和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

振り向かないで〜♪





「涼」と銘打って涼しさを感じるような着物姿を考えるいろは会が先日すんだ。
各自の色んな感想や思考が楽しかった。

「涼」を自分のこととして捉えた人、
涼しさを相手にどう与えるかを考えた人、
何時もの着物姿にちょびっと「涼」を加えた人、


色々だが先ずはご覧あれ…


夏大島の着物に羅の波模様の帯






光が入ると着物は透け感があり、涼し気だ。
前は帯揚げや帯締めがあるので少し明るくはなるのだが、如何せん後姿がちょっと黒々している。
バックの夏素材が若干ウキウキ感あるのだが、後姿を少しばかり工夫したい。
例えば、この羅の帯をもう少し柄をお太鼓の下に持って行くように結べばどうだろう・・・
同じコーディーネートでもちょっと波模様の爽やかさが後姿に出るのではなかろうか。


次の方は流石に年配者。
日傘を使用。
それだけで清涼感がある。
皺などが余りついていないのと、体にスッキリ沿っているので多分「綿麻交織」の夏素材に羅の帯。
白と緑の帯が一層涼しい雰囲気を醸し出している。
周りの緑にも映えてハッと人を振り向かせるかもしれない。






次の方は紗の色無地に銀糸の入った夏袋帯




白いUVカットの日傘も所々レースが入っている。
この方は特にここに気を使われたとか。



銀とガラスで作られたいかにも夏向きの髪飾り。
それを綺麗に自分で結い上げられた髪に。
初めてヘアをアップする時にはゴムでくくられお団子状態で
「髪を工夫しようよ」
と私に言われ
「駄目駄目、髪は苦手」
と言われていたのに、今ではここまでスッとできるようになった。
何でも努力するというのは凄いね。


次の方は紗の着物に羅の二重組織の帯。
このての帯は物凄く固い。
慣れるまで指が痛いと思うのだが、絞めれば締めるほど少しずつ馴染んで来るので一杯使って。




この方の今回のこだわりはこれ・・・


帯どめが「金魚」。
「涼しげじゃあない?」と。
「かわいい〜♪」の声。

この方の一番最初に直すべき点は髪。
髪がちょっと暑苦しい。
次回までに一工夫されたし。
また、もし麻色の無地の帯などがあれば金魚がまるで水槽に泳いでいるようなストーリーも出来上がるかも。


色んな切り口で皆さん思考されたようできっと考えているだけで楽しかったはず。
持っている着物や帯の数は変えられないのでちょっとした小物で演出された雰囲気があり。
見ていても工夫がみられる。
それがとても大切だと思う。

私はと言えば
白い蚊絣の上布に科布(しなふ)の帯。
今回は涼しさに拘ってみた。
蚊絣の白い上布の着物はお父さんが昔よく来ていた記憶がある方も多いかもしれない。
お父さんの着物があれば自分用に是非仕立て直ししてみては?例え長さが足りなくても、おはしょりがなくてもとても涼しいので病みつきになるはず。





麻は着ているとすぐ皺になるし、肘や膝が出てしまう。
でも身体との間に空間ができるので見た感じはスッキリ見えないのだが、何となく風をはぶんでいるように見えて、見る方も直ぐ麻の素材だと認識してくださるのがいい。
帯の素材は「シナの木」。昔は結構あったのだが、今では珍しい。でも締める時にちょっとコワい。堅い。
でもキチッと締めようと思わないと良い。緩くふんわり体に巻くと良い。だからお太鼓もパシッ、ピシッとしない。そのキツキツ感のないのが気持ちよいのだ。

帯枕はヘチマ。襦袢も薄い薄い紋麻にした。傘は柿渋で染めたものでもう20年も使っているので色あせている。それが自分では濃い色の新しい物より気に入っている。


この日は下に着る襦袢や肌襦袢下着をどういったものを選ぶ方がいいかなど少し話をした。
着物の場合大半の方はガーゼの肌襦袢か、もしくは化繊の洗えるものをチョイスされるのが普通だが、それでは暑すぎてとても二度と着物は着たくなくなるので色々涼しく着る提案をさせて頂いた。今では洗えるシルク100パーセント素材が出ているのでそんな話をした。ちなみに私はそれ。


今日も暑い…しばらく30度近くの日が続きそう・・
体調に気を付けてくださいね。

なお、次回のいろは会「半幅帯の結び方」は定員になりましたので締めきりますね。
冬なら10名入れるのですが、夏は暑いので6名で。
それに確実に結びこんで半幅エキスパートになっていただきたいので。



ではでは・・・もうすぐ7月
一年の半分が済む。
慌ただしい前半戦だった。
後半はちょっとのんびりしたい。。。