琵琶の音が少しささくれ立っているような・・・
糸のすり減りが目立ってきている。
「糸を変えよう」と突然思い立つ。
ついている四本の糸を全て外す。
絃が切れないと滅多に変えないのだが、この日は何を思ったか一挙外した。
首の竹の部分に石蝋を塗る。
糸の滑りをよくするため。
これがないとキシキシと音がする。
向かって左から一の絃、二の絃、三の絃、四の絃となる。
一の絃を張る。
順次張ってゆき・・・・
完成。
全部張り終えた。
習い始めた時はチューナーなど使わないので一本ずつしか張り替えるのができなかった。音を確かめながら今日は四の糸・・今度は三の糸・・というように前後左右の音を聞きながら恐る恐るの張り替え作業だった。チューナーを使うようになってすっかりチューナーだよりになってしまった。
大体が音感ゼロ、私の耳はバカ状態。
先日神社の集会所を借りての全員で合同練習。
コロナ感染が心配で中々狭いところで全員集まれないので久しぶり。
いゃあ~とても楽しかった。
今の方々は本当に音感がすこぶる良いのでうらやましい。
特に若い時に楽器を触っていた方はやはりスバ抜けて正確である。
私は「ねえ・・この音、あってる?」などと生徒さんに聞きながらの参加。
「ずれてる!!少し高い!!」と指摘を受けながら調整している。
「今度は上がっていく時は大体いいけど、降りてくる時のラとㇷァが少し低い!!」
音というのは聞いているその瞬間は分かるのだけれど、時間がたつと音が私の頭から消えていていつの間にか他の音に微妙にすり替わっているようだ。しかも押さえる指の感覚だけで音を出しているので毎回違う音になるのだ‥(笑) 精進するしかないね。
すぐに聞き分けられる人って凄い。
先生の身としては本当に恥ずかしい限りであろうが、案外と本人はめげてはいない。(笑)ローマは一日にしてならず・・・である。
すぐにできないのは今に始まったことではない。
しかし、何をさせてもどん臭いのよね、私。。。
中学の時のリードバンドのアコーディオン担当だったが、コンクールの時に「お前は絶対音を出すな」と言われた経験がある。音感もさることながらリズム感が全くなかったらしい。さっさとやめて英語劇のクラブで「ベニスの商人」に挑戦したっけ。デュークか何かの役柄だった。このことは以前中学時代の話としてどこかで書いているはず。
ここでちょっと調べてみた。
「中学時代」ではなかった。「私のボイストレーニング」だった。
記憶までややこしい。
参考までに
案外さみしい記憶のはずなのに傷はない。というか、この程度を傷と言っていたら私は全身傷だらけになってしまう。正しい選択をするための一つの「辻」だったのだ。話は違うが「辻」という漢字は音読みがない。こういう字を「国字」という。「辻」の他に「峠」とか「躾」とか「榊」とか。私はこの程度しか知らないがかなりの数あるらしい。「躾」は着物で使うのでその時に気が付いた。
話を元に戻す。今まで琵琶を習ってきた時に自分が全く気にもしなかった「音の正確さ」というものに今向き合っている。琵琶の場合どの程度まで正確さを求められるかは今からの課題。何とか私でもどうかなる範囲であって欲しいと切に願う。まあ今後に期待してくだされ。
これからもどうぞよろしく・・・~・・♪
すすき葉のさ青長葉のしげり葉の
するどに垂れて風あらずけり (木下利玄)
身の透けて心あらはになるごとき
秋の日向の白きに遊ぶ (富小路禎子)
夜静かに本を読むのが楽しくなるこの頃・・
久しぶりに短歌の本を開いたらなんだかとても新鮮だった。
もっともワインの量が目茶目茶増えるのだが、それはそれで又よし・・・・