和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

私のボイストレーニング〜♪


今回は今受けているボイストレーニングについて書こうと思う。
以前小学校の時のことは書いたことがある。

     石川先生
        http://d.hatena.ne.jp/umryuyanagi104/20120618/1339973105


廃校になるような小学校で音楽教育どころかちゃんとした教育を十分に受けていなかった。
でも物凄く楽しかったし、今の私には宝物のような大切な思い出である。
ただ統合された中学校に行って物凄く苦労もした。
なにせ他の小学校から来た子供達とは全てに於いて天と地との差。
それは中学校時代のブログとして既に書いている。

      中学校時代
        http://d.hatena.ne.jp/umryuyanagi104/20130116/1358319718


小学校の時の同級生は皆なにかに苦労したに違いなく、私は中でも音楽だった。
勉強は何とか自分で頑張るとしても音楽はいかんともしがたい。
そこで一計を立てた。
当時のリードバンドなる部活に入ることにした。
担当をアコーディオンとした。
しかし、楽譜も読めぬ私に皆と同じことができるはずもない。
「頑張る」と1人連呼し、「何とかする」と熱い炎の気を吐いても気迫だけでどうなるものではない。
音感もなければリズム感もない。それに近い教育もなければ環境もないのだ。
皆が一曲を通しで何度も練習する間に私は一小節も弾けないのである。
皆の脚を引っ張るだけ。
ついに「辞めてもらえないかなぁ〜」と。
「もし残りたいなら残ってもいいけど舞台の上では弾いている振りをして音はださんで」と。
挫折感満載で辞めることになる。

その時のことがあり、私は音楽と言う物に近寄らなくなっていた。
人生、気持ちだけではどうにもならぬ事がある・・・その時の深い教訓でもあった。


で・・・・今はと言えば、七年前から琵琶に魅せられている。
琵琶は音感不要。リズム感不要。誰にも合わせる必要もない。
1人で弾いて1人で語る。1人で全て完結する。
自分の失敗は自分だけで納められる。
他の方に迷惑にならない事も頗るいい。
琵琶と浪曲は案外似ているように思う。
浪曲を語りながら「ペペンペンペン・・」と叩く扇子が琵琶となるのだ。
音程もなければリズムも特別入らぬ。
必要なのは「間」くらいか・・・

このブログでも何度も琵琶の事を書いてきている私である。
今までは良かった。1人練習して1人悦に入り、1人挫折し1人悟るのだ。
しかし、最近思う所大。
音感はやはり大事。リズム感も多少は何とかしないといけない。
何より自己満足だけではやはり寂しいではないか。
琵琶の中に詩吟もあれば和歌もある。
琵琶を歌う時にも腹式でないとかなり無理がでてくる。特に長い曲。

勿論気付かない振りで押し切ろうとも考えたこともあるにはある。(笑)
でも、根が何と言っても真面目な私。知らない振りは出来そうもない。
遠い昔の手痛い挫折もあるのだが、思い切ってキチンと音楽教育を受けたいと思ったのである。

さあ・・・・何処で習うか・・・・どんな先生につくか・・・

実は私は物を習う時は師匠が物凄く大事だと考えている。
中途半端な人は嫌だと思った。
優しくなくてもいい・・怖い人でもいい・・・多少高くてもいい・・
でも教え方が垢ぬけている人であって欲しい。
何故そうなのかをはっきり分らせてくれる人がいい。
私のどこがどう悪いのかをぼんやりとでなく、理路整然と指摘して欲しい。
そして、とても大事な事は心に熱い思いを持っている人であって欲しい。

で、見つけた。
音大を目指すような方々を教えている人。
時々音楽堂でコーラスなどの指導や指揮もされる。
ピアノも声楽も素晴らしい方。

何度かお家の前まで訪ねて行く。
しかし、中から聞こえてくる素晴らしいピアノの音やオペラのようなソプラノの声に身が縮む。
ドレミも分らないような私に時間を割いて下さるだろうか・・
1/2も 3/4拍子も何も分らない私に・・
指導されている時は無理なのでお家が静かな時に出直そう。
流石の私もちょっと心が怖気づく。



しかし何度考えてもこの先生しかいないと思う。
無くなりそうな勇気を振り絞って又訪ね、チャイムを押す。
「何か?」と問うその方に、必死に分ってもらおうと話す。
「失礼ですが、そのお年、もう良いのではありませんか?」と言われる。
はっきりしているのもいい。
いやいや、死ぬまで努力したいのだと訴えた。琵琶も上手になりたい。

「音痴は簡単には治りませんよ」とも。
「でも訓練しないよりはいいでしょう!!」と粘る私。

「少し考えさせて」と。
でも此の方は次の時に絶対断ってくると感触で思った。

次の時、御自分の体調の事も言われた。
もう無理はしたくないのよ・・・とも。
やんわりと断られた。
体調を出されると無理押しはできない。

確かに習える所は一杯ある。
あるにはあるのだが、私は良い先生に習いたかった。
厳しいことはちっとも気にならない。
むしろ優しくても、さっぱり要領の得ない教え方は私は続かないのが分っていた。
何度も頭を下げ、何度も自分の思いを分ってもらおうとした。
そして最後にこう言った。
「時間の無駄と思われたら、何時でも打ち止めして下さっていいです。まずは半年でも、一年でも教えてもらえませんか」と。
「一週間に一度が無理なら、二週間に一度でもいいです。一か月に一度でもいいです。他に行くつもりはないのです」とも。

ちょっと考えられて
「そこまで仰るのなら・・」と。

その日から一週間に一度のトレーニングが始まったのだ。
何をしているかと言うと、和音の聞きわけ、そして腹式呼吸、音の出し方、音の集め方、
特に琵琶の時には私は口は下半分しか使わないので口の上の筋肉を如何に使うか・・・などなど。
和音の聞きわけなど中学校のテスト以来。
「これは?」「ドミソ」と。
「じゃあこれは?」「ドファラ」と。
「どっちもドミソ」「あちゃあ〜」
そんなことで恥ずかしがってはいけない。

「ラ〜♪の音を出して・・」と言われ
「ラ〜♪」と声をだす。
「ラと声を出しているけど音はファの音」(笑)
赤面ものの日々の連続〜。
もとより覚悟。一回が必死。

私の音感教育今始まったばかり・・習い始めて半年経ちまする。

半年前、初めてこの先生の前で歌ったのが「むすんでひらいて」だった。
「音程がずれてもいいので最後まで歌える歌を」
と言われそれしか歌える歌がなかった。
恥ずかしいも何も言っていられない。
ただがむしゃらだった。
道行く人はいつもはカンツォーネなどが聞こえてくる窓辺から
大人の声で「むすんでひらいて」が聞こえてさぞビックリだったろう。
人がどう思うかなど構っていられなかった。


あれから半年・・・・
先日習い歌ったのが・・・「ゆりかごの歌」
初めて言われた。
「全ての音を外さずに歌えましたね」と拍手を頂いた。

イエーィ〜♪♪と思わずガッツポーズ。
なせばなる・・・なさねばならぬ・・・何事も。

まずは一歩進んだかな〜☆




     ゆりかごの歌
                 北原白秋

ゆりかごの 歌を
かなりやが うたうよ
ねんねこ ねんねこ ねんねこよ

ゆりかごの 上に
びわの実が ゆれるよ
ねんねこ ねんねこ ねんねこよ

ゆりかごの つなを
木ねずみが ゆするよ
ねんねこ ねんねこ ねんねこよ

ゆりかごの 夢に
黄色い月が かかるよ
ねんねこ ねんねこ ねんねこよ


    
     


              ☆☆〜頑張るお婆の記〜☆