和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

能面が笑った〜!?!


北陸でもとうとう春一番が吹いた。
まだ少し雪は降るかもしれないが春は近い。


木蓮にスズメ


シジュウカラ


この子はだあれ〜♪


ジョウビタキの女の子〜だった。


こちらのバックシャンはヒヨドリさん
とても恥ずかしがり屋さん。
う〜ん、私と一緒。


アカハラ


カルガモ



前回撮影に失敗したアカハラジョウビタキ、何とか写せた。
良かった。ほっ。




ところで能面・・
能面に胡粉を塗った。

そう書くと「ちゃっちゃっ」と塗れると思うでしょ?
まず胡粉を「乳鉢」(にゅうばち)なるものに入れ、「乳棒」(にゅうぼう)なるものですりつぶしていくのである。
丁寧に…・・細かく細かく・・更に細かく・・・もっと細かく。
決して急いではいけない。
一瞬、私は小石川養生所の漢方薬をすりつぶす下働きのお婆状態。(笑)
そこに溶かした膠(にかわ)を薄めてちょっぴり流し込む。

膠は動物の骨から採取し作られたもの。
今回私が使った膠は鹿の骨から取ったものらしい。
少しずつ混ぜていく・・一挙にすると団子状態となりアウト。
ちょっというと小麦粉にバターを混ぜていく要領。
少しずつ球を作らないように・・そして最後には耳たぶの柔らかさ。
白玉団子を想像する。
それが済むと今度はトロトロ状態になるように更に混ぜていく。
そしていよいよ能面に塗るのだ。
・・・と書くと簡単そうでしよ?
一気に手早く塗らないといけない。
悠長なことをしていると垂れてくる、厚みが違ってくる、乾き具合が違ってくる・・
更に泡が一杯顔の表面にできる。あばた一杯になる。それは避けたい。

乾いたら塗る・・・乾いたら塗る…
それを繰り返して最後はヤスリをかける。

実は毎晩ヤスリで磨いた。十日間・・・
夜仕事が済んで寝る前の一時間から二時間の間を。
目や口や鼻の周りなど注意を要する所を丁寧に。
片目で二時間はかかる。(ワインを飲む時間が大半を占めるのだが)
今日は左目を。今日は下唇を。額を。左頬を。
唇は中々うまくいかない。
唇ってどうなってる?唇と顎の間って?
自分の唇を鏡で見ながらヤスリをあてる。
鏡を見たからと言ってうまくはいかないのだが、

「綺麗にしてあげるからね。」
「どこにもいないような美しい肌よ。」
「明日はもっときれいにしてあげるからね。」

毎晩話しかけながら磨く私。
いつしか能面と話をしている気分になった。
能面の名前はいつしか「お雪」。

「雪、どこか気に入らないところある?」
「ん?額?」
「任せておきなさい。」

優しい猫なで声で話す私に家族は妙に気味悪がっている。
知ったことか…(笑)
・・・それは・・〜・お雪という女〜・・♪・・
下手くそながら歌う。お雪でなくて小雪だった?
たしか将棋指しの方の歌だったな〜?
いやいや小雪舟木一夫?
記憶もどんどん怪しい。

この間何て「小椋佳」の話になった時三十過ぎの男性が
「えっ?誰ですか、その人」と。
えっ?こちらが驚いた。
三十過ぎの方はすでに知らない名前なのか。
随分長く生きてきたもんだ。
話がどんどんそれていく。


能面の話…
磨いた後に、こうなった。


しかも・・角度を変えて写真を撮ったら、何と・・・


何処とはなしに微笑んでいるように見える。何とはなしだけど・・・
嬉しい〜・・お雪ちゃんは満足してくれているようだ。
しかし、上唇がいけない。もう少し手直ししてみるか。

次回は肌色を塗ることに挑戦できるかな?


前回のブログから時間がたってしまった。
色々二月は忙しかった。
あともう一つテレビの収録が控えている。

それが済むと・・・気持ちはうんと楽になる。
いよいよひな祭りの時期となる。


三月がなんだか待ち遠しいね。
生けてあるのは寒牡丹〜♪