和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

着物の手入れ〜♪&私の事


先日のブログでtakikioさんから頂いたコメント。
返事を書くと言いながら遅れていた。すみません。


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昨日、台風が近づく中、お茶の勉強会に行きました。車を降りてからが大変、5分ほどの間にずぶぬれ、コートも準備せず傘だけだったのでひどいモノでした。足袋もびっしょり。足袋は会場のお茶屋さんに売っていたので急きょ買い求め、履き替えました。
会場では午前中、立っていました。すわると畳を濡らすので。
紗の着物でしたが、帰宅して私がやった手入れは、霧吹きで濡らし、すそに洗濯ばさみで重しがわりのバスタオルを下げるというふうにしてしわ伸ばしというか変形を調節しました。
こんなとき、ほんとはどうするのでしょう。もちろん着物のクリーニング屋さんにお手入れを頼めばいいのですが、高いんです。

夏の紗や絽はこれでよくても単衣の着物はかなり濡れた場合、業者に出すしかしかたないのでしょうか。

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着物の手入れ・・・・実は物凄く苦手。
と、いうのが自分で本に出ているように色々やってみてうまくいったためしがないのだ。
ベンジンで衿の手入れ・・・なんて着物の本に出ているのだけれど案外うまくは取れない。余計シミが付いたりする事さえある。

でいつも沁み抜きや汚れは専門店にお任せしている。
袷の物は案外しまう時に出せば済む。
問題は夏のものだ。



汗をかく・・毎回出していたら物凄く金額がかさむ。確かに。。。。
なら、着物を着るなよ…と言うことになるのだが、私の工夫をちょっと話してみる。

夏の物としたら、素材は絹、麻、綿。

まず【綿】・・・綿は水に強い。浴衣を洗濯機で洗うのは可能だし案外うまくいく。綿の着物は案外大丈夫。

じゃあ【麻】・・・はどうかと言うと一概に言えない。水には強いと言うのだが、上布という物もある。基本私は着物は水をくぐらせない。汚れてもすぐ業者に頼む。但し、麻の襦袢は洗う。汗をかいているので洗わないと気持ちが悪い。

つまり綿の着物、そして麻の襦袢は水洗いする。
ただし・・・普通にジャブジャブしない。綺麗に収納する時のようにたたみ、四隅を手ぬぐいなどの布を当てピンチで留めてからネットに入れ静にさっと手洗いする。長い間水につけている人がいるが案外縮む。私はそれが嫌なので新しく仕立てる時にそういうものは仕立てる前に水をくぐらせて縮めれるだけ縮めておくことを勧めている。
もし何年もして縮みがひどい時は丈を出せばよい。洗った後の仕上げは綿も麻も同じようにスピーディに。
又、洗濯機で脱水を掛ける時は軽くにする。後は干す時に皺をのばして綺麗にしてから干す。しかも完全に乾かさずなま乾きの時にアイロンをしっかり掛け織り目もきちりと付けておく。これだと布目も綺麗になるし縮みも少ない。完全に乾いてからアイロンを掛けるより細かい皺もすっきり取れて綺麗。

そうそう・・・麻の襦袢でも「絽麻」と言う織り方は洗うと縮みが物凄く烈しい。絽目が皆縮むのだ。麻で洗えないとだめと言う人は絽麻の襦袢は避けた方がいい。

では【絹】・・・これは触れない。専門の業者に頼むしかない。
一度絹の襦袢の古いものを同じような感じで洗濯してみたことがある。丈の縮み方もさることながら艶や柔らかい手触りがなくなるのが一番のダメージ。

専門店に出されることを勧める。


ではご質問の突然の雨に打たれた時の場合。
コメントに書かれてあった処置でいいと思うが、所詮雨水は汚れているので後のちシミや傷みの原因になる。ちょっとの雨なら何度か着るのは可能だろうがずぶぬれになられたようならすぐ出した方が良いと思う。

お茶をやられている方であれば多少の天候でも着物を着ないといけないので撥水加工をされてはいかが?全ての着物にしなくても薄物、単、袷と一種類だけの組み合わせだけでもパールトーンのような撥水・防汚加工した物を用意しておけば心配しなくていいのでは。冬はコートなどを着るのでせめて単、薄物だけでもと。昔 出がけの頃の撥水加工は絹の手触りまで違って出来上がったけれど今の加工はほとんど気にならない良い加工だし十年くらいは持つので私は白い着物だけは冬の物でもしている。

あ、あと「縮緬」や「お召」は雨や水にぬれると硬くなったり縮みが部分的に出たり繊維の中に入り込んでいた糊が固まったりと色々不都合が出てくる。それは専門店に出しても治らないので特に大事なものは絶対に撥水・防汚加工をお勧め。一万円位でできるはず。それで十年もつなら一年千円。信頼のおけるお店でよく着る着物には加工するべきだと思う。

こんな程度で質問の答えになっています?
ちょっとわかりにくい書き方かも。何でも聞いて下さい。






   今日はもう一つどうしても書いておきたい事がある。




            「普通であるということ」


私は普通の六十代のお婆である。
見かけも普通・・特別取り立てて言うほどの才能も美貌もない。
地位もなければ名誉もないのは言うまでもない。
ただ日々一生懸命生きているだけの本当にフツ―のお婆である。

知ってるさ〜何をいまさら・・・と思われるかもしれない。

しかし物を教えていると時々習いに来る人は勘違いをするのだ。
人格もできている人にちがいない・・と。でないと人を教えられないだろう、と。
まして着物に関する事だから、優雅で落ち着いていて物静かに違いない、と。

とんでもない。
人一倍短気だし、人一倍気は荒いし、どうかすると言葉も単刀直入、それこそ品もくそもないのだ。
ぼさぼさの頭で、しかも白髪交じりで時々は濡らした指先で跳ね上がった寝癖の毛をごまかしたりもしている。
見かけだけではない。内面もひどいものだ。
トボケた事を言う人には明らかに嫌な顔をするし、何度言っても練習しない人には怒なりつけてしまう、そんな人間である。
粘り強さも丁寧さもなく、物凄くきまぐれでやんちゃなお婆である。品格も何もあったものやない。




「先生なんて言わんでいいよ、名前でも・・・お婆でもいいよ。いやぁ〜婆やでもいいよ」
呼び方なんて何でもいいのだといっている。


ブログでありのままの私を出したかった。
決してほめられた人間でもなければ、人並みすぐれた才能を持っているわけではないのだ。
腹も立てるし、怒りもする。こけたりもするし、馬鹿な事をしたりもする。時々あぐらだってかくさ。やんちゃな所いっぱい持っているさ。失敗も一杯するさ。ほめられた人ではないよ、確かに。でも隠していないでしょ、そんなところを。
それを正直にありのまま受け入れてくれてそれでも習いに来ようと言う方がいれば十分だと思っていた。
一つ・・・物凄く誇れること…着物が大好きだし、着物を着られない人には物凄く一生懸命教えることは人に負けない。
どんなにドンくさくて、物覚えが悪くても一生懸命手を抜かず教えるさ、私。其の人があきらめなければどんなことをしても着ることができるようにしてあげるさ。だって其の人のできないわけが手に取るようにわかるもの。それは昔の私でもあるから。

その熱い思いさえあればいいと思っていた。特別儲けようとか、・・・儲かるならもうかるほうがいいかぁ〜・(笑)・・特別野心があるわけでもなく、ただ好きな着物に携わって自分の知っていること、できることをそれを望む人に伝えていけたらいいなあ〜と。それだけの小さな夢とささやかな楽しみで日々生きているごくフツ―のお婆なのだ。

物凄い期待をされてもね。
一生懸命努力する以外、上手になるにはどんな近道もないのだと教えることしかできないよ。


私に品位や人並み以上の事を求めないで。
私は物凄くできた人間・・・・という仮面をかぶりたくないのだ。
そんなことをした日には息ができなくなるから。
きっと自分が自分を一番よく知っているから。
どんな仮面をかぶっても自分の心が自分を知っているから。




でもね・・・・
「ふ・つ・う」という言葉もとっても好きなの。

「ふ・つ・う」ということがこの年では物凄く嬉しいの。

「ふ・つ・う」に生きる事ってとっても難しいもの。



我が家のサルスベリ
今年初めて咲いた。
やんちゃな花。
各枝が好きな方へと自由に伸びていく・・・・