和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

名物裂文様〜☆

正倉院文様と有職文様の格の高い文様とは別に名物裂文様という文様がある。

正倉院文様や有職文様が式典や各種セレモニーでの格式にも耐える文様であるのと違い名物裂文様はお茶席等の時に重宝する文様で一般の外出着に比べちょっと場が効くというところか。有る程度の格式はあってもあくまで趣味性の強い文様。

名物裂とはお茶席等での茶器の仕覆や掛け軸の表装、袱紗などに用いられる裂地のことを言う。インド更紗、東南アジアの染織品の影響を受けているが、茶人が愛した裂として所持していた人の名前などが付けられ幅広く使われている。気軽なお洒落着として、少し気の張る所でも重宝する文様でもある。

吉野間道、糸屋風通、笹蔓間道、太子間道、いちご錦、二人静など・・数多い。
そのうちおいおい写真をアップできる時もあるかとも思うが、ここでは次の二つを紹介する。


         ★ 荒磯文 

「あらいそ」または「ありそ」と読む。


魚は中国では富と幸福のシンボルとした。沢山卵を産む所から子孫繁栄の吉祥文様。
私は長い間、波間に踊るのは「鯛」だと信じて疑わなかった。実際は「鯉」である。
この模様が繰り返される。


         ★ 有栖川文 

有栖川家が所蔵していたためこの名がついた。名物裂では有栖川鹿文という。
幾何学的な構成の中に様式化した鹿、馬などを襷、菱形、長方形、八角形の中に配す。
加賀藩前田家伝来の有名な有栖川馬文もあり、それらを模したものが数多くある。



私的には名物裂でも足利義政が「二人静」を舞った時に着ていたとされる能装束の裂で濃い紫に向かい鶴菱の「二人静」の文様を載せたかったのですが、あまりにも鳳凰が書きにくかったので簡単な柄にした。
そのうちに・・お見せできる時もあるかと・・・
そのうち・・いつか・・機会があったらが段々増えていく・・

それまでブログをやっているかどうかさえもわからぬ・・・のだか。