和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

「庭園コンサート」&「お召」

まずはこちらのお知らせ・・・
旧家でお庭を見ながらのコンサート・・・




          
          4月28日(土)午後2時〜

          庭園コンサート♪♪♪
         箏/  伊藤美智恵『六段』
        哥澤/  哥澤芝駒恵『住吉』
         笛/ 藤舎秀代 『春の月』
         書/  斎藤千霞
      薩摩琵琶/  長谷川凍水『横笛』

           琵琶は私、雲龍柳が演奏いたします。
         

     ※チケットは2500円ですが、多分ほとんど3月に予定人数完売状態。
      有名な老舗とあって凄い人気です。
      でも今日、明日あたりなら2人3人はまだ大丈夫かも。
      電話予約必要。
      まだ未定ですが、今回は能美市でしたが、
      そのうち金沢でも開催予定と聞きました。
      金沢近辺の方、暫しお待ちください。
           


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前回「お召」について少し触れた。
で、今日は「お召」についてもう少し。

「お召」は正式には「お召縮緬」の略。
江戸期、11代将軍家斉に京都西陣で作られた「縮緬」を差し上げることに・・
将軍様はサラリとしたこの着物をことのほか気に入られたとか。
将軍様がお召になった縮緬」ということでこの名があるとか。
とか一説には「徳川家への御召料」として献上した所からとか。
では普通の縮緬とどう違うか…

まず普通の縮緬は糸に撚りをかけて織られる。
出来上がったその縮緬地の白生地を精錬しその後色をかける。
精錬すると撚りが戻ろうとしてシボができ縮緬独特の凹凸ができる。
凹凸ができると羽二重や綸子のような光沢はないが、シボの凹凸が影となり生地に陰影を与える効果があるのだ。
縮緬は白生地を織ってから後で染めるので「後染め」である。




一方お召はまず糸を精錬し染色する。
その後、撚りをかけて織られていくのである。
当然精錬をしているので糸の光沢はある。しかも撚りをかけて織られているのでシボもできるという訳である。
こちらは先に糸を染めているので「先染め」である。
お召は案外縞模様が多かった。
将軍様に献上した物は「縞お召」であったように言われている。

勿論今は色んなお召が作られている。
代表的なものとして「上代お召」「縫い取りお召」「風通お召」など。
上代お召はしっかりした風合いで中でも紋を織りだしたものは「紋上代」とも。
縫い取りお召は生地に織り出してある模様部分を金糸、銀糸、色糸などで織り出していて一見、刺繍が施されているようにもみえる。お茶席などで紋を付けた着物で見かけたりするのがこれ。
風通お召はジャガード機が普及し発達した二重組織。裏と表とで色が逆になっているのを見かけたことはないだろうか。
もっとも「縫い取り縮緬」とか「紋意匠縮緬」とかもあるので物凄くややこしいといえば言える。一言で言えば、お召は「サラリ感」「シャキッと感」があるのではないかな。






どれも緯糸に強撚糸を使うので元に戻ろうとする力が働きシボができるのであるが、この強撚糸の緯糸を「御召緯」(おめしぬき)という。
いろんな地方でお召が作られていたのだけれど、現在は「白鷹お召」「塩沢お召」「西陣お召」が有名。
とはいえ、どの地方もかなり減少していると思う。そうそう、「桐生お召」というのもあった。
雨コート地をイメージすると分かり易いかも。ちょっとシャキッと感がある。

去年京都に徳永先生の絣工房を訪ねた時のブログを見てもらうと分かり易いかもしれない。
あの時大枠という機械に巻き付け撥水性の紙を捲いて防染していたのがこの糸でもある。
と、いう私も完全に理解しているわけではない。
実に我ながら心もとない知識であり理解でもある。
何度もいろんな糸や工程や工房を見せていただかないと甚だ不確かでややこしい。
深くて複雑なものは理解したり、認識するにはやはりそうたやすいことではないのだ。
でもだからこそ楽しいし嬉しいし、理解できた時はとても愉快、爽快、納得するのだ。

幾つか実物をお見せしようと写真を撮ったのだが上手く撮れていなかった。
まあ、写真で・・と言ったところで分かりにくいことはとても分かりにくいのではあるのだが。
何といっても実物を見るのが一番、触ってみるのが一番である。
私が前々回のいろは会で着たのが西陣お召。
いつか塩沢お召も機会を見つけてお見せしようと思っている。
白鷹お召は何処かで書いたかもしれぬが板締めで糸を染めるそれはそれは凝ったものなので値が張る。
私は持っていないのだが、何度か着ている方を見たことがある。男性だった。白地の実に細かい美しい亀甲だったように思う。
金沢は着物好きな洒落た男性が時々いるのだ。渋いね。いつか写真を撮らせてもらう事もあるかもしれない。



又時間を見つけて色々此処彼処、勉強しに行ってこよう…
まずはこの膝をもう少し良くしないと…(笑)





桜がついに満開〜♪♪♪