和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

眠れぬ夜に・・・

以前、ブログで母の歌を紹介したことがある。




     ※ 野菜売り2
           http://d.hatena.ne.jp/umryuyanagi104/20121114/1352855644


久しぶりに母の歌集を開く。
舅、姑、小姑と三人の病人を見送り
最後は長い間病に伏していた父を見送った。








    

         君の棺(ひつぎ)見送る吾のまなうらに
                  訣れの手を振る君がまぼろし




         幼な子を手放したる如此の双手
                  何に使わむ夫なき今日より







         夢のありや問われて戸惑う吾なりき
                  日びの目先の事のみに過ぐ




         みごもれる身にて面会にくぐりたる
                  雪の大手門まぼろしに顕つ







上の歌は戦時中軍隊にいた父に面会に行った時の事を
老いてからも時々思いいだしていたのに違いない。





         我が畑の草ひく手もとに埋もれおり
                    逝きにし夫の白き貝釦




         飛ぶ鳥に倣いて身の辺を整理する
                    吾を見詰むるもう一人の吾






これは自分の命がもうあまり長くないと思った時
身辺の整理をしだしていた時のもの。




   かあさん・・・
       かあさんの命日、もうすぐ・・