日からお受けいたしますのでどうぞ予約を入れてください。

8月25日のいろは会もそろそろ近づいてきました。
参加の方は簡単角だし太鼓である「銀座結び」を実技で指導しますので腰紐を一本ご用意ください。
ではでは・・・その時にお会いしましょうね。

浴衣帯の結び方

今回の「いろは会」は浴衣などに結ぶ半幅帯の結び方を実践してもらった。
勿論浴衣に限ったことではなく、カジュアルな着物の帯結びとして使ってくださるとそれはそれでお洒落でもある。
そんな時は化繊の帯ではなく、博多の帯をパシッと結んでいただけるととってもスマート。

実際ネットなどで色々結び方を見てみると色んな結び方がある。


しかし基本の結び「貝の口」と「文庫」の応用が圧倒的に多い。
この二つの基本の結びさえできればあとは自分で色々アレンジすればよい。

今回はその二つに加えて「絶対忘れない失敗しない結び」を伝授。
要所要所でここさえ守れば帯は崩れない…というものに挑戦してもらった。
勿論、結びの基本は「貝の口」と「文庫」。

この日参加された方は六名。
その方その方で浴衣や帯に幅や長さ、色など制限がある。
その中で自分の帯用のスキルを覚えてもらう事にした。




流石にこれは大きすぎる。
十代の女性の帯の大きさ。
大きすぎるとちょっと野暮ったくなる。
後ろの帯幅を半分にして・・とアドバイスした。



蝶ちょの大きさは年齢や体の大きさ、厚みなどで各自加減しないと何処までも勘違いした雰囲気になってしまうので気を付けて。
特に赤い帯はコンパクトにした方がシャキッと格好良くなる。







次の方・・









この方・・・雰囲気をがらりと変えてきた。



「いよっ!!!天城越え〜!!!」
と声がかかる。色っぽくも大胆。





ヘアスタイルも前回の子供っぽいのとは大違い。
「物凄く頑張って自分でやりました。」と。
人間やればできる。(笑)
出来るように頑張るから次が更にステージを上げられる。
前回とは別人。浴衣はある意味物凄いコスプレでもある。





次の方・・・
手慣れたものである。










次の方・・
この方はとてもお若い。でも落ち着いた雰囲気でしっとりと着こなしている。
久留米絣に麻の帯」と自分の着物や帯をちゃんと説明できるのも素敵。






髪も実に美しい。


髪は美容師のお母さんが結ってくださったとか。
お母さんに浴衣や着物を着せてもらえるのに敢えて習いにいらした訳を聞く。
しかも県外からの参加。
「自分で着物を着られるようになることは大切」
と言われたようである。
お嬢さんも凄いがお母さんも凄い。







皆さん本当に色々自分なりの創作に励んでくださったのだが、
この辺にしておかないと多分直ぐ今月の容量が満杯になるに違いない。
ではでは・・・
今回はこれにて・・・(^_-)-☆






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                 今後の「いろは会」のご案内
         8月25日(土) テーマ「秋の気配」
              時間が許せば「銀座結び」に挑戦。
              六通、又は全通の帯でいらして下さい。
              名古屋帯でも袋帯でも可能。


         9月29日(土) テーマ「秋の模様」
              時代と共に変化していった特徴的な文様の話。
              正倉院文様・有職文様・名物裂などについて。
              その他琳派文様について簡単に触れます。



              ※詳細はメールにてお問い合わせください。



               




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振り向かないで〜♪





「涼」と銘打って涼しさを感じるような着物姿を考えるいろは会が先日すんだ。
各自の色んな感想や思考が楽しかった。

「涼」を自分のこととして捉えた人、
涼しさを相手にどう与えるかを考えた人、
何時もの着物姿にちょびっと「涼」を加えた人、


色々だが先ずはご覧あれ…


夏大島の着物に羅の波模様の帯






光が入ると着物は透け感があり、涼し気だ。
前は帯揚げや帯締めがあるので少し明るくはなるのだが、如何せん後姿がちょっと黒々している。
バックの夏素材が若干ウキウキ感あるのだが、後姿を少しばかり工夫したい。
例えば、この羅の帯をもう少し柄をお太鼓の下に持って行くように結べばどうだろう・・・
同じコーディーネートでもちょっと波模様の爽やかさが後姿に出るのではなかろうか。


次の方は流石に年配者。
日傘を使用。
それだけで清涼感がある。
皺などが余りついていないのと、体にスッキリ沿っているので多分「綿麻交織」の夏素材に羅の帯。
白と緑の帯が一層涼しい雰囲気を醸し出している。
周りの緑にも映えてハッと人を振り向かせるかもしれない。






次の方は紗の色無地に銀糸の入った夏袋帯




白いUVカットの日傘も所々レースが入っている。
この方は特にここに気を使われたとか。



銀とガラスで作られたいかにも夏向きの髪飾り。
それを綺麗に自分で結い上げられた髪に。
初めてヘアをアップする時にはゴムでくくられお団子状態で
「髪を工夫しようよ」
と私に言われ
「駄目駄目、髪は苦手」
と言われていたのに、今ではここまでスッとできるようになった。
何でも努力するというのは凄いね。


次の方は紗の着物に羅の二重組織の帯。
このての帯は物凄く固い。
慣れるまで指が痛いと思うのだが、絞めれば締めるほど少しずつ馴染んで来るので一杯使って。




この方の今回のこだわりはこれ・・・


帯どめが「金魚」。
「涼しげじゃあない?」と。
「かわいい〜♪」の声。

この方の一番最初に直すべき点は髪。
髪がちょっと暑苦しい。
次回までに一工夫されたし。
また、もし麻色の無地の帯などがあれば金魚がまるで水槽に泳いでいるようなストーリーも出来上がるかも。


色んな切り口で皆さん思考されたようできっと考えているだけで楽しかったはず。
持っている着物や帯の数は変えられないのでちょっとした小物で演出された雰囲気があり。
見ていても工夫がみられる。
それがとても大切だと思う。

私はと言えば
白い蚊絣の上布に科布(しなふ)の帯。
今回は涼しさに拘ってみた。
蚊絣の白い上布の着物はお父さんが昔よく来ていた記憶がある方も多いかもしれない。
お父さんの着物があれば自分用に是非仕立て直ししてみては?例え長さが足りなくても、おはしょりがなくてもとても涼しいので病みつきになるはず。





麻は着ているとすぐ皺になるし、肘や膝が出てしまう。
でも身体との間に空間ができるので見た感じはスッキリ見えないのだが、何となく風をはぶんでいるように見えて、見る方も直ぐ麻の素材だと認識してくださるのがいい。
帯の素材は「シナの木」。昔は結構あったのだが、今では珍しい。でも締める時にちょっとコワい。堅い。
でもキチッと締めようと思わないと良い。緩くふんわり体に巻くと良い。だからお太鼓もパシッ、ピシッとしない。そのキツキツ感のないのが気持ちよいのだ。

帯枕はヘチマ。襦袢も薄い薄い紋麻にした。傘は柿渋で染めたものでもう20年も使っているので色あせている。それが自分では濃い色の新しい物より気に入っている。


この日は下に着る襦袢や肌襦袢下着をどういったものを選ぶ方がいいかなど少し話をした。
着物の場合大半の方はガーゼの肌襦袢か、もしくは化繊の洗えるものをチョイスされるのが普通だが、それでは暑すぎてとても二度と着物は着たくなくなるので色々涼しく着る提案をさせて頂いた。今では洗えるシルク100パーセント素材が出ているのでそんな話をした。ちなみに私はそれ。


今日も暑い…しばらく30度近くの日が続きそう・・
体調に気を付けてくださいね。

なお、次回のいろは会「半幅帯の結び方」は定員になりましたので締めきりますね。
冬なら10名入れるのですが、夏は暑いので6名で。
それに確実に結びこんで半幅エキスパートになっていただきたいので。



ではでは・・・もうすぐ7月
一年の半分が済む。
慌ただしい前半戦だった。
後半はちょっとのんびりしたい。。。

琵琶演奏会終了〜♪♪♪

今年の錦心流定期琵琶演奏会が先日終了した。



沢山のご来場を頂きありがとうございました。

今年は受付のディスプレイを担当した。
今年のテーマは「伏籠」(ふせご)
着物に香を焚き染めるための道具。


      伏籠について知りたい方はこちら
         
 伏籠   http://d.hatena.ne.jp/umryuyanagi104/20130103/1357194915




着物をかけてあるので伏籠については分かり辛いが以前のブログを見てくだされば雰囲気は分かっていただけるかと思う。

ちなみに平安時代の死亡原因は一説には

1.疫病 
2.栄養失調
3.皮膚病

と言われ、それらが死に至る大きな要因だったのではなかったか、というのを聞き3の皮膚病の大きな要因である入浴の習慣がなかった事に焦点を当てた。お風呂と言うのは庶民の間に浸透したのが江戸時代と言われている。それ以前は風呂といっても蒸気の中での今でいうサウナに近いお風呂だったらしい。しかも平安時代に至っては体を拭くことによって清潔さを保っていたらしい。
もっとも地位の有る方々は防虫や抗菌、又防臭の為、衣服に香を焚き染めていた。

それで今回はそのころの香を焚き染める道具を忠実に再現したと言われている伏籠を展示。皆さんにお披露目。
本漆で螺鈿や金泥を駆使し、朱房で加飾されている。以前このブログでお披露目している我が和装組曲の品。

朱房を木目込み人形と共に・・・



私のこの日の衣装はグレーの霞柄の絽の付け下げ。
帯はつる草柄の金茶の夏袋帯
琵琶の曲は「琵琶塚」
静かなおとなしい曲。


生徒さんも駆けつけてくださる。
有難い。


折角来ていただいたのにお会いできなかった方々も何人かいたのを来場者名簿で後で知る。
ご挨拶できなくてすみません。裏方でバタバタ走っていたので。この場を借りてお詫びいたしますね。
裏方として着せ付けと後片付けを10人担当したのが和装組曲のこの二人。
流石に長い間私の傍にいる方々なので今では安心して任せられる。
お疲れさまでした。朝早くからの準備や搬入、後片付けまで手伝ってくださりありがとうございました。



さて・・・最後になりましたが、素敵な方をご紹介。






この着物・・
柄は何もないのだが、実は大変な技を有する。
それは「暈し」(ぼかし)の技法なのだ。
昔は沢山いらした友禅の職人さんでも、こういう美しいグラデーションに染め上げることが大変難しいのだ。
花や蝶や鳥や風景があれば案外人の目はごまかせるのだが、グラデーションだけで美しく均一に滞りなく仕上げるのは並々ならぬ技が必要で皆さんが思われる以上に職人さんの技術が必要なのだ。えてして人は何とか友禅・・と言う風に柄に目を奪われるのだが、こういう染の美しさも分かるようになって頂きたい。
又帯について。帯は汕頭風の地が透けるものだが、帯芯の色が驚き。着物の色と同じ色を使用している事。普通は黒か白か、そういうオーソドックスなものを使う。その方がいろんな着物に使えるから。でもこの方は色んなものに使えなくてよいのだ、この着物にピタリと照準を合わせて来られた。それが実にスッキリと収まっているのだ。できるようで出来るものではない。一瞬で私は目を奪われてしまった。本当の着物好きというのはこういう人のことなんだ、と。着物と帯が同色っぽくなるので帯揚げは白をキッパリとチョイス。凛々しい。

そういう着物の選択といい、コーディネートといい、そしてご自分らしくゆったりと自ら手早く着られたことといい、素晴らしい。私の人生の大先輩でもあり、本部の琵琶の大御所。この方の琵琶曲はユーチューブに何曲も上がっている。
琵琶の演奏もさることながら着物を着られてゆったりと佇むその姿はちょっと口では言い表せない風格。しかもその日使われていた扇子柄が何とアジサイの切り絵。小さなことや細部に至るまでの気の使い方。

写真をブログに載せたいのですけれど…と控えめに撮影をお願いしたら、実に爽やかに気持ちよく快諾くださった。私も、そして和装組曲のメンバーも感嘆してその姿を称賛。着物も帯も着姿も全て文句のつけようがない選択。
きっと着物を勉強する皆さんの参考になるはず。

着物は雅で華やかであれもこれもという着飾ったものばかりではない、一つ一つ無駄を排し必要なものを最小限、という何とも毅然とした気持ちの良い引き算の美も有るのだと教えてくださっているような気がする。年齢のいった方はやはりこういう姿が凛としていて見る方も気持ちが良い。この方はやはり別格のオーラだ。

先生ありがとうございました。



この演奏会が済むと毎年ちょっとほっとする。
さあ・・・今度は能面に邁進しなければ…秋の能面展が控えている。


あっ、そうそう・・・・
私のボイトレの先生が期せずして来てくださった。
ハードな毎日を精力的に過ごされている方でプロの歌手や音楽家を数多く輩出されている。
先日も先生がプロデュースされたオペラの舞台を終えられたばかり。
この日もレッスンの合間に寄ってくださったのだ。
上の本部の先生もそうだが、人生の大先輩のお二人の先生達だが、活動はびっくりするくらい精力的でしかも前向き。

この先生は、何人かの琵琶を聞かれて私の一番の弱点を瞬時に見抜かれた。
先生と話をして、私が気も付かなかったその点を指摘くださり、次回からそこを集中的に直していこう、と相成った。
凄い先生だ。来年に向けての課題ができた。
これもまた、楽しみの一つ。

頑張ろう〜♪

頑張れることを持つって素敵〜♪♪

私はなんて幸せ者〜♪♪♪


あじさいコンサート



以前ご案内したコンサートが6月9日(土)に開催された。
雰囲気のある古民家・・80年程経ているおうちはこんな雰囲気。








中は・・・
松を使った梁や天井や敷居。
今でも松脂が時々ぽとり・・・。
敷居からも松脂が浮き出てくる、と。






何と天袋の持ち手が琵琶の形をしているような…



座敷の天井が漆塗り・・・しかもピカッピカッ。
小さい時の実家の古い家を思い出す。


仏壇の上にも欄間。勿論「天女」・・



生活する上で多少不便かもしれないのだが、大切な文化財として皆さんで守っていかれている。
そして今回のようにコンサート会場として開放くださり多くの方々の憩いの場となっている。
ご自分のおうちをこうやって提供してくださる方々に心から敬意を表したい。
草一つないお庭ですね・・と言うとご主人「必死に草むしり担当いたしました」と。(笑)
こうやって恩恵を受けている身を感謝しつつ・・・


今回の演奏場所はここ座敷。
ご来場いただいたのはおよそ60名。
前回に続き又聞きに来ました、と言う方もあり。
曲を前回と変えて良かったわぁ〜♪





掛かっている花嫁のれん人間国宝・木村雨山に書いていただいたものをこの家の大奥様が輿入れする時にご持参されたとか。


座敷の縁の戸は全て開けられて心地よい風がその暖簾を揺らす。
まさにクーラー不要。


演奏者の控えの間も実に配慮され気持ちが良い。
勿論壁は弁柄。床の間の木材が黒柿とは面白い。




これは藤舎さんとのリハーサル風景。
何故わかるかと言うと、私は手に時計をしているから。



こちらは本番。既に時計を外している。
歌うは「祇園精舎」をコラボで。
そして「重衡」はソロで。


教室の生徒さんも来てくださり記念撮影。
皆さん、流石…素敵な着物での来場ありがとうございました。




さて・・・今度は来週の日曜日の琵琶の定期演奏会
気持を切り替えて又頑張りまっす。
今度は経正の「琵琶塚」。
どうぞいらして下さいね。




    
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・♪・・・・・
            錦心流琵琶演奏会


  
      6月17日(日)  12時30分開場
      石川県立音楽堂 交流ホール





    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

アンデパンダン展&いろは会

21世紀美術館で開催・・



案内を頂いた時「アンデパンダン展? 何それ?」
という感じだった。

19世紀にフランスで始まったアンデパンダン美術展から名称を借りているとのこと。
セザンヌやボナールなどもこの展覧会の出身とか。

意味としては「特定の流れにとらわれない自由で無審査の作品展」という意味らしい。
日本では日本美術会が「日本アンデパンダン展」を開催しているという。
石川美術会は発足以来毎年アンデパンダン展を行っているとか。
今年私の知人から案内をもらったので最終日ではあったが日曜日行ってきた。

いろんな分野の無審査、無償、自由出品の展覧会と言うのは何度か足を運んでいるにはいたが、私のどこかに「無償」と言う事はイコールお金を取れないレベル・・という感覚が動きがたい位の雰囲気を持っていた。ところが、そこでは表現と精神の自由さが最大限に尊重され、プロもアマも障害者も実に自由に交流し鑑賞し自主的、民主的に、互いの領分を尊重しあいながら独立して存在していて驚きであった。「えっ?」という作品の横に「おおーっ!!」という作品があったりして中々楽しい空間であった。中には年金暮らしですので・・なんていう方もあったのだが、物凄い生きるエネルギーに満ち満ちていた。六十歳で定年になってもこんな新しく自由な生き方が待っていると思うと年を取るのもわるくはない、そう思わせてくれる空間でもあった。

中でも私が感動した作品だけでも何とかお見せしたい・・・・
出来ればクリックしてアップで見ていただきたい。





本来写真は禁止なのだがこの制作者の方から特別許可を頂き載せることにした。
ブログにも載せたいことを申し出たが何処まで理解して頂いたのかわからないが
「変な事に使わんで」と。(笑)
何だかとても懐かしく心癒された絵だった。
板の木目が何とも写実的で昔の板塀の記憶が鮮やかによみがえり感無量。

実はこんな大作。どれだけ見ていても飽きず自宅に飾りたいほどの郷愁を覚えた。




さて、今回この会に誘ってくださったのが・・・



この方。後ろの二作品は共にこの方の作品。
この方は専門は草木染の染織家。
だから暖簾は分かる…
しかし、絵も描いていらしたとは。
しかも年季が入った腕前。
綿の花がグリーンに映えて実に爽やか。
色々な草木染の作品を作るアトリエの傍らに、キャンバスを置いて気分転換に油絵を描く彼女を想像してみる。こんな自然な中での満ち足りた生活に身を置く老後人生・・・何と豊かで贅沢な事であろうか。どんな毎日もその方が選び取ったものなのだけれど、できれば心地よいものに囲まれたこういう生活を選んで生きていきたいと羨ましく自分の慌ただしく過ごす日々をちょっと反省もした。

どの方にも言えるのだが、かなり年齢は上の方が多い。
そういう方々が本職とは違う所で趣味を持ちしかもかなりなレベルで頑張られているのを見ると本当に驚きである。
皆さんのエネルギーが凄くて圧倒されて帰ってきた。
皆さん、熱く生きてるなあ〜♪
私もまだまだ甘ちゃん。
もっと熱く熱く頑張らないといけないと自分の心を鼓舞された時間だった。
誘ってくださってありがとう〜♪
素敵な時間でした。


ところで我が職場の暖簾はこの方に注文して制作して頂いたもの。



勿論草木染。しかも「月見草」の花と茎で染めていただいた。
黄色く見える色は「アルミ媒染」で黒っぽく見える色は「鉄媒染」で。


持ってきてくださったのを見て私は
胡麻竹か黒竹かどちらかの暖簾棒がいるなあ・・・」と密かに思う。
流石にこれだけの草木染にプラスチックの棒はあまりだしなあ・・と。
雰囲気からでは黒竹か・・・と。黒竹がスッキリと美しい〜と。

その時彼女すかさず私に聞く。
「黒竹の暖簾棒持ってきたからあげようか」と。

目が点になっちゃったよ。何で分かったの?

そんなこんなでこの月見草の暖簾をかけてのいろは会が土曜日開催。



玄関に並んだ草履も夏の雰囲気。




今回は「透」(すける)というテーマ。



お母さんの着物と帯。
丈が足りないのでおはしょりがない。
んなこと、ちっとも構わない。臨機応変
縦絽。縦絽だけに透け感が薄い。光に当たると透けるが室内では余り透けない。
それでも縦糸に所々銀糸が入っていて涼やか。
昔から銀の糸を素材に織り込んでいたのね、と感動。
今はやりなのかと思いきや、昔の方々の単なるアイディアを頂いているにすぎない。
昔の職人さんはやはり凄かったのだ。

帯の赤い紅葉と青の紅葉がなんとも可愛い。

青い紅葉の色で小物をチョイス。


この方、涼し気で実に爽やか。


足元も麻素材で何とも涼しさの演出が素敵。
着物愛好歴が長いと流石にチョイスも堂に入っている。





やはりこの方も先の方と同じ、回数をこなすというのは凄い事。
選ぶ着物も絽の江戸小紋に帯は草にホタルの絵柄の絽綴れ。
合わせ方も実に格という点も文句なしで板についている。
女性ってやはり凄いなあ、と。
好きだというのはやはり素晴らしいと思う。
ここまでパーフェクトになっていくのね。。。



若干透け感が不足ですがそれも仕方がない。
何しろ六月はもう一度ある。
それも考えないといけない。(笑)



私は不規則な横絽に薄の付け下げ小紋、着物の前部分の薄は銀の糸で刺繍されている。
帯は花菱の柄の夏袋帯
すこし格を上げたのはそのいでたちのままアンデパンダン展に行きたかったから。
余りくだけ過ぎないように気を付けたので。



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      これからの「いろは会」のご案内

           6月23日(土) テーマ「涼」
      7月 7日(土) テーマ「半幅帯」(浴衣可)
      8月25日(土) テーマ「秋の気配」


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毎日お暑うございますが、暑さに負けずに又お会いしましょうね〜☆
職場の玄関も夏仕様・・・となりました。