和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

秋のすずしさに遊ぶ  〜コート・羽織〜

  
    秋くれば手に拾いたる小石にも遠きいのちのあるここちする
                           (与謝野晶子

 


ドウダンツツジは紅葉まっただ中〜
でもまだ紅葉は・・・


もう少し〜。

紅葉が始まり、桜が満開になるころまでには普通帯出しでは歩かなかった。
羽織とか、コートを羽織った。
しかし、現在のように1人が一台車を持っていたり、屋根つきの駐車場完備や空調設備の整った施設がほとんどの今は案外コートや羽織を着られている方は少ない。第一運転しづらいし、脱いだ後荷物にもなる。北陸のようにみぞれや雪が降る土地では防寒と言うより雨コートなどで撥水される方が多いせいかもしれない。


しかし、どんなことも知らないより知っている方が良いし、安心である。
いつどこで其の知識が必要になったり役立つかは分らないのだから。
と、いうわけで今回の着物座学講座「いろは会」では羽織、コートについて。

着物との違い、名称、役割、形など一通りおさらいした後、羽織を着て頂いた。
今回は「一つ紋の黒羽織」と「一つ紋の絵羽織」
一頃爆発的に流行り入学式、卒業式には色無地にこの羽織が人目を引いたものである。
今は大正ロマンの丈の長い羽織を召される方も多いのだが、ちょっとした着方、脱ぎ方のコツを。




帯出しも悪くはないのだが、羽織姿も中々色っぽさがある。
多分ちょっと引いた感じになるからではなかろうか。
何時も何時も自分が・・・私が・・・一番ではなく、少し控え目、ひっそり感が何とはなしに奥ゆかしい。
「ひやあ〜、私も羽織が欲しくなったよ」
という皆さんの声。
いやいや、何でもすぐ買うのではなく、まずはあるものから。
お母さんの物、おばあちゃんの物、親戚から頂いたもの、まずは其処から。
ちなみにお茶室では着用禁止である。
金沢のように茶道の盛んなところでは案外羽織は作られていないかもしれない。
茶室以外なら結婚式でも着用はOKである。


ところでこの日実践したのは羽織紐の付け方。
案外知っているようで知らない。
そんなことは仕立てやさんや呉服屋さんの仕事・・と思っていませんか?
自分の着物くらいは自分でできるようにしよう。
まして昔の古いものは羽織は大丈夫でも羽織紐は案外汚れているはず。
ちょっと絵に書いてみた。


こんな感じ。羽織の紐を通す小さな穴を「乳」という。読み方は「ち」という。
男性の物も同じ。
そこに裏から羽織紐を表向きにして通す。

結び方はこんな感じ。


帯締めと帯の上線の間に結び目が来ると落ち着く。
若い方はちょっと上気味、年齢の言っている方はちょっと下気味が美しい。
帯締めの向きと羽織紐の向きが同じ方向になることも大切。
此の時は略礼装の黒い羽織と絵羽織だったので羽織紐は白。
しかし、色んな羽織の柄や格があるので羽織紐も色んな物があると言うことも一応参考に。


コート類は四種お見せしたのだが、質問があった。
「黒いコートは紋を付けなかったら普段用になりませんか?」と。
意見が分かれるところだが、私は普段用にしていいと思うと答えた。
但し、羽織裏を遊ぶことである。素材も少し考えるべきである。
脱いだ時に真っ黒の羽織の裏にちょっとお洒落な文様があったり、光沢のある素材であったり、また、膨れ織のような遊び心のある素材を使われるなら良いのではないか、と。洋服でも同じだと思う。真っ黒の洋服でもそこに素材としての遊びがあったり、おしゃれ感があると案外喪服として人は見ない。きちっと如何にもの黒い服だと普段にはちょっと・・となる。着物にも洋服の感覚で柔軟に対応されてはどうだろうか。


着られないような着物でちょっと遊んで羽織にするのも悪くはない。
まずは持っているもので工夫されることを勧める。

 
・・・・・・・・・・・おさそい・・・・・・・・・・・・・・♪・・・・

 11月7日(土)に着物での簡単なランチを皆で計画。
 久しぶりに着物を着てみようという方、是非。
 何だか久しぶりに着物姿で外出したい方、集合。
 帯結びなど忘れている方は当日教室で教えますので電話予約を。
  (ランチ参加者に関しては指導は無料〜)

 ただし、事前予約必須。和装組曲で習われた方限定。
   (予約は10月末まで待つ・・・・ここ笑う所〜★)
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さてさて・・・・最後に
散歩途中で見かけた可愛い鳥さん・・・を。

もそもそちょろちょろ・・・見え隠れ〜


見えるような見えないような・・・




おおっ〜これはコゲラさん?!違う???


後ろ姿もキャッチ。


とってもお茶目で、可愛い〜♪
くちばしを開けてついばんでいるアクロバティングな姿がチャーミングだったのだが、動きの速さからか皆ピンボケ。
コゲラってこんな住宅地にもいるんだねっ。
初めて写せてうれしい☆







      身の透けて心あらわになるごとき秋の日向の白きに遊ぶ
                           (富小路禎子)