和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

半襟付け

とても地味な作業だが美しい襟元には半襟付けは欠かせない。
例えば仕立て屋さんに付けて頂いたとても丁寧で美しい襦袢の襟を身にまとうと美しい衿になるかと言うと案外そうでもない。



平面にたたんで置いておくと確かに美しいのだが、衿を抜いて着てみると実は抜いた後ろ衿に案外皺ができる。
真っ直ぐな物を身体に沿わせて着るのだから内側に皺が寄るのは当たり前と言えば当たり前。
だから余り気にしなくてもよいともいえる。
ちょっとでも皺ができないようにしたい方のちょっとしたコツもある。

又、使っていれば当然汚れる。汚れたらそのたびに半襟を付け替えてもらっていては費用もかさむ。
ついつい汚れたままで何度も我慢して着る・・・という方も少なくない。
でも汚い襟元はよろしくない。
一枚の着物と一本の帯・・・
それでずっと過ごされるのは悪くない。
しかし、半襟はやはり美しい清潔な物を使って頂きたい。

で・・・・そんなに難しくない衿の付け方を指導した。

月2回の「いろは会」でのこと・・・

まず付け変える新しい半襟を用意する。
白でもよいし色のついたものでも、刺繍のある可愛いものでもよい。
極端にいえば端切れでもよいし、好きなスカーフなどでスカーフとしてもう使えないものでもよい。
半襟の大きささえあればいいのだ。
それを端を1センチほど折りアイロンをかける。


ここで何時もは必ずある質問。
表裏はあるのですか・・と。
刺繍の半襟は表裏ある。一目瞭然。
しかし塩瀬やちりめんは素人目には分らないので一応ない・・としておこう。
微妙に光沢が違う場合など困った時はピカピカ光らない方を表にされると品が良い。

アイロンをかけた後いよいよ付けるのだが、半襟の中央と襦袢の背縫いをまず待ち針で止める。
衿肩開きから衿肩開きまでをまず待ち針で止め後は端から端まで待ち針を討ち縫う。







物凄く細かく縫う必要はない。
又汚れたり、季節が変わったらはずして付け変えたりするのだから。
この部分はそれこそ3〜4センチぐらいの目でも着た時にはちっとも影響はない。

半襟を縫うプロの方はこういうところまで物凄く丁寧にキチンと細かく縫われているのだが、
私達は恐れを知らぬ素人集団。
いいのだ・・・・ザクザク縫うのだ。
取り外しが楽な物の方が、次の付け替え作業が億劫ではないのだ。

ただ針で手を刺さないでよ・・・ちょっとでも血が付くと半襟は使えなくなる。






こんな縫物をする姿を世の男性陣は家庭内で見たことがあるだろうか・・・
いやいやご自分でされてもちっとも構わない。それはそれで素敵でもある。
男でも女でも自分の半襟を自分で取り換えられるってやはり美しい姿だと思う。

さて・・・一通り縫えたら今度は内側の処理。

裏は衿肩開きまで外へ、外へと引っ張って付けるのがコツ。
ここで引っ張る度合いと自分の衿の抜きが上手く一致するととても皺のない美しい後ろの衿の抜きとなる。
これは一度の半襟付けでは中々上手くはいかないのだが、何度か付け変えているうちに自然と自分の好みとなる。
この衿肩開きから衿肩開きまでの間はとても丁寧に縫い目が見えないように縫った方が着た時に美しい。



物凄く真剣・・真剣な姿はとても美しい〜♪



季節は早九月。
早いねっ。
着物では薄物から単衣時期となる。
半襟は絽のものから立てシボもしくは塩瀬やちりめんとなる。
まだまだ暑さは残るだろうけど半襟はちょっと秋バージョンにしましょう。


何でもかんでも呉服屋さん任せにせず、自分でできることは自分でしましょうね。
そういうことができる自分って、可愛い〜・・・♪


私も馬鹿な事ばかり書いていないでたまには着物の事を書かないと・・と思った次第。
季節は確実に秋に移行している。
夏の着物、汗をかいたものはしっかり沁み抜きもしくはクリーニングに出しておこうね。

今回は襦袢の襟でもバチ衿の半襟の付け方を講習したのだが、
9月15日夜8時から、広衿の襦袢の半襟付けの簡単な講習をする。
単衣から袷に変わる10月に向けて半襟付けを知っておきたい方、どうぞ〜♪
仕事帰りの方はこんな時しか中々できないよね。
希望者は付けたい襦袢と付け替えたい半襟、そして裁縫箱ご持参でいらしてくだされ〜
既に何人かいらっしゃるので駐車場の関係で予約必要。
ではでは・・・・またねっ〜☆