和装組曲♪

・・着付け教室、琵琶演奏、能面制作などに勤しむ日々のあれこれをグダグダと綴ります・・

小物で工夫〜☆

昨日は琵琶の会で先輩の「勧進帳」を聞いてきた。よかったぁ〜・・・
若い時は勧進帳という名前を聞いただけで古臭いイメージがあったのだが。
二年後ぐらいには挑戦したい曲だと秘かに思いながら楽しんできました。
私は・・・といえば「屋島の誉れ」を謡ってきました。
後輩の方は「本能寺」。これもまた良かった。
みなさん、精進されているのがわかり更に頑張らねば・・と思い帰ってきました。

で・・・昨日のブログのコメントを見ると
みなさんを悩ませ、苦しめたよう・・・で恐縮。
みなさんが恐ろしい領域に踏み込まなくていいように今日は簡単、楽しいブログを書いてみよう・・・と。

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               「小物で工夫〜♪♪」

土曜日の教室でのこと。
生徒さんの半襟〜。


白の塩瀬の半襟水仙の柄。
「アップリケ、付けてみました〜」と。
「可愛い〜」と声が上がる。

半襟を季節に合わせて身につけたいが中々お高い。
で、その彼女。水仙の小さなアップリケを縫いつけてきて自分なりの工夫。
で、水仙のグリーンの葉っぱに合わせて帯上げ、帯締めの色を考えた。

こういう工夫は可愛くて好きだなあ・・と。

それを見た別の方、
「いつも着物と帯はなんとかコーディネートできるんだけど、帯締めや帯上げの色が迷うのよね。沢山買えるわけでもないのでこの色ならオールマイティ・・って色ない?」
と質問される。

「緑」「茶」「青」そのあたりの濃淡はなんでもにかなりあうと答えた。

・「黄緑or緑」は木々の葉の色。
 
  緑の葉っぱの上にどんな色の花がのってもしっくりくるように緑はどんな色でも受け止めてくれる

・「金茶or茶」は土の色、木の幹の色。

  地面はその上に何色がのろうが泰然自若、受け止めてくれるし違和感もない。大いなる色。

・「水色or青」は空の色。

  空はどんな風景のところにも爽やかな雰囲気を与えてくれる。それこそビルディングも、田園風景も、険しい峡谷も。

「緑」「茶」「青」全て外の見慣れた風景の色なので誰の目にも違和感ない。



そして・・・あえてもう一色、そこに加えるとしたら「白」。
それもできれば「真っ白」でない方がいい。
すこーし、汚れた白色・・着物の世界では「薄汚し色」という。


一番上が「真っ白」に近い。
下の帯締めは少しずつ色が付いている。
 (帯締めの組んだ部分を見ていると色が分からなくなるので糸の部分を見て。つまり房の部分。ここが一番色が分かりやすいかと。)

実際、締めると「真っ白」は若いお嬢さんならいいのだが、少し年齢が行くと若干ほんの少し・・・生成りが混ざったり、薄い青みが混ざったり、薄い緑が混ざったりの方が使いやすいし品が良い。
混ざる色も「緑」「茶」「青」という自然界を連想させる色が良いかと。

ちなみにほんのすこーし・・・薄い水色が混ざった色を「甕覗き」という。

    甕覗き・浅葱・縹色・藍色・納戸色・・・

というように青でも色々な色があるのだが、その中で一番うす〜い色を言う。
「藍」色を染める時に藍の液につけなくても、その甕を覗いただけで染まった色・・という何とも言えぬ情緒のある命名。私はこの色の命名が好きで襦袢の色に使う。

別名「白殺し」とも・・・

また、頭脳集団がパソコンで検索、奔走しなくていいように一言。
「甕覗き」と「白殺し」とを少し違う色としている学者もいる。
「甕覗き」のほうが若干白に近いと書かれている本もある。
「一入染」(ひとしおぞめ)と言って一度藍甕にくぐらせた色が
   「甕覗き」「白殺し」「一入染」と並ぶという書物もある。

どちらにしても「甕覗き」「白殺し」が白に近いといえる。
「白殺し」という名前からしてどんな色も真っ白でなくて少し色が付いているときに使ってもいいのかもしれないが、昔は「藍」の色が何と言っても色の基準だからだったのではないかと思う。
だから着物の本では「うす〜い、本当に薄い青が入った色」である「甕覗き」の青色にしか使われていないようである。

この辺にしておかねば・・・
ややこしい領域に踏み込んでいきそうな気配・・

         ではでは・・今日はこの辺で、アディオスです。

  
☆ アディオスについて ☆

「さようなら」として使うが本当の語源は「神々によろしく」とか。
「ディオ」が「神」。
関係ないのだが、うちの犬の名前、そこからとって「ディオ」です〜☆。