和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

車いすの方の着物の着せつけ

早くも五月の三日・・・日の経つのは早っ〜・・・!!!




お問い合わせがあった・・
車いすで生活する方が着物を着て法事に臨みたいとのこと・・・可能かと。


「半身不随」と「着物」の着せつけで検索したら「和装組曲」のブログに行きついたとのこと。
「ちよさんとのこと」、のところで半身不随や車いすの言葉がバンバン出てきたからに違いない。
車いすでの状態にもよる。どんな状態かによって若干違う。
基本的に本人が着たいと希望することに関しては良いと思う。
ただ下半身まひの状態にもよる。
全く動かせない状態、でも本人のたっての希望で・・と言うのであれば
思い切って着物を二つに切る方法を勧めたい。

たとえば・・・

ご主人の法事・・
奥様が車いす車いすから動けない・・という場合。
でもパジャマに毛の生えたようなものでなくちゃんとしたものを着たいというご希望を持たれたなら・・

無地の着物を帯の下になる部分で切る。
下半分は紐を付けて着やくするというのでもよいが、私はダーツを取ってゴムをいれロングドレスのような巻きスカートにするか(本人がトイレに行ける場合)、もしくはマジックテープでぱちりととめるやり方をおすすめ(寝たままで着せつけできる)。勿論襦袢も一挙にスカートの裏地のように縫ってしまう。上半身はおはしょり部分を折り返しそのまま使う。
これで本人は全く着物を着るために立たせたり、何かにつながったり、誰かの支えなど必要としないでいつものように介護者が寝たままの状態で着せつける事簡単に可能。

次は帯。
黒い喪服用の名古屋帯を念頭に置かないことだ。車いすの方にはしんどいだけ。
半幅帯を準備。浴衣用のリバーシブルで良い。ただし片面、黒。片面は着る着物の色に近いものにすると良い。グレーの着物なら半幅帯はグレーと黒・・・と言うように。
そして自分の頭にある結びを捨て去ることだ。
巻きつけて最後は後ろ、もしくは横で巻いた帯に差し込むと良い。
本人が一番つらくないはず。焼香の時、一瞬でも車いすから立たれるようなら貝の口あたりの結びで。浴衣用の帯で適当なものがないなら喪服の名古屋帯を半幅帯に縫いなおせばよい。これは素人でもできる。


このやり方なら介護者は1人で着せつけられるし、力もいらない。
着物を着ている本人も辛くない。又お客さまも普通の着物を着ているように見えるはず。

車いすの方がしばらくたっていたり、つながっていられるならここまでしなくても大丈夫。
ただ車いすの方は脚の筋肉が衰えているので健康な方が思うほど長時間立つのは疲れるはず。
ここでいう長時間は五分ほどの事。二〜三分が病人にとっては立つ限界かと。

着物を簡単な二部式にして帯は半幅・・・これが一番着せる方も着る方も楽で事故がないかと。

また小物としては足袋はストレッチの効いたソックス形態のもの、草履はちょっとした時に外れないように後ろで鼻緒と鼻緒を紐で固定してあげると良い。

ご質問の方・・・こんな感じで答えになっているでしょうか?


介護をされたことのない方はこんな内容を読むと
「そこまでして着物を着る必要があるのか」と思われるはず。
それは車いすの人に
車いすに乗ってまで外に出る必要があるのか」というのと変わらない。
病人だって太陽にあたりたい・・青空をみたい・・外の空気をすいたい・・・鳥のさえずりをききたい・・・のだ。
たまにはおしゃれもしたい・・お化粧もしたい・・気分を変えたい・・・時には精一杯の礼をつくしたい・・・のだ。
そのちょっとしたことが心に良い・・気持ちに良い・・そして体にいいのだ。それに思い出に残る。
本人が気分良く過ごせれば介護する方だって嬉しいのだ。
半年に、もしくは一年に一度の事でも物凄い気分転換になるのだ。

病気や怪我でご家族を介護されている方、少しでも何かお役に立てるかもしれないと思う。これからは花火大会、夏の納涼イベントなどもある。
病人やけが人であっても少しでも家族の方と一緒に楽しまれたら気分転換にもなるはず。お医者様のストップがかからないような方で有ればいつでもご相談してたいね〜♪。もしわからないようであれば何時でも和装組曲に。勿論無料でご相談に応じるつもり。





      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ここからは私事。
いや何時だってこのブログは私の私事に違いない。
毎日、めちゃくちゃ私物化しているのだから(笑)


昨日・・ちょっと・・少し・・いやいや・・凄く・・・本当は物〜凄く・・・
不愉快なことがあった。
車で帰って来たのだが、ちゃんと運転できるか物凄く心配なほど気分は最悪だった。
家に帰ってから気がついた。唇から血が出ている。

    憤りじつと堪えてまたたけば
       くれないだりあぎざぎざに見ゆ
             (岡本かの子



どうも余りの悔しさ、憤り、我慢して歯で唇を噛んでいたようだ。
こんなこと初めて。

この怒り・・・どうしてくれよう・・・・


       「幸せのごとき思うな」しばしして
            「うらみを生きよ」今日しるしたり   
                        (田井安曇)
                     
そんな思いだった。

家に着くとなんとブログ友からお届けもの・・・
なんと花器・・・
早速電話・・で・・お礼もそこそこ・・話を聞いてもらう。
怒りに震える私の愚痴ならぬ訴え・・・
30分以上話したかもしれぬ。
互いに・・・志をまげるな・・という結論となる。

      納戸の隅に折から一挺(いっちょう)の大鎌あり
               汝が意志をまぐるなといふが如くに
                            
ふっと若山牧水のこの歌が浮かんできた。


電話を切るころに怒りは1/3位減っていた。
(2/3しっかり残ってはいる。これはおいおいさあ〜・・・。)
ありがとう〜・・・聞いてくれて〜。。。。
いい迷惑だよね・・すんませなんだ。

これが頂き物の花器で生けた玄関の花・・


花器もいいけど生け方もいいね〜・・・・♪
私はいつだって自画自賛!!
謙虚さと言う物を知らなさすぎ〜(笑)
スックと立った葉っぱは昨日私の心にささった「剣」そのもの・・・