和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

鴫(しぎ)の模様〜♪


コメントでおなじみの方・・・
おめでたいことがあった。
娘さんの結納に相手方に出かけると言う。
相手方のおばあちゃんがとても高齢なのだけれど参加できるように、と。
高齢のおばあちゃんの事を気遣うお孫さん・・・素晴らしい方ですよね。

しかし・・・
「何着て行こう?」となる。
迷ったが中々着て行くものが決まらない。
相手方にはおばあちゃんもいなさる。
キチンと礼儀正しくしていきたい、と。

で・・・結局「鴫」の絵柄の訪問着を着て行くことにした。

上品で中々渋い。東京友禅に違いない。
「三夕の歌」の一つ「鴫立つ沢」を思い浮かべる。
    
  
      心なき身にもあはれは知られけり
             鴫(しぎ)立つ沢の秋の夕暮れ (西行) 

まさにテーマは秋・・である。
絵も色もひっそりと品が良い。
水辺の草の葉の一枚一枚の暈しの技法もとても吟味されていて美しい。
所々に微かに金の砂子(金の装飾方法の一つで細かい金粉を振りかけること)も品が良い。
しかしこれだけ渋いと帯が難しい。

「やっぱ、袋帯やよねぇ??」
と、メールがはいる。彼女、帯の選択に難航しているのが分かる。
「ばあちゃんみたいな地味な着物や。合う帯がない。」
とメール。
「鳥の着物だから帯に鳥は可笑しいやろ?」
とも。
ひっそりと静かな雰囲気の着物なので変に華やかな帯は違和感がある。
「もっと華やかな着物に変えようかしら?」
とも。
堂々巡りの中に迷い込んでいるようだ。
メールで言っていてもらちが明かぬ。
「迷う帯、皆持って教室においで。」と。

前の柄は鴫が二羽。
めでたい日にはつがいで丁度良い。

地味な着物に地味な帯は晴れの日に寂しい。
かといって地味な着物に派手なものは着物が死ぬ。

たまたまその時に教室に何人か養成コースの生徒さんがいた。
みんなでああでもない・・・こうでもない・・・と組み合わせてみる。
「私はこれが好き〜」
「私ならこれ〜」
誰もあなたの事を言ってないよ・・などと楽しい一時。
みんな人の事より自分が好きか嫌いかに走るのよね。(笑)
畳の上で見ていてもらちが明かぬ。
着てみる事やね。
あなたの顔写りもあるからね、と。
その場でサ・サ・サーと着る。
柔らか物の着物に袋帯で多分7〜8分位・・・そんなにはかかってないかも。
それが出来ると言うのもこれまた凄い。

さあ・・・どれにしたと思う??


お祝いの日に家族と相手先に向かう彼女・・・

地味な着物だからこそ、この上品さがでる。
当日は気持ちがあせあせとしているので中々自分で落ち着いて着るというのは難しいはず。
何回も着こんでいるからこそできること。綺麗です。帯も最後の合わせ方の帯の裏を使いました。一番落ち着いているコーディネートですが、娘を持つお母さんとしたらこれ以上の合わせ方はない・・はず。
お嬢さんにはピンク色の自分の着物を着せてあげられたとか。

「おばあちゃんになってもこのコーディネートで大丈夫?」
と聞くので
「多分死ぬまでいけるよ」と。

おめでとうございます。
無事色々なことが滞りなくすまれたようです。

おうちに帰られて次の日もお嬢さんに自分の着物を着せつけられたとか。
着物を着る事が出来るって素敵〜♪
ちょっちょっと二人で着物を着て遊ばれたとか・・・最高〜♪



けいこさん・・・いつもブログでコメントを頂きありがとうございます。
私が誤って消してしまった鳥尽くしの着物も写真に撮り送っていただきました。
いつかお披露目できる機会に皆さんにお見せしますね。



      【今日のおまけ】  ( ← inuwanさんを真似した )  


海を背景、にこやかな彼女・・・・
着物の丈も美しい。
上からのアングルなのに足がとても長い・・・・



さて・・・さて・・・・ここで問題です。
これから彼女がすることは次のうちのどれでしょう〜。


     1,海岸線を上品に歩く。
     2、海に向かって朗々と謡曲を歌う。
     3、桜貝を静かに拾う。
     4、海に向かって力強く石を投げる。









正解は・・・・


           
        おっ!!・・・〜・・とぉ〜っ・・・・・予測不能の行動。
             でも二重太鼓が美しい〜・・・・・・・