和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

受講生の声   〜モナコ編 & 京都編〜

今回はお二方のご紹介。



    ● Sさんの場合・・・・モナコ編 ●


以前 「受講生の声」〜デンマーク・コペーンハーゲン編〜として載せた。
美術館の中での彫刻に囲まれた晩餐館、しかも世界一と認められたシェフによる料理・・・
何処のどんな方なの・・・という驚きの声が幾多。

その方、今回はモナコに招待された。
で・・・

話の先に、ちょっぴりと皆さんにもモナコの香りを・・・
Sさんが撮ってきてくださった写真を載せるね。
F1のサーキット場が作られている途中の写真もあり面白い。

なにせ私は金沢からほとんど出ない・・出れない・・人なのでこのブログでこんな海外の写真など滅多にないこと・・・
彼女は一昨年ニース、去年コペンハーゲン、今年モナコ・・
学会の後のレセプションの参加のために着物を習いにいらしたという経緯がある。

今回は前に二回外国での着物姿なので自信はあったはず。
着物と帯の復習は一度で良かった・・・はずだった。

所が今回彼女のお母さんがどうしても着てほしいと着物と帯を準備されて送られてきたとか。
以前二回もお母さんの着物と帯だったのだが、今回は私もちょっと唖然。
帯が異様に重い。私の40年前の袋帯でもこんなに重くない。それでも中の芯を抜いて使っていた。

彼女のお母さんの帯は物凄く・・・本当に物凄く重かった。

いつもならお母さんの思いは思いとして受けとめましょう・・と言うところだが、今回は軽い帯も一杯有るのだからそれにしなさい・・と。これは重すぎ。帯自体も重いし中の芯もすこぶる重い。芯を抜くにしても日にちもない。どう見ても芯を抜いたところで重さが物凄く変わるとも思えないくらい豪華でぜいたくなものだった。お母さんは余りの重さに自分では着れなかったらしい。ほとんど使用されていない。だからこそ娘には何としても結んで欲しかったようだ。
「無理」と心で私は思う。余りにも重すぎ。丁度何人かチーム・HASEGAWAのメンバーもいたのだが、皆同じ意見。絶対自分で結ぶのは無理・・・という重さなのだ。
「私がこういったと言ってお母さんに今回は見合わせていただいたら・・」と。


その時Sさん・・断固として言い放つ。
「母は自分がこの帯を何としても結びたかったくらい思い入れのあるもののようです。今回は目をつむってこれを使う覚悟です。」と。

で・・・特訓とあいなる。
といっても練習にいらしたのが三回。
私は最後にはもっと軽い帯にされるのではないかと思っていた。
でもやりとおしましたよ。偉い。

で・・・・お見せしましょう。



日本からは50人あまりの方がいらしたらしいが、着物姿は彼女1人。「民族衣装といいながらも着物を着る方が本当に少ないのに驚き。」と。
午後の三時から着物を着て、大勢の方のダンスのお相手を受けられ・・
この写真を撮られたのが夜中1時から2時。本人いわくかなり激しくダンスしたり写真のお相手をしたり、動いたりとかなり着崩れた・・と。
いえいえ、大丈夫。とってもお綺麗ですよ。
何より何としても着てほしいというお母さんの気持ちにこたえられたことが素晴らしい。この写真はお母さんへの何にも代えがたいお土産のはず。
お母さんへの思いだけでやりとおされた。

Sさん・・・素敵〜♪
Sさん・・・最高〜♪

  【陰の声】
    この帯が丸帯でもないのにこれほど重いのは多分糸と織り方のせいかと。
    糸は確認できないのですが、24金に近い金を使ってあるのではないかしら・・・と。
    推測の領域。何度か私が手に持っているだけで指が痛くなってくるほどの代物でしたよ。
    お母さんが購入されたときの思いまで加わって思いがこれほど重いとは(ここは笑っていただく所・・・・笑)


  
        ○ Uさんの場合 京都編 ○


Uさんは京都丹後から習いに来ていらっしゃる。
勿論着物の為だけでなく別の用事があるために石川県にいらしている。
そのついでと言っては何だが、着物をこの機会に着れるようにしたいと。
今では着物を着る事もできればお嬢さんに振袖を着せる事もできるまでになった。
以前赤い振袖に白い松の振袖をご紹介した方。

お嫁に行く時ご両親がタンスに沢山着物を持たせてくれたのに自分で着れないのはとても残念だからと。
若い時なら人に着せてもらうのはちっとも恥ずかしくなかったのに、ある年齢からは流石にちょっと・・と。

この日は2日後に迫るパーティーへの出席のために復習と仕上げにいらしたのだ。
とても綺麗に着ていらっしゃるのだが、本人はどうも少し着物での参加に気遅れ。
老舗旅館の女将さんたち、料亭のおかみさんたち、接待に当たる慣れた着物姿の方々に混ざって自分の着物姿が着なれぬ雰囲気を放つのが怖い・・・。
大丈夫・・と私は何度も言うのだがこればかりはなれないと堂々とは中々ふるまえない。


躾のまだかかっている着物を初めて着られるのだ。
ご両親がこんな時に着られるように作ってくださったのだ。
タンスに躾のかかったままでしまっておくよりどれほどよいか・・


で・・・・当日。
携帯にメールが入る。

とても綺麗に着られたこと、ご主人が物凄く喜んでくださったこと、回りの評価も思う以上に良かったこと、美容院の補正のされたガチガチの着物姿を見てそれが自分にも分ったこと・・・自分は習っているうちに目も肥えてきたのですね・・・と。

言葉使いはもっと違うのですが…ここにそのまんま出すわけにはいかぬ。
この方も私もとても上品なのだから。(笑)

でこのUさん・・・嫁ぎ先が丹後。縮緬の里。

縮緬の工場を一度は見てみたいという私に
「つれていきまひょか?」と。
で・・・あれよあれよと話が進み・・・こんな観光資料まで作ってくださったのだ。


私は1人でも行ってこようと思っている。どなたか一緒に行きたい方、車で金沢までの往復をしてくださるそうなので申し出てください。
一泊予定。主なところは・・

       ちりめん街道→ちりめん大使館→縮ちりめん工場→アミティ丹後

これ以外にちりめん茶屋、ちりめん工房など盛り沢山。日にちは参加したい方がたと彼女の都合で決めます。平日となる予定。

彼女は責任ある地位にある方なのに仕事の合間を見て、今回このように申し出て車でないと中々行けない所をしかも工場見学など全て手配をしてくださる予定。絶好の機会。私と一緒に旅館に泊まるのがお嫌でない方限定。(笑)


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


Sさん・・・Uさん・・・

快く写真をアップすることを了承頂きありがとうございました。
お2人ともハードな毎日を責任のある立場でフルタイムに働く素晴らしい女性たち。
知り合いになれ、パワフルに仕事に、家庭に、趣味に邁進する姿、健気に努力する姿、素晴らしかったです。

       あ・・・あ〜・・・私も負けてはいられぬ。頑張らねば。