和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

アンデパンダン展&いろは会

21世紀美術館で開催・・



案内を頂いた時「アンデパンダン展? 何それ?」
という感じだった。

19世紀にフランスで始まったアンデパンダン美術展から名称を借りているとのこと。
セザンヌやボナールなどもこの展覧会の出身とか。

意味としては「特定の流れにとらわれない自由で無審査の作品展」という意味らしい。
日本では日本美術会が「日本アンデパンダン展」を開催しているという。
石川美術会は発足以来毎年アンデパンダン展を行っているとか。
今年私の知人から案内をもらったので最終日ではあったが日曜日行ってきた。

いろんな分野の無審査、無償、自由出品の展覧会と言うのは何度か足を運んでいるにはいたが、私のどこかに「無償」と言う事はイコールお金を取れないレベル・・という感覚が動きがたい位の雰囲気を持っていた。ところが、そこでは表現と精神の自由さが最大限に尊重され、プロもアマも障害者も実に自由に交流し鑑賞し自主的、民主的に、互いの領分を尊重しあいながら独立して存在していて驚きであった。「えっ?」という作品の横に「おおーっ!!」という作品があったりして中々楽しい空間であった。中には年金暮らしですので・・なんていう方もあったのだが、物凄い生きるエネルギーに満ち満ちていた。六十歳で定年になってもこんな新しく自由な生き方が待っていると思うと年を取るのもわるくはない、そう思わせてくれる空間でもあった。

中でも私が感動した作品だけでも何とかお見せしたい・・・・
出来ればクリックしてアップで見ていただきたい。





本来写真は禁止なのだがこの制作者の方から特別許可を頂き載せることにした。
ブログにも載せたいことを申し出たが何処まで理解して頂いたのかわからないが
「変な事に使わんで」と。(笑)
何だかとても懐かしく心癒された絵だった。
板の木目が何とも写実的で昔の板塀の記憶が鮮やかによみがえり感無量。

実はこんな大作。どれだけ見ていても飽きず自宅に飾りたいほどの郷愁を覚えた。




さて、今回この会に誘ってくださったのが・・・



この方。後ろの二作品は共にこの方の作品。
この方は専門は草木染の染織家。
だから暖簾は分かる…
しかし、絵も描いていらしたとは。
しかも年季が入った腕前。
綿の花がグリーンに映えて実に爽やか。
色々な草木染の作品を作るアトリエの傍らに、キャンバスを置いて気分転換に油絵を描く彼女を想像してみる。こんな自然な中での満ち足りた生活に身を置く老後人生・・・何と豊かで贅沢な事であろうか。どんな毎日もその方が選び取ったものなのだけれど、できれば心地よいものに囲まれたこういう生活を選んで生きていきたいと羨ましく自分の慌ただしく過ごす日々をちょっと反省もした。

どの方にも言えるのだが、かなり年齢は上の方が多い。
そういう方々が本職とは違う所で趣味を持ちしかもかなりなレベルで頑張られているのを見ると本当に驚きである。
皆さんのエネルギーが凄くて圧倒されて帰ってきた。
皆さん、熱く生きてるなあ〜♪
私もまだまだ甘ちゃん。
もっと熱く熱く頑張らないといけないと自分の心を鼓舞された時間だった。
誘ってくださってありがとう〜♪
素敵な時間でした。


ところで我が職場の暖簾はこの方に注文して制作して頂いたもの。



勿論草木染。しかも「月見草」の花と茎で染めていただいた。
黄色く見える色は「アルミ媒染」で黒っぽく見える色は「鉄媒染」で。


持ってきてくださったのを見て私は
胡麻竹か黒竹かどちらかの暖簾棒がいるなあ・・・」と密かに思う。
流石にこれだけの草木染にプラスチックの棒はあまりだしなあ・・と。
雰囲気からでは黒竹か・・・と。黒竹がスッキリと美しい〜と。

その時彼女すかさず私に聞く。
「黒竹の暖簾棒持ってきたからあげようか」と。

目が点になっちゃったよ。何で分かったの?

そんなこんなでこの月見草の暖簾をかけてのいろは会が土曜日開催。



玄関に並んだ草履も夏の雰囲気。




今回は「透」(すける)というテーマ。



お母さんの着物と帯。
丈が足りないのでおはしょりがない。
んなこと、ちっとも構わない。臨機応変
縦絽。縦絽だけに透け感が薄い。光に当たると透けるが室内では余り透けない。
それでも縦糸に所々銀糸が入っていて涼やか。
昔から銀の糸を素材に織り込んでいたのね、と感動。
今はやりなのかと思いきや、昔の方々の単なるアイディアを頂いているにすぎない。
昔の職人さんはやはり凄かったのだ。

帯の赤い紅葉と青の紅葉がなんとも可愛い。

青い紅葉の色で小物をチョイス。


この方、涼し気で実に爽やか。


足元も麻素材で何とも涼しさの演出が素敵。
着物愛好歴が長いと流石にチョイスも堂に入っている。





やはりこの方も先の方と同じ、回数をこなすというのは凄い事。
選ぶ着物も絽の江戸小紋に帯は草にホタルの絵柄の絽綴れ。
合わせ方も実に格という点も文句なしで板についている。
女性ってやはり凄いなあ、と。
好きだというのはやはり素晴らしいと思う。
ここまでパーフェクトになっていくのね。。。



若干透け感が不足ですがそれも仕方がない。
何しろ六月はもう一度ある。
それも考えないといけない。(笑)



私は不規則な横絽に薄の付け下げ小紋、着物の前部分の薄は銀の糸で刺繍されている。
帯は花菱の柄の夏袋帯
すこし格を上げたのはそのいでたちのままアンデパンダン展に行きたかったから。
余りくだけ過ぎないように気を付けたので。



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      これからの「いろは会」のご案内

           6月23日(土) テーマ「涼」
      7月 7日(土) テーマ「半幅帯」(浴衣可)
      8月25日(土) テーマ「秋の気配」


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毎日お暑うございますが、暑さに負けずに又お会いしましょうね〜☆
職場の玄関も夏仕様・・・となりました。