和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

今日の・・・仕事〜♪

私は今日は五時起床・・
朝から雪が降っている。

教室に暖房を入れ今日の仕事の準備をする。
七時前に昨日準備にこれなかった方たちが来て自分の担当者の衣装、小物一式をまとめ点検する。
七時二十分・・全て行く準備終了。玄関に荷物運ぶ。

  事務所で確認事項・・・
 
 ☆今日のお客様のセレモニー&パーティの内容と諸注意。
 ☆気持ちの良い一日を過ごしていただけるよう各自の責任を確認。

七時半・・現地のホテルに出発。
山手のホテルなので雪の具合が心配なのでタクシーを使う。
坂道があってすべる。万が一お客様に迷惑をかけてはいけない。安全策。
八時に到着。

何人分かの衣装一式なので台車でないと運べずホテルの方が台車を用意してくださる。
ここでハプニング・・・
なんとそのホテルの方・・・私が極真空手をしていた時の同僚の男性の方。
今は黒帯二段で道場で師範をしているとのこと。
寄寓・・・エレベーターやホールでの移動の最中も話が弾む。
「どうしているのかなあ…」とお互い気にしていたのが分かり改めて名刺交換。

で・・・・ハプニングの話はそれくらいにして・・・

戦闘開始ならぬ・・・仕事開始。気合をいれる。
「押忍」(おす)は空手で使っていたあいさつ・・・(笑)
私たちは「よろしくお願いします」とどこまでも大和撫子流。


   

終了。
結構疲れた。
お仕事を下さった方にお礼を言い帰途につく。
私の心はかなりイラついていた。

で・・場所を移動して反省会。

言いたいことは山ほどあった。
人の目もあるしこんなところで無粋なこともなあ・・と思い気持ちの半分ほどでやめておいた。

まず・・・

みんなよく練習してくれていたし各自頑張ってくれていた。それは認める。
出来も悪くはない。でも凄く美しい・・・と私が絶賛するほどではない。
こんな姿で街を歩いている方も一杯だし、それを思えばとても上手。

でも・・・私は不満足だった。
皆ならもっと上手にできるはず・・・
突然起こるハプニングも何とか乗り越えられるはず・・
皆の力量と練習量を考えるとまだまだ出来姿に不満足・・
こんな程度で満足する人たちであってほしくはない。

練習で十回パーフェクトでも当日にパーフェクトとなるとは限らない。
それを思うと何回練習しても十分ということはあり得ない。

私の琵琶の話で恐縮だが・・

私は初めての琵琶の演奏会は習い始めて半年後のことだった。
演奏会まで三カ月しかなかった。
何をどうしていいのかもわからず、手始めに演奏会に弾く与えられた曲を千回練習した。
千回も弾けば何とかなるはず・・と。
それでも不十分な出来で失敗した箇所があった。
初めての舞台で頭が真っ白になった。
あっという間に終わった。
敗北感だけが残った。

で・・次の年の演奏会には一曲を三か月で二千回練習した。
でも十分な演奏には届かなかった。
で・・考えを変えた。回数ではないのではないか・・・と。
一曲を一回弾くのにものすごく丁寧に時間をかけて弾くことにした。
一日一回一曲でもいい・・心をこめて弾くことに集中しよう。
それを何百回練習することにした。回数にこだわらず練習内容に重点を置いた。
ではそれでうまくいくかというとやっぱり上手くはいかないのだ。

だからと言って練習をやめてしまえばそれで終わり。
だから黙々と続けていくしかないのだ。
心をこめて一生懸命に・・何年も・・続けていくしかないのだ。
何年も、何十年も・・・そうやって諸先輩方は三十年・・五十年・・・と。
琵琶が好きだから・・・。
琵琶が上手になりたいから・・・。
練習そのものが楽しいのだ。

それだけしても諸先輩方は絶対言わない。
「何度練習しても上手くできない」とは。

高々千回・・・たかだか二千回・・・たかだか五年十年。どれほどの物なの?
私たちは何十年やっていても未だ満足できる演奏には届かないの・・・と。
練習すればするほど目標も高くなるのだ。
目標を高く持たないから満足できるのだともいえるのだ。
その話を聞かされた時、三千回でも四千回でもやってやろうじゃあないの・・・
五年でも十年でも、死ぬまでだってやってやろうじゃあないの・・と思ったものだ。
満足した時が終わりなのだと。


誰かに強制されて始めたことやない。
自分で好きで始めたこと。
特別な才能を持って生まれてきたわけでもないのだ。
努力するのが嫌・・・練習が嫌・・・
それならやめなはれ〜・・・と思う。

努力も練習もせずちょちょっとやって上手くなるものがあればそれをしなされ〜と。

練習を黙々とする。それが素晴らしい。
すぐに結果につながらなくてもその姿が美しい。
誰に褒めてもらわなくてもいい・・一生懸命していることを自分が知っている。
それでいいやないの。

ちょっとたかをくくっていた方もいる。
自分の中の目標設定が低い方もいる。
どこか人ごとの方もいる。
スランプで落ち込んでいる方もいる。

自分がどれに当たるかは本人がきっとわかるはず。

でも、今回ものすごく練習していた方を私は秘かに知っている。
その方の手さばきが日に日に違った。
私の注意をただ聞かない。必ず次回までに直して来ていた。
目の光が違っていた。
真剣に取り組んでいることが痛々しいくらい伝わってきていた。
仕事で疲れた体に鞭打って黙々と毎日頑張って練習していたに違いない。
ただ、図らずも結果がついてこなかった。
でもゴールは今日やない。
これまでの練習が花開くのは
一年後かも・・・二年後かも・・
十年後かも・・・・死ぬまでわからない・・
今結果が出なくても何時の日かの成功につながるはず。
今日の日の為に頑張ったことは決して無駄にならないはず。
頑張れ・・・と思う。
諦めるな・・・と思う。
1人静かにうなだれるその人に心から声援を送りたい。

今日はブログの皆さんにお見せできる着せ方が一つとしてなかった。
残念ながら。
私の中で線を超えるものがなかった。
美しいと私が感動できないものを無理やりアップしても意味がない。
で・・・お見せできない。
変わりに今日は1人キュートでおちゃめな子の方を・・・
控室で・・・1人皆の注目を浴びていた・・・