和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

沈黙を破って・・・

「仲良きことは美しきかな」

確か武者小路実篤の言葉だったと思う。

本当にそうだろうか・・・

その「仲良き」のレベルにもよるだろう。

 

表面だけの仲良しにどれだけの意味があるだろうか。

仲良し・・というよりいつの間にか無関心、無責任ということになっていないか。

本当に何かと真剣に向き合っていく時、意見の相違は勿論のこと、対立して険悪な雰囲気になる事すらある、あってしかるべきで無い方が不自然である。十人いれば十の意見がある。譲れない部分で対立することは仕方のないことでもある。

それよりも私は危惧する。

真の自分の思いを隠し、表面だけニコニコして笑顔で語る事がさも美しいことでもあるようなそんな接し方を怖いと思う。対立した後の相手への理解が永遠に得られないからである。そこには進歩も発展も永遠にない。嘘も方便・・・私には無縁な言葉である。

 

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生徒さんに問いたい。

トップにいることだけを考えることに意味があるだろうか。

自分だけいい思いをすることを考えることに価値はあるだろうか。

面倒なことをいつも人任せにして逃れることに反省はないのだろうか。

自分だけは面倒なことに巻き込まれたくないと思うことに後悔はないのだろうか。

ビリだから足手まといになるのではないかとビクビクしていないだろうか。

長谷川の言うとおりにしておいた方が無難だと受け身の姿勢ばかりではないだろうか。

 

そして私は言いたい。

歌がうまい・・だからどうなのだ。

撥さばきがうまい・・それがどうしたのだ。

私たちは人の生き死にを語っているのだ。

人の思いが分らないのに琵琶の弾き語りもないもんだ。

隣の人の思いを知ろう。

向かいの人の考えを知ろう。

そしてまずは自分の本心を見つめよう。

少なくても先ずはその努力はしないといけない。

私たちの向かっている先は見掛けではなく、「魂の内側」だと思うから。

 

皆で話し合う時に自分の思いを堂々と口に出して欲しいと思う。

それは違うのではないかとひるまずに言って欲しいと思う。

それでその場の雰囲気が悪くなってもその先にはきっと互いに少し分かり合える世界が近づいてくると思うから。

いつも言うように、私たちは一つの大きな縄の輪の中にいると思っている。

大きな壁を乗り越えて行くには互いの協力なくしては絶対無理である。

一人のパフォーマンスでどうにかできるものではない。

一人一人が一生懸命練習し、共に支え合い、苦しい時を乗り切る。誰がトップであろうが、誰がビリであろうがそんなことは問題ではない。一丸となって苦難を乗り越え一つの目標に向かって力を合わせ努力していく。そこに価値がある。それが素晴らしい。時には皆を支え 時には皆に支えられ、全体として少しずつ前進し目標に近づいていけたら・・と。壁を乗り越えていけたら・・と。そんな集団になれたら怖いものはない。そんな素晴らしい集団はない。それを目指したい。いやそれしか目指す所はないのではないかとすら思う。

 

最後に・・・多分これが一番言いたかったこと…

もし私が言ったり思い込んでいたりする事で違うと思った時には躊躇せずに言って欲しい。自分の本心を言うことに恐れないで欲しい。

昔、初代黒田長政が謡を披露した時のこと。

家臣は誰も彼もその下手くその謡を一同ほめたたえ称賛したという。しかしその時一人の家臣が言った言葉。

「殿がへつらいや追従を見抜けないようであれば当家の長久は望めない」と。

誰でも褒められるのは嬉しいし、もっと聞きたいと思うものである。

でもそういう一つの意見だけが全てだと思うところに心の罠がある。

そんなことはありえないから。

長政は痛く反省し毎月「異見会」(意見会ではない)を開き耳の痛い事を家臣から聞く機会を作ったとか。これが通称「腹立たずの会」となったのだ。

 

私はちっぽけな人間なので耳の痛い事には腹も立てると思う。くっと髪を逆立てるかもしれない。

でも耳の痛い事こそ人一倍しっかり聞きたいとも思う人間でもある。反省は人一倍すると思う。その結果その意見に従うか従わないかは別の話である。それは自分自身の問題である。

着付け教室を開いた時の座右の銘

「汝を褒むる者、悪魔と思へ」だった。

何年もの間、ホワイトボードに貼って自分への戒めにしていた言葉である。

 

私も含めて皆で守って気を付けていきたいと思う。

 

 

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・・・・・・・・・・無沙汰のお詫び・・・・・・・・・・・・♪・・・・

日々の雑多な中で苦しみ悩みもがき、自分なりに何とか活路を見出そうとしている毎日だった。家の中にも外にも、仕事でも、そして何より自分自身の事など、本当に目の前の事から一つずつ片付けていくしかなかった。楽しいことは見事な位 殆どなく(笑) 時には座り込んでしまう日もあった。「なんでもいいから、私を笑わせて!!!」と無理無体な電話もした。まさに「うずくまる女」・・・もとい、「うずくまる婆」だった。

ブログにまで手が伸びようはずもなく、全て煩わしくなったりして少しお休みをもらっていた。考えないといけない事が本当に山積。気が付けば私の髪はとっても薄~~ー~~くなっていた。笑い事ではなかったけど、笑った。

メールや電話で励ましてくれた方々、ありがとう。

持つべきものは友達だね。容赦のない叱咤激励・・・いやいや叱咤叱咤だったか・・

大丈夫です。私は何とか人並みに元気です。(笑)

着物の事がご無沙汰なので、次は「柳絞り」について書くね。